Shure初のハイブリッドイヤホン「AONIC 4 SE42HYW+UNI-A」の音質を安いイヤホンと比較レビュー。高いイヤホンと安いイヤホンの違いは果たして……

♨の人

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大抵の人は、3000円も出せば高音質なイヤホンを購入することが出来ると思います。

また高級なイヤホンと安いイヤホンは違いは確かにありますが、かけた価格分音質が良くなるのか?と言われると微妙というのが正直なところ。数万円から上は好みの問題、という考えの人も決して少なくありません。

また私はケチであり、許容範囲が広い人間でもあります。なのでこれまではずっとぶっ壊れ覚悟でダイソーの300円イヤホンを愛用してきました。

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音質にそれほど強いこだわりが無く、なおかつ寝ながらイヤホンを使う人は、大抵安物のイヤホンをぶっ壊れ覚悟で使ってると思います。 いや、勝手な想像なんだけども、何万もする高級イヤホンをポタアンに繋いで音楽聴いてるような人がそんな雑な扱いするとも思えないのでね で、私も普段は安物のイヤホンをぶっ壊れ覚悟で使っているのですが、流石に百円のイヤホンは音質がゴミすぎるので基本的に300円程度のイヤホンをイコライザーで弄って使っています そしてこれまでは百円領事館にて販売されていたコアウェーブ社のきしめんコードの300円イヤホンを愛用していたのですが、ココ最近ダイソーにて見かけるようになった300円イヤホン…



特段音質がいい訳ではありませんが、常用するのにギリギリ問題がなく、また寝ながら使用したりポケットに適当に突っ込む事を全く厭わないでいいからです。

普段から数ヶ月でイヤホンをぶっ壊し、その度に新しく300円のイヤホンを買う。
そんな私からすると、5000円のイヤホンすら買うのを躊躇うレベル。
たしかに音質は比べるのが可哀想になるくらいですが、断線のリスクを考えるとまあ費用対効果的には300円でいいかなと言う感じでこれを使ってました。壊れてもダメージが少ないからです。

なので、これまでは数万円のイヤホンとか金の無駄とまでは言わなくとも、有り得ないとしか考えていませんでした。


しかし。今回何をとち狂ったか、私はAmazonの販売価格3万6080円のイヤホンを購入してしまいました。

※価格は2020年7月24日 午後10時00分の情報です



これまで私が使用していたイヤホンの100倍以上の値段です


これまでの私なら、こんなクッッッソ高いイヤホン絶対買わないはずでした。勢いで買うにしても1万円が限度でしょうし、腫れ物に触るように扱わなければならないようなイヤホンなどいくら高音質でも真っ平御免だからです。


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しかし、少し前に9800円のBluetoothイヤホンを購入してからというものの、高いイヤホンがどういう音なのかという興味が少しずつ心の中で成長して行きました。

その興味は日を追う事に大きくなり、ついには自然と高評価のイヤホンの情報を調べているようにまでなってしまう有様。

しかし、その興味をなんとか理性という名のケチな性が押し潰している状態だったのです。


が、私♨の人はブロガーです。
そして、商品のレビューにはそれなりにこだわりを持っているタイプのめんどくさいブロガーでもあります。

なので、イヤホンの比較レビューなどをするのであれば、ひとつくらい高級(オーオタ界隈ではエントリー~ミドルらしいですが)イヤホンを持っておくのも悪くないかな?という半場言い訳のような感情が私の理性を押し潰しまして、結局半分勢いで購入してしまいました。
アホですね。


……まあ勢いと言いましても、高いならいい音でしょ!みたいに思考停止かまして買ったわけじゃありません。そこまで私も馬鹿じゃないですので。


今回イヤホンを選ぶにあたり、考えていたこととしてはまず「バランスのいい音で値段が高いイヤホンを買う」ということです。

上でも語ったように、レビュアーとして指標になるであろうミドル~ミドルハイくらいの優等生なイヤホンが欲しかったので。
なので、最初からBOSEやbeatsみたいなメーカーは避けて、SennheiserやShureなどある程度評価の高い無難なメーカーをまずいくつか調べてみました。

で、色々見てSennheiserのIE 40 PRO、IE 60や、ShureのSE215などを候補として固めていきます。どれも1~2万円クラスとコスパがかなりいいであろう値段帯で評判も上々。


……私がブロガーでなければ、確実にこのどれかを購入していたことでしょう。


そう。私はブロガーであり、レビュー目的もあって高いイヤホンを買おうとしていました。

するとですね、悪魔が心の中で囁くんですよ。

「レビュー目的なら思い切って3万円クラスにした方がいいんじゃない?1~2万円クラスってちょっと安くない?」

ってね。

しかし流石に元は音質を犠牲にしてまでも300円イヤホンを使っていた程のケチです。イヤホンに3万円?ネタで出す金額かよという思いも強い。
でも考えてみれば2万と3万なら3万円が後々欲しくなる気がする……それにレビューの指標としては3万円の方がインパクトあるし、イヤホンは私生活でも良く使うしこのくらいなら投資した方がいいのか?

3万円ってイヤホンとしては高いけどスマホとして考えるとそこまで高くもないよな……使用時間は長いしスマホと違って性能が落ちることもないし、買ってもいいのかも?


……てなわけで葛藤の末悪魔の誘惑に流され、予算を3万円に増やして再びイヤホンを探します。

ですが、調べてみると2~3万円クラスになるとBA型が増えてくるんですよね。


実は、当初からBA型は私の音楽の好みにはまあ合わないだろうなと思ったので意識的に避けていたんですよ。AONIC 3とかも値段的には良さげですが、BAとのことで候補から外していました。
(私の好みの音楽ジャンルはデスコアやオルタナティブメタル、アニソン。再生周波数帯域が狭く低音域が苦手なBA型向きのクラシックとかジャズにはほぼほぼ興味がないため)

しかし、Sennheiserはともかく、Shureの高いイヤホンって結構BA型が多いんですよ。

BA型はなぁ……Shureやめるか?

と思っていたその時に見つけたのがこのAONIC 4。



このイヤホンはBA型とダイナミック型両方のドライバを詰んだハイブリッドタイプ。つまりはBA型の繊細な音と、ダイナミック型の迫力のある音を混ぜたもの。
初見の印象としては、どっちの特性も行かせるということで非常に魅力的でした。

それにレビューの指標とするにしても、BAの繊細な高音を出せるということで同価格帯のIE 80 Sよりも良いかもと思いまして。

その後に情報収集もしてみたのですが、レビューの数自体は少ないものの基本的にどこを見ても高評価の嵐。音質もクセのない優等生という評価が多かったです。

またShureはハイブリッド型を出すのは初らしいですが、開発者自身が仕事をほっぽり出して一日中このイヤホンの虜になってしまったとの話も見ることが出来ました。

他にも、このイヤホンはハイブリッドなだけありBA型と比較してドラムやベースなどの低音が良く出ているという声も沢山見受けられる。


これだけ評判が良ければまあ、私の使用方法にも合ってるんじゃないかなと。だいたい決め手はこんな感じです。まあ実際は過半数は勢いに任せてますけど。

今思えば、私が超高評価してる2画面スマホG8Xも結構勢いに任せて買いましたし、勢いが付いて裏付けも取れた私はもう止まれないのかもしれません。基本的に高額商品を買う時は勢いに任せちゃってますね。

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まあ一応言い訳を追加するとすれば、高級なイヤホンはリケーブルというケーブルのみを取り替えることが出来るモデルが多いです。
当然例に漏れずこのShureのイヤホンもリケーブル対応。

リケーブル用のケーブルはだいたい4000円前後なので、イヤホンが壊れる原因の8割を占めるであろう断線が起こっても4000円で直せると考えれば5000円前後のイヤホンを短いスパンで買い換えるよりも賢い選択かなと。


私はケチでせっかちなので、他の人みたいにじっくり吟味してお金を貯めて買うってのはどうも性に合わないもんで……まあ、これについては深く語ってもこの記事とはあまり関係ないのでここまでにしておきましょうか。

一応勢いに任せて買った商品ではありますが、上に書いたようにそれなりにこれを選んだ理由もあるにはあるんです。なので期待は充分、早速音質のレビューに入っていきましょう。



箱がイヤホンにしてはデカすぎる。ヘッドホンやバウムクーヘンが入ってても全く驚かないようなサイズ


付属品の有無などは他のサイトにて詳しく語られていますので今回は割愛するとして、流石にこの値段帯のイヤホンは安いものとは比較になりません。
付属品の数も、パッケージの高級感もまるで別物。
ブリスターパック梱包の数千円イヤホンと比較すると、何から何まで高級感に溢れています。


というかデカすぎ。バウムクーヘンでも入れるくらいの箱ですよコレ。





付属品は豊富。ウレタン素材のイヤーピースやシリコンのイヤーピース、イヤホンケースが付属


中身はイヤホンケース、説明書×2、本体でした。

ケーブルは思ったより普通ですね。もっと紐で編み込んだやつとか想像してたんですが、多少太い普通のケーブルです。
質感もアルミではなく樹脂製なので普通ですね。まあ見た目が明らかに高そうなイヤホンなので安っぽさはありませんが。

イヤホンケースの中にはアダプターや大量のイヤーピース、掃除用の棒が入っていました。



とりあえず聞いてみた。音質は確かにかなりいいけど……


とりあえず試しに普段聞いてるNOCTURNAL BLOODLUSTを聞いてみましたが、確かに音はいいです。買って大正解。私の好みのジャンルを楽しむのに最適であろう、程よく迫力もあり尚且つナチュラルで優等生な音。

が、しかし。感動するとか、他が一気にゴミに思えるようになるとか、そういう程でもないですね。

比較してないので分かりませんが、確かにこれを低音質というのは絶対に不可能ですが、他がゴミに思えるほど高音質かと言われれば……別に他のイヤホンでも十分に満足できるんですよね。
確かにハイハットの繊細な音とか、タムやスネアの粒立ちとか、ベースの解像度とか何から何まで物凄く繊細でいいんですけど、そういうのってそもそもそれなりの知識があり尚且つ楽器一つ一つに注目しないと分からないじゃないですか。
だったら普通の人は何万円もイヤホンにはお金出す意味はないのかもしれません。

実際に高いイヤホンを買ってみて、オーディオが趣味としてはかなり異質なのが更に頷けるようになったかなぁと。

元値1万円もするのに百均レベルの音質だったBUFFALOのクソBluetoothヘッドセッドみたいなあからさまな地雷を除けば、大抵の人は音質に定評のあるメーカーの5000円くらいのイヤホンで満足できると思います。

特に100円→5000円は違いが明確すぎて大抵の人は笑いが止まらなくなるかと。

が、普段5000円のイヤホンを使ってる人に何も言わずにこのイヤホンを渡しても、大したリアクションは得られないかなと。そんな感じですね。



普段はそんなことしませんけれども、今回は流石に3万6080円もするイヤホンなので、数時間エージングをしてから音質の比較テストをしました。
※価格は2020年7月24日 午後10時00分の情報です
エージングしてさらに音が良くなっていると思うので、比較に期待が膨らみます。





音質の比較。比較するのは1万円クラスのBluetoothイヤホン、3000円クラスのLG付属イヤホン、そして1000円クラスのELECOMのイヤホン


比較対象は9800円のBluetoothイヤホンMS-TW21BS、恐らく3000円クラスであろうLG G8X付属イヤホン、ELECOMの1000円クラスイヤホンEHP-CB100ARDです。

MS-TW21BSはBluetoothなので、この2つのみ比較する際は普通のAndroidスマートフォンに直差しで。その他の有線イヤホンはDAC搭載のG8Xで比較して聞いてみるとしましょう。

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さて、3万超えのイヤホンは果たしてどのような音を聞かせてくれるのか……非常に楽しみですね。


因みに比較方法としてはいつも通りこのような感じ。

①双方通しで一曲試聴
②比較ポイントを相互に聴き比べ
③2を何度か繰り返す

私はイヤホンの音質を比較する際は、プラシーボなどをなるべく減らすために常にこのような手法を用いています。

ではまず一曲目。NOCTURNAL BLOODLUST
「Life is Once」です。



楽器隊のゴリゴリの重さと、シャウトによる仮声帯の複雑な音が入り交じる最高にエクストリームな楽曲。この曲の重さを果たしてAONIC 4はどう表現するのか……期待が膨らみますね。

・MS-TW21BS 
普通にいい音です。シャウトの喉の乾いたエッジも、ハイハットもシンバルもちゃんと聞こえる。全体的に全面に押し出されているようなとても迫力のある音を鳴らしてくれています。
ただ、迫力と引き換えに解像度が低い気がします。全体的に少しボワついてる感じがあり、ボーカルが少し聞こえにくい気がしないでもありません。これは他のイヤホンと比較した際にも真っ先に感じることです。
幸い持ち味の迫力とレンジの広さにより、解像度の劣りは十数秒もすれば気にならなくなります。普通にいい音だとは思います。

・AONIC 4
まだ深く比較していないこの段階ですら、音の違いではなく音質の違いを感じられます。

特にリズム隊の音の粒立ちが段違い。全体的にとても綺麗に鳴っているのに、迫力では全然負けていない。

解像度と迫力を両立しているのはハイブリッドが成せる技でしょうか。

迫力と引き換えに解像度が低いMS-TW21BSを、どちらも一定レベル以上で鳴らす優等生と比較するのは正直なところ少し可哀想になるような気もしてきました。

細かく聞き分けるまでもないほど違いがあるので、今までのイヤホン音質レビューよりかなり楽というのが感想ですかね。

細かく聞き分けてみると、より違いが鮮明になります。例えばこの曲は出だしの「BREAK OUT」のシャウトから一気に音圧が上がるのですが、音圧が上がったあとの解像度が段違い。

MS-TW21BSは迫力はあるものの、高音が少しノイジーで喧しく感じます。それと比較してAONIC 4は高い解像度を誇るのに全く煩さを感じません。
またドラムの音の粒立ちの良さにてAONIC 4は完全に上位互換。
他にも裏で鳴っているスクリーチをAONIC 4が完全に個別に鳴らせているのに対し、MS-TW21BSは少し混ざってしまっています。
またスクリーチのより高い音というのもAONIC 4の方が聞こえが良く、好みの問題とかではなく、単純にAONIC 4の方が音質がいい。そんな感じですね。

唯一MS-TW21BSが勝っているのは音の迫力。解像度の低さが逆に迫力を生み出しているのか、鼓膜を思いっきり揺らしているという感覚が強いのはMS-TW21BSでした。

・LG G8X 付属イヤホン
解像度はMS-TW21BSと比較して少し高いです。低音もそれなりにちゃんと鳴っており、自然派な音ながら音楽を楽しめるいいバランスの音。コスパ化け物Androidスマホの付属品にしてはかなり頑張ってるなという感じですね。
Hi-Fi Quad DACも相まって、スマホ+付属イヤホンだとしてもかなり上質なのではないかなと言う感じ。個々の楽器を集中して聞き分けるなどのレビュアー目線で聞かなければ、このイヤホンでも十分に満足できるかもしれません。

しかしAONIC 4と比較するとやはり全体的に劣っています。高音や低音もそれなりに出ているものの解像度が低めなので、比較すれば音圧が一気に増す場面は少し耳障りかなと。

・EHP-CB100ARD
小綺麗な音ではあります。低音も高音もしっかり鳴っており、音楽を楽しむのには申し分ない感じ。この価格にしてはそれなりなのでは無いでしょうか。

しかし、流石に値段が30倍以上も違うイヤホンと比較するのは無理がありますね……まあ音質が30倍違うか?と言われたらそれも違いますけども。

全体的にシャリついたのっぺりとした音で、ドラムの粒立ちも篭っており比較するとイマイチ。ボーカルも少し埋もれており、AONIC 4と比較するとメリハリがなく音楽を聴いているという実感が少し薄いです。

音質としてはLGの付属イヤホンの少し下と言った所でしょうかね。






さて、次に比較する曲はDIMLIM「vanitas」です。


綺麗で悲壮感のあるサウンドに、メタルの要素が入り交じった独特の世界観を持つ楽曲。高音、低音、シャウト、ホイッスルとボーカルの次々と切り替わる表現力豊かな歌唱も魅力的です。

ではまずはMS-TW21BSから

解像度は高いとは言えませんが、低音域の迫力はやはりあります。ベースが特に良く聞こえますね。
しかし、曲の途中の超ロングトーンホイッスル時の他の音が引っ込んだ時、ハイハットが必要以上にシャリついている気がします。また何となくボーカルが埋もれ気味な気もしました。

音量をあげると耳が痛くなるが、音量を下げるとコレジャナイ感がする。この曲とMS-TW21BSは相性が良くないのかそんな感じですね。

次にAONIC 4。個人的にはNOCTURNAL BLOODLUSTよりも違いが分かりやすかったです。
これほどまでに違いが出れば、音に無頓着な人でもすぐに違いが分かるレベル。完全に格が違います。

全体的に解像度がこちらの方が高く、ボーカルが埋もれ気味な印象もありません。またシャリついたハイハットの音もこちらでは特にそんな印象は感じませんでした。

また一番印象的なのはベースの音が全然違うということ。MS-TW21BSが重低音の迫力を重視しているとしたら、こちらは原音に忠実なベースの音がします。
ベースの音の主張はそこまで強くないのに、鮮明にベースの旋律が聞こえる。音からして違うという感じですね。


LG付属イヤホンはやはりこれまでの傾向からして、MS-TW21BSより聞こえやすい音です。まあDAC噛ませてるのでフェアではないかもしれませんが、この曲に関してはハッキリとこちらの方が音質が上だと断言できますね。

低音はMS-TW21BSと比較して弱めですが、ベースの音は綺麗に聞こえます。しかしホイッスルパートでのハイハットのシャリつきはこのイヤホンでも感じますね。


そしてEHP-CB100ARD。これはここまでのイヤホンとは結構音の傾向が違いますね。軽めの音でクリーンな印象。

ベースの音の迫力が少し弱めになったのと引替えに、ボーカルがよく聞こえます。多少高音の解像度が低めな気もしますが、ハイハットのシャリつきはLGのイヤホンと比較して控えめです。
またベースの旋律もそれなりにいい感じに聞こえますね。
ただAONIC 4と比較するとやはり解像度がめちゃくちゃ低くて安っぽい音です。
ですがそれはまあ値段的に……ね。




次はMay'n「graphite/diamond」


アニソンです。バイオリンの旋律がかなり綺麗で、このバイオリンをいかに上手く鳴らすかで印象がだいぶ変わってくることでしょう。ではまずMS-TW21BSで鳴らしてみます



……やはりこの曲はこのイヤホンにかなり合っている気がします。バイオリン、コーラス、ベースの迫力がとてもいい。解像度は特段高くないものの、迫力がその解像度の低さを押し潰しています。

特に素晴らしいのはバイオリン。まるで眼前に迫り来るかのような迫力があり、解像度だけでは語れない良さがあります。


そして次にAONIC 4ですが……これはMS-TW21BSが大健闘したと言っても良いのではないでしょうか?

音質の綺麗さ、繊細さでは確実にこちらの方が上です。比べるまでもありません。

しかし。なぜか迫力では互角なんですよ。

解像度も音のバランスも勿論AONIC 4の方が上です。
しかし、それだけでは表せない迫力が4MS-TW21BSにはある。その迫力のみで桁違いの音質と張り合っています。

正直なところこれには驚きました。1万円のBluetoothイヤホン如きがこのAONIC 4と同格の音を鳴らすとは。

これが俗に言う好みの問題というやつなのでしょうか。これはいい体験をしました。
やはり自分の耳で較べてみると色んな発見がありますね。



LG付属イヤホンは、やっぱりこれも普通にいい音。迫力は少しだけ落ちる気もしますが、音のバランスなどに関しては全然高音質と言えるでしょう。

ただ、このイヤホンにはMS-TW21BSのような特殊な迫力がある訳でもありません。なので、当然AONIC 4と比較してしまうと……まあ迫力や音の細さなどで完全敗北してしまっていますね。



EHP-CB100ARDは……まあそうだよねって感じ。
いや、普通に音質はいいですよ?
このイヤホンはどちらかと言うと高音が得意系なので、綺麗な旋律もちゃんと鳴らせています。

しかし……LG付属イヤホンの少し下のこれをAONIC 4と比較したら、ねぇ。そりゃあ色々言いたい部分が出てきますよ。

まず迫力が完全に負けています。それに高音も少しシャリついていて、少し違和感があります。クリアさはそれなりにあるんですけど、それも解像度が高いという訳ではなく迫力を引替えにシャリ感を足してるって感じ。

……まあ何度も言うけど30倍以上の値段差ですからね。この子をこれ以上いじめるのはやめてさしあげろ()



お次はLynch.「EVOKE」


Lynch.はハードな音に鋭いシャウト、そして艶のあり尚且つエッジが所々に混じった葉月さんの魅惑の歌唱が特徴的なビジュアル系ロックバンドです。

音は全体的に疾走感があり、なおかつ重め。さて、どのような違いが感じられるか楽しみです。

ではまずお決まりのMS-TW21BSから。
かなり重たいサウンドですね。全体的に解像度は高くありませんが、迫力はあります。ギターサウンドとドラムが心地よいですね。

AONIC 4はやっぱ解像度が違いますよ。特にドラムのシンバル。綺麗に聞こえるのにシャリシャリした機械的な嫌な音じゃない。やっぱりこのイヤホン優等生です。

なんかちょっと疲れてきたので少し投げやり気味になりますが、やはり全体的に高音質なんですよね。楽器それぞれの音が綺麗に聞こえて、それぞれの音に着目しなくとも全体的に綺麗に聞こえる。
解像度が高くクリアな音なのも言わずもがなです。

また、特に違いを感じたのはスクリームのエッジ。葉月さんのフライスクリームは仮声帯メインの鋭めなシャウトなのですが、仮声帯のザラザラとした鳴りが明らかに比較して粒立って聞こえる。MS-TW21BSでももちろん聞こえますが、こちらの方がよりリアルです。

正直クッッソマニアックですが、私みたいなシャウト好きからしたらこれはかなりいいと思いました。



LGの付属イヤホンは、まあ今更言うこともないです。普通に高音質。
そしてAONIC 4と比較したら解像度や迫力で劣る。そんな感じです。

正直なところ疲れてきたので適当になってると思いますが、音質の比較ってマジでそれくらい疲れるんで……イヤホン抜いて、刺して、流して、刺して、流して……これ書いてる時点でもう3時間くらいそんなことやってるからね。同じ曲の同じ部分をずっと比較するんですよ?気が狂いそうです。

そこまでしなくても直感で書けばいいんですけどね本当は。大抵のサイトってそんな感じでちょっと聴き比べて書いてるでしょうし、だいたいそれで十分でしょうから。

でも私はそれだと糞耳扱いされそうなのでここまで細かく比較してるってわけ。正直なところ言うと大抵の人はどっちも高音質と思うと思いますよ。いやこれマジでね。



んでEHP-CB100ARD。

これ……今更だけどなんで比較対象にしたんだろうか。正直なところ比べる意味あったの?

普通にAONIC 4と比較してシャリってますよ。解像度も低い。付け替えた時に違いにびっくりするくらいには音は違う。LGの付属イヤホンは全体的な印象ではそこまで驚くほどの差は感じないから、このイヤホンよりははるかに音質はいいんだと思います。





さて、お次でようやく最後です。真面目に疲れたし気分も悪くなってきました。4つも比較するんじゃなかったよマジで……

最後の曲は零[Hz]「AXIZ」

シンセサウンドをベースにした高音域が豊かなロック曲です。

ボーカルのROYさんは気品溢れる上質なハイトーンボイスが特徴的。シンセサウンドはイヤホンによっては耳が痛くなる鬼門ですから、それがどう影響してくるのか気になりますね。

ではまずMS-TW21BSから。

シンセサウンドに関してはまあそれなりにちゃんと鳴っています。ただ解像度は少し低い気もしなくもありません。

シンセサウンドを鳴らすのに手一杯でボーカルが少し奥に引っ込んでしまっているという印象。
ボーカルがちゃんと聞こえるまで音量を上げると楽器隊の音が大きくなりすぎて少し聞き疲れしますね。高音のロングトーンは少々耳に刺さります。

かと言って音量を下げると今度はボーカルが埋もれる。これは苦手なタイプの曲かもしれません。


お次はAONIC 4。比較してやはり優等生です。

音の粒立ちが全然違います。シンセサウンドも、ドラムも、ギターも、ベースもボーカルも全てが独立している。
特に00:50秒辺りから始まるギターサウンド。AONIC 4は鳴りがとにかく自然です。

ここまで比較してきて違いがわかりやすい曲、分かりにくい曲色々ありましたが、これは違いがかなりわかりやすい曲ですね。


LGの付属イヤホンは、この曲とは相性良さげですね。高音は潰れ気味ですが、音の粒立ちやギター、ボーカルの聞こえやすさなど総合的に見ればそれなりにいい感じです。
しかしAONIC 4と比較するとやはり地味な音で面白みが薄いですね。音の立体感が全然違います。
それにやはり高音が潰れているのが気になる。キャパオーバーというかなんというか、シンセサウンドを上手く鳴らしきれていない時点でAONIC 4と比較しても悲しくなるだけですね。


んで最後にEHP-CB100ARD。

問題外な気がしますね……高音が潰れすぎてて耳がかなり痛い。立体感も薄いです。
何度も言うけど30倍。比較対象にするのがおかしいです。
高いイヤホンと安いイヤホン、やっぱり差はありますよ。
このクラスのイヤホンだと差は明確に分かりますね。LGのものは比較してもまだ大丈夫なレベルなので、もしかしたら私の予想よりももう少しクラス的には上なのかもしれませんね。




高いイヤホンを買っても、安いイヤホンがゴミのように思える訳では無い


今回のレビューは、ちょっとMS-TW21BSが可哀想ですかねぇ。BluetoothにはDACの効果は一切ありませんから、正直なところフェアではない。
DACを使えるのも有線イヤホンの強みといえばまあそれはそうなんですが……ね。

音楽を楽しむなら安いイヤホンでもそれなりに十分ということが分かりました。

たまに見る「〇〇万円以下のイヤホンの音質はゴミ~」「高いイヤホンは世界が変わる」みたいな別物!ってのではなくて、高いイヤホンは細かな音にも拘った上質な音を鳴らしてくれる……そんな感じ。

まあAirPodsやiPhone付属イヤホンが充分高音質なのを考えれば誰でも分かると思いますけど、高いイヤホンにしたら全てが変わる!なんてそんなことは当然ありませんよ。
何となく聞くのではなく、聞く側もそれなりに考えながら聞かなければなりません。

なので、高額なイヤホンは一つ一つの楽器に着目して音楽を聴き込むような、音楽に精通した人が買うものかなぁと思いましたね。
まあ高いイヤホンは細かな音にも気付きやすいという点は確かに感じましたが。

少なくとも私が聞くタイプのジャンルでの感想はそんな感じ。
これがクラシックとかR&Bみたいな私が聞かないジャンルだと変わるのかもしれませんが、私はそういう音楽全く聞かないのでわかりません。オーディオマニアの人にでも聞いてください。



クソ高い買い物だったけど、優等生なバランスのいい音質で個人的には満足


総合的に考えて、私は今回の買い物に満足しています。
まあイヤホンの値段にしてはクッッッソくらい高いってのが私の個人的な感想ですけど、リケーブルできるし音は確かにわかりやすくいいし長く使えるのならそれなりにコスパはいいかなって。

勿論高いイヤホンを買ったからって安いイヤホンをゴミって言う気もありません。今回は思いっきり比較したので違いとか書いてますけど、人間なんて一日使ったら慣れてしまうものですし、普通の人は5000円クラスのイヤホンで充分だなってのがやはり素直な感想。

それにこんなくそ高いイヤホン寝る時にまで使えないので、寝る時は普通にこれからもダイソーの300円イヤホンも使っていくつもりですしね。

というわけで、今回はこの辺で。

以上です。


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