イヤホンのドライバー数の違いとか気にしなくていいんじゃね?中華イヤホンは多ドラだけどメリットあんの?

♨の人

-

スポンサーリンク

多ドライヤホン。

ある程度イヤホンに興味を持って、2~3万くらいのモデルを買い始めたくらいにこの言葉は非常に魅力的に見えると思います。

巷には5ドライバを超えるような沢山BAを詰んだ高級機が溢れています。

Campfire Audio ANDROMEDA 2020【CAM-5492】レビュー。他のイヤホンとの違いはシルキーな高音域

今回は、新たに購入したイヤホン、Campfire Audio ANDROMEDA 2020【CAM-5492】のレビューです。



特に8ドライバや12ドライバともなるとハイエンド中のハイエンド。値段も高いけど音質も別格に高い。
ですから、初心者は大なり小なり多ドライヤホンを神格化するのではないでしょうか。

ここで
高いイヤホンはドライバー数が多くて高音質→ドライバーが増えると高音質
という思考回路が構築されます。

そして、中華イヤホンを見て驚愕するわけです。
5000円で5ドライバ!?という具合に。

そして思うのです。
有名メーカー品と中華イヤホンは同じドライバ数だから、中華イヤホンは有名メーカーの高級機並の音質が激安で手に入る……と。

しかしですね。ある程度イヤホンについて造詣の深い方ならわかると思うんですけど、ぶっちゃけイヤホンのドライバ数って音質とあんま関係ないんですよね。




音質に定評のある各社のイヤホンのドライバー数はバラバラ


じゃあ、話は変わりますが巷で有名なイヤホンメーカーのハイエンド品のドライバー数を見て見ましょうか。

まずはダイナミックドライバ一機構成のメーカー。ご存知SENNHEISER IE800Sだったり、Final A8000だったりが該当します。
どちらも10万20万と普通にハイエンドですが、ドライバーはダイナミック一機。

この時点でなんか雲行きが怪しくなって来ましたが、お次は多ドラタイプを見ていきましょう。

まず6機、8機のWestone、8機や12機を搭載するJH Audioが有名どころでしょうか。

他にも世界で初めて18ドライバを搭載した64Audioとかがありますね。今では20ドライバモデルも存在し、上を見ればキリがありません。

勿論両極端ではなく、中間に位置するモデルも沢山あります。むしろこの辺がオーソドックスですかね?
4ドライバのShure SE846や5ドライバのANDROMEDA、3ドライバのUltimate Ears Reference Remasterdなんかが該当します。

ちょっと変わってるやつだとIER-Z1Rなんかは3機構成のデュアルダイナミックハイブリッド型ですね。

で、ここで問題となるのはドライバ数と音質の関係性ですよ。

ドライバ数が多い方が音質的に有利なら、上に挙げたモデルの中なら18ドライバの64Audioが間違いなくトップでしょう。逆に一機のSENNHEISERやFinalは最下位になります。

しかし、実際のところはそうじゃない。

どのイヤホンももはや個性の違いレベルで、どちらが音質がいいかなんて簡単に片付けられる代物ではありません。

この時点で音質とドライバ数はほぼ関係ないんです。




シングルBAは多ドラと比較して劣るのか?


そもそもドライバーユニットが18ドライバだろうが3ドライバだろうが、正直なところ重要なのはそこじゃないんです。

例えばドライバー数が増えると高解像度になると言われてたりしますが、それならSONYのダイナミック一発のモニターイヤホン、EX1000はどうなるのでしょうか?

他にもFinalのF7200はシングルBAです。だから同価格帯のUE900SやSE535より解像度は劣り音場も狭いか?というと、いやいやそうも言いきれんだろって思いますよね。

つまるところ、ドライバー数がどうであれ結局のところは聴いてみないと分からない。

ならドライバー数とかぶっちゃけどうでもいいんじゃね?と思った次第です。




重要なのはドライバ数じゃなくてチューニング。高級イヤホンの値段は開発費


最初こそ中華イヤホンの驚異的なまでの値段とドライバ数の関係性に戦いていたものの、今では中華、というかKZのやたらとドライバーを増やす姿勢にはちょっと疑問が湧きますね。

そりゃ値段が同じでドライバー数が増えれば、一件コスパがとんでもなく高いように見えて目を引きます。

しかし、それは本来多ドラのイヤホンが高いものしか無かったからです。

そしてその高い理由は、多ドラをチューニングするのが難しいから。ドライバ数が増えれば増えるだけ歪みや位相のズレ、配置の問題などによりチューニングの難しさは上昇するので値段も上がるというわけ。

現に5BAを超えるようなイヤホンは右を見ても左を見てもハイエンド価格。それらはドライバの原価もあれど、かなりの割合を開発費が占めているからでしょう。

そして、KZのイヤホンは12機のドライバーを搭載していようが一万円程度で買えます。
なんなら5BA程度なら5000円でも買えるかもしれません。

しかしスペックだけ見ればめちゃくちゃコスパがいいように見えますが、その大量のドライバーを詰んだイヤホンをチューニングした開発費はどこで回収してんだ?って疑問になりますよね?

例えば64Audioの18BAカスタムIEMなんかは40万円もしますし、12BAのJH LaylaⅡも40万円します。
勿論この二機種は馬鹿みたいにインフレしてるとは思いますが、それでもその中の数万円は間違いなく扱いにくい多ドラをチューニングした開発費でしょう。

有名メーカーを見るに、だいたい1BA一万円くらいが相場ですからね。




そもそも音質を決めてるのはドライバーだけじゃない


やっぱり、イヤホンってBAが6機だからどうとかダイナミックだからどうとか言えるような単純なものじゃないと思います。

よくよく考えてみたら当たり前の話なんですけど、イヤホンの音質を決めてるのってドライバーだけじゃないですからね。
本体内部のドライバーの位置、音導管内の反響、ノズルの太さ、ネットワーク、ケーブルの抵抗値etc.

結局のところはこれら全てをひっくるめて、メーカーがどんな音作りをしているかでイヤホンの音は変わります。
例え12BAだろうが、1DDだろうがチューニング次第でいくらでも変えられるのではないでしょうか。

SE846のローパスフィルターとか凄いですよ。
この板の配置や距離をちょこっとずつ変えて微調整とかしたと思うともう……

こういうのを見てると、チューニングの重要さがわかりやすいと思います。





無理に多ドラにする必要性はない


結論として、イヤホンをドライバ数で見るのはあまり良くない傾向だなと思います。

そもそも多ドラ競争自体インフレを加速させるくらいしか効果は無いのではないでしょうか。現状少いドライバ数でも素晴らしい音を出しているモデルは腐るほどあるのに、無理に多ドラにする必要性があるとは思えません。

KZも音自体は素晴らしいらしいですし、無理に12BAとかにせんでもと。

まあ興味はありますが。詰め込めるだけ詰め込んだ多ドラと、音をちゃんとチューニングした多ドラにどのくらいの差があるのか比較してみたいって思ったりもしてます。

しかし、イヤホンのドライバ数と音の関係性を見るに、まあ結果は知れてるだろうなぁと。

というわけで皆さんもイヤホンのドライバ数にこだわるのは程々にして、ダイナミック1発のA8000でも聞いてみてはどうでしょう?知らんけど。

以上です。
ブログパーツ
関連記事

スポンサーリンク