イヤホンスパイラルの終着点。定価37万円の初代超高級イヤホン、JH Audio Layla Universal fitを買ってしまったのでRosieと比較レビュー
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流石に自分でも馬鹿だと思う。
はい。3万6000円のAONIC4を買ってからまだ3ヶ月も経っていないのに、遂に2桁万円をイヤホンに溶かしてしまいました。
・Shure AONIC4
・ifi audio nano idsd BL
・JH Audio Rosie
・ifi micro idsd BL
・JH Audio Layla Universal fit

この3ヶ月で買ったオーディオ関係がこちらです。
中古や新品が混じってますが、総額30万普通に超えてます。
何が私はオーディオマニアじゃないだ。
普通に沼ズブズブやんけ。
私は自分が沈んでいることに気付いていないただの愚者でした。
まあ定価で買ってたら60万余裕で超えるので、これでもめちゃくちゃ安いんですが……それにしたって散財しすぎだろうと。
別に特に何も買ってない時に10万使うくらいならいいんですけど、今回は散々使いまくってるのに10万も出してますからさあ大変。
(このクラスになると1~2万とか誤差なので10万としてます)
一度緩んだ財布の紐を戻すのってマジで難しいので、一体今後どうなってしまうのかと戦々恐々です。
JH Audioの初代ウルトラハイエンドイヤホン。あのマツコも唸った

このLayla Universal fitは、ジェリー・ハービー氏が初めて作ったスタジオグレードのイヤモニです。
それまでの上位モデルだったRoxanne Universalは14万円ですから、このLayla Universalは強気としか言えない値段設定ですね。
しかし、その圧倒的なまでの価格をものともせず、もしくはその価格故か、今でもJH AudioのLaylaシリーズはイヤホンの最高到達点のひとつとしてその地位を確固たるものとしています。
またこの値段の馬鹿げたイヤホンの割には、一般層への知名度も高いという特殊なモデルだったりもします。
これは「マツコの知らない世界」というテレビ番組で取り上げられたからですね。
その番組では、まあ当然音質は非常に高く評価されていました。というか、完全に別物というレベルで扱われてましたね。
更に言うと、JHの多ドラユニバーサルは筐体がデカく重く装着感が最悪なことで有名です。このLayla Universalも例に漏れず、装着感は普通のイヤホンと比較して非常に悪い。

(イヤモニとしてオーソドックスなShure製品と比較してこの大きさ)
なので恐らくはマツコも対してフィットしていないイヤーピースで聞いたと思います。
しかしそれでも絶賛するのですから、耳の鍛えられていない(というよりオーディオ目線で分析的に聴かない)一般人目線からしても音質は凄まじいのでしょう。
勿論だからどうした?という話ではあるのですが、適当に聞かせてもすごいと評価されるイヤホンがしょぼいわけが無い、というのは購入者の不安感を払拭してくれて嬉しいです。
ちなみにこのイヤホンの他に買おうか迷っていたイヤホンに、FinalのA8000があります。
JHのRosieがリスニング系モデルのハイエンドなので、モニター調のハイエンドも1機は欲しいな、と。それでLaylaとどっち買うか迷ってました。
どちらも傾向としては比較的モニターライクなフラットな音のイヤホンということで、そのキャラクターのイヤホンとしてどちらを買うか割と悩みました。特にA8000は大人気ですし。
もちろん両者それぞれ個性があり別物の音のイヤホンなのでどちらも買えばいいのかもしれませんが、耳はひとつ(一対)しかないしこんな値段のイヤホン何個も何個も買いたくないです。
(私はオーディオマニア、というよりコレクターじゃないというのはそういう所です)
で考えた結果、私は好きなジャンルがメタルやラウドロックということもありJHの音の濃さが好きだったのと、JH Audioの特徴でもある低音調整機能に引かれたのでLaylaを購入しました。
唯一言われているのは装着感。大きく重いため人によっては装着すらままならないという点ですが、これに関しては私は既にRosieをメイン機として普通に使えているので特に懸念点とはなりませんでした。
まあ使い続けてると耳が痛くなるので良好とは言えませんけどね……
もう音質の比較とかしなくていいんじゃないかな
装着感に関してですが、これは予想に反してかなり良好でした。
正直あまりにも装着感がボロクソ言われてるので心配だったんですが、むしろ私の場合Rosieよりもフィット感は断然良かったです。一度フィットすればもう軽く引っ張ったくらいでは取れることもありません。
イヤーピースは付属品の一番大きなシリコンのものを使いました。私は普段Mサイズのイヤピがジャストフィットなのですが、JHのイヤホンは音導管も太く本体も大きいので、なぜかLサイズ以外はスカスカになり全く耳にフィットしません。すぐに外れてしまうんです。
これはRosieも同じでした。
正直装着感が悪いってのはこのイヤピの相性もあるのでは?と少し思ってしまいますがどうなんでしょうね。
そして音ですが……これは確かに凄いです。解像度が半端なさ過ぎる。
とても小さな音の粒が密集して耳に押し寄せているような、本当に全ての音が細かく聞こえます。
軽く聞いただけでも分かるほど解像度が凄まじい。
特にハイテンポな曲でのドラムや電子音などの細かな音の解像度が物凄く、こればかりは聞いてみないと分からない領域だと思います。
低音調整は12時の方向にしましたが、普段Rosieを聞いてる私でも低音域の不足やパワーの低下は感じません。
ヴォーカルは曲にもよりますが音像の近さに特化したタイプではなく、大きなホールで聞くような広がりのあるタイプですね。スタジオモニターイヤホンではありますが、非常にリスニングの毛が強いバランスだと思います。
今ではLayla ⅡやLayla AIONがあるので初代Laylaはだいぶ安くなりましたが、腐っても37万円しただけあります。中古でもこの値段で売っていいイヤホンじゃないですよ。
実際初代LaylaはLayla ⅡやLayla AIONと違い、音は少し荒削りなものの濃さは随一で好みが別れるそうです。
レア物ですし、もし見かけたら絶対に買うことをオススメしますね。
で、これでいつもの流れならRosieと比較しているところでしょう。14万のイヤホンと37万のイヤホンどっちが音質いいの?みたいな感じでね。
しかしですね。さすがにこのレベルまで来てそんなことするのは野暮ってもんでしょうよ。
コンセプトだけで言うならRosieはガチガチのリスニング機、Layla Universalはガチガチのモニター機です。そもそも系統が違う。
さらに言うとどちらもハイエンド。それを比較してどちらが上かとか馬鹿らしいじゃないですか。
なので、今回はあくまでも聞いた際に感じたことを書き殴ることにします。
視聴曲は下記の4曲。
・聖飢魔II GOBLIN'S SCALE
聖飢魔IIとしてはかなり新しい部類に入る、2016年の再々再集結時の曲です。
円熟したデーモン閣下の歌唱に、ジェイル大橋代官らしい荒々しいギターリフが主体となった聖飢魔IIらしいハードロックナンバー。
流石は実力派ベテランバンドと言うべきか、音質もかなりいいのでモニターライクなLaylaがどういう表情を見せるのか非常に楽しみです。
・インディヴィジュアルズ ∀NSWER
私のリファレンスのひとつです。いいイヤホンで聞くとベースのソリッドなアタック感がとにかく気持ち良いエレクトロニコアナンバー。
シンセサウンドとベースがメインのMIXとなっており、このハードなサウンドをLaylaで聞いたらどうなるのか気になるのでチョイスしました。
・NOCTURNAL BLOODLUST V.I.P
軽快なノリと重いサウンドが特徴の歌モノエクストリームナンバーです。
NOCTURNAL BLOODLUSTはメタルの中でもかなり音が重い方ですが、VENOMやMalice againstみたいなデスコアエクストリームと比較するとどちらかと言うと大人しめでヴォーカル色も強い曲なので、Laylaを聞くのに割と適している気がします。まあこれでも普通の曲に比べたら音は重すぎるくらいですが。
・鷺沢文香 大きな古時計
アイドルマスターシンデレラガールズより、鷺沢文香による童謡のカバーです。
ゆったりとした楽器隊に、消え入るようなウィスパーボイスによる歌唱。息遣いや声帯の音まで聞こえるような非常に落ち着いた音が特徴的なこの曲を、Laylaはどう鳴らすのか。期待が膨らみますね。
Laylaの低音調整は12時にしました。やはり私は低音の量感とソリッドさを両立したバランスでこの辺が好みです。
Rosieはいつも通り1時の方向です。
アンプはmicro idsd BLを使用しました。
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方向性の違う完成系。この解像度はもはや恐ろしい
それではまずGOBLIN'S SCALEから聞いていきましょうか。
・Rosie
Laylaと比較すると音が狭めなウォームサウンドですね。しかし耳に刺さりにくく聞き疲れしない音なのはRosieだと思います。
スネアの音や解像度ならLaylaに比べて劣ります。しかし、Rosieの音の暖かさはこれはこれで魅力的。このレベルなら甲乙つけ難いと言ってしまってもいいかなと思います。
・Layla
非常に音がソリッドです。それでいてアタック感は申し分ありません。音は近さより広がり重視な感じ。
解像度は申し分ありません。特にドラムのスネア音が素晴らしい。高域まで余すことなく出ています。
∀NSWER
・Rosie
いつもの音ですね。低域がLaylaと比較して濃いめに出ており、全体的に迫力が強めな印象です。
高域はLaylaより控えめで、この曲に関して言えばシンセサウンドが丸まっているためLaylaより聞き疲れはしにくいと思います。
音の粒の細さではやはりLaylaには劣りますね。
・Layla
こちらはRosieよりアタック感がソリッドです。高域寄りでRosieより音が全体的に少し高解像度化してあっさりとした印象です。それでも充分濃いですが。
解像度はやはりLaylaの方が高いです。音がソリッドなのもあるとも思いますが、細かな音が潰れず分離して聞き取れる感じです。
V.I.P
・Rosie
なるほど。Laylaと比較してここまで変わるんですね。
この曲に関しては私はRosieの方が好みです。音像がLaylaより定まった印象で、ドラムの音も膨らみがあり、アタック感も鋭すぎず聞き疲れしません。
描写しすぎていないという表現がしっくりきますね。
それでいて低域はLaylaより強いので、ラウドロックやデスコアあたりのジャンルにはRosieの方が向いているのかもしれませんね。
・Layla
出だしのギターのストロークからして恐ろしくノイジーです。そのノイジーなディストーションすらも全て細かく再現しており、音圧に全く負けていません。
ドラムの音はかなり硬くソリッドですね。
グロウルやスクリーチ、高速ブラストビートの音の粒の細さもやはり物凄い。
しかし、これだけ重い曲なのに少しあっさりした印象も受けます。これが意外な所でした。
大きな古時計
・Rosie
RosieはLaylaより優しい鳴り方ですね。ヴォーカルなどの距離感は少し遠くなり、音場はLaylaより狭まった感じですね。
アコースティックギターの音に注目すれば分かりますが高域が丸くなるため、やはりウォームな聞き疲れしにくいサウンドかと。
解像度や分離感はLaylaの方がいいですが、こちらの方が好みという方も普通に居ると思います。
・Layla
これまでのLaylaの傾向からしてはかなりヴォーカルが近いです。そしてた行の際に入る破裂音やさ行の息の抜ける音がとても心地よい。
解像度は申し分ありませんね。アコースティックギターの音色や左右に揺れる時計の針の音なんてもう鳥肌モノですよ。
この曲を聞いていると、高価なイヤホンのレビューでよく見る「ヴォーカルの息遣いが聞こえる」や「煌びやかな音」なんて言うのもなんとなくですが理解できるような気もしてきました。
まあ流石に終わりですよ
定価37万。まあここまで来たら流石にもう終わりです。
この価格帯のイヤホン持ってるのに他のやつ買い足すとかになってくると、もはやそれはイヤホンコレクターという別の趣味でしょう。さすがに私はそういう感じではありません。他のことにお金を使いたい。
リスニング機のRosie、モニター機のLayla。こんだけ持っててさらに買い足す気はもうないですね。
一応上流、つまり再生機にこだわれば私の場合まだまだ上は沢山ありますが、正直40万とかするDAPやらにはあんま魅力を感じないので多分micro idsd BLで充分だと思います。
これまでの私の流れからして「んな事言ってどうせお前またなんか買うんだろ」って言われたら、完全に否定できないのが怖いところですが……まあ一応もう金かけるところは無いです。ハイ。
ここから更にODINとかErlkönigとか馬鹿みたいな値段のイヤホン買い足すほど沼に沈んでないし、さすがにそんな金もないしね。
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それにしても、JHとAstell&Kernのコラボイヤホンは中古だとやはりコスパは非常にいいですね。
中古とはいえ37万円が10万円そこらで買えるんですから。
またRosieなんて4万5000円で買えたというのだから驚きです。
中古ということを無視できるのであれば、費用対効果という面で見ればJHとAKのコラボイヤホン以上のものはそうそうないでしょう。
だいたいのハイエンドイヤホンは中古でも値落ち4~5万円程度ですからね。
この間eイヤホンの中古ハイエンドを見漁った限りでは、ここまで安く買えるハイエンドも珍しいと思いました。例えばSE846は2~3万、ANDROMEDAは5万円ほどしか値段は落ちてなかったので。
まあ誰にでもおすすめできるようなものでは無いですし、今だと私の知る限りもうRosieとRoxanne II、Laylaはeイヤホンで在庫無しなのでJHとAKのコラボ機種自体それなりにレア物ですけどね。入荷待ちと1点限りを繰り返してるイメージ。
個人的なオススメはRosieです。コスパが高すぎるので、もし数万円の予算でイヤホンを買おうとしているなら見かけたら即買うことをおすすめします。この値段で手に入るハイエンドは他に無いですよ。
唯一のデメリットはそもそも値段が落ちているので、中古で売る際も当然二束三文にしかならないという点ですが。
というわけで。
以上です。
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