イヤーパッドに被せるヘッドホンカバーで音質や装着感は変化する?変わる?変わらない?

♨の人

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先日、beyerdynamicのフラッグシップヘッドホン、T5P 2rd Generationを購入しました。

ベイヤー T5P Gen2を購入したのでイヤホンとヘッドホンの音質を比較レビューしてみた【beyerdynamic T5P 2nd Generation】

音楽が好きで、尚且つイヤホンが好きなら、色んな機種が気になるのは殆ど必然のようなものだと思います。イヤホンなんてひとつあれば十分、というのが普通の人の考えだと思いますが、イヤホンというものに魅せられた人間は常日頃から購買意欲と戦っているのではないでしょうか。かく言う私もそういうタイプで、最初は数万円程度のイヤホンとアンプを購入して終わりにするつもりが、今や10万円単位のお金を普通に使ってしまいました...



私が元々所有していたLaylaやRosieとは全くキャラの違う音で、クリアかつヴォーカルの近い奥行きのあるサウンドで音質的には非常に満足しています。

ただ、多少高域が出すぎというか、曲によっては少々ジャリジャリとして刺さってしまうような印象も受けました。

そこで試しにヘッドホンと耳の間にティッシュペーパーを一枚挟んでみると、音のクリアさなどはまるで変化なく高域の刺さりのみが緩和されており、より私好みの音に変化しました。

試しに耳とイヤーパッドの間にティッシュを一枚挟んでみましたが、全体的なサウンドイメージは全く変わらず、いい具合にウィンドチャイムとかシンバル類とかの超高域部分の刺さりが僅かに緩和されていたので、ものによってはかなりいい結果を得られそうでした。



しかしティッシュペーパーを常に挟むというのも馬鹿らしいというか現実的でないので、ヘッドホンカバーなるものをAmazonで購入してみました。



巷では音が変わる、変わらないという色んな声がありますが、ティッシュを一枚隔てるだけで音は変化するのですから私は確実に音は変わると思います。

しかしヘッドホンカバーで音が変化すると言っても、必ずしも劣化という訳ではありません。ちょうどティッシュを挟んだ時みたいに、布を1枚隔てることで高音の刺さりなどが抑えられ、より好みの音になる可能性だってあります。



今回はそれを期待して購入しました。というわけで検証していきましょう。




イヤーパッドに被せるヘッドホンカバー



梱包自体は非常に簡素で、ジップロックに入れられたヘッドホンカバーが2セットメール便にて届きます。

まず実物を見て思ったのが、非常に小さいということですね。これが11cmまで対応というのが少し信じられません。

またゴムの張力も強く、サイズは8~11cm対応との事ですが、T5P Gen2に付けてみると結構キツめです。ちなみにこのヘッドホンのイヤーパッドのサイズは10cm程ですが、いわゆるドーナツタイプなので少しキツめなのだと思います。

このヘッドホンカバーは伸縮性がありますが、元の形は楕円形なので、恐らくSONYのヘッドホンなどがジャストフィットするように作られているのでしょう。なのでドーナツタイプの場合は1~2cmくらい大きめのものを選んだ方が良さそうです。


ちなみに装着自体はそれなりに大変でしたが、伸縮性が高いので付けてしまえば割とジャストフィットします。





装着感は悪化するし、音はかなり篭ってしまった


とりあえずはヘッドホンカバーを装着して、高域の刺さりが少し気になった曲を聞いてみました。

・エヴリデイドリーム


まず、明らかに高域の硬質な響きが控えめになりました。ウィンドチャイムだったりシンバル類とかの高域が削れて、聞きやすいマイルドなサウンドにはなったと思います。

ただ全体的に音が少し曇り、正直なところかなり違和感のある安っぽいサウンドです。

一番気になるのはヴォーカルです。明らかに音が弱くなり、遠くなっているのが気になりました。このヘッドホンの良さでもあるヴォーカルの近さが明らかに消えています。

何度か付け替えて聴き比べてみましたが、露骨に変化していたのでバイアスの影響ではありません。

音量を上げてみると多少はマシになりますが、やはり音の透明感が薄れ、違和感のあるサウンドです。

耳に押し付けるようにヘッドホンを両側から押してみると音の違和感はマシになり、低域がかなり増幅しているのが分かります。恐らくパッドの反発のせいで密閉ができていないのだと思います。開放型、というよりもオンイヤー型ヘッドホンになってしまったのでしょう。

また低域を増幅させるのではなく高域をカットしている影響か、非常に安っぽいモコモコサウンドになってしまっています。
なによりも、低域のみではなくヴォーカル帯域にまでこもりが影響しているのが本当に良くないですね。私はタイトな低域が好きなので、この低音はあまりにもブーミーすぎて受け付けません。高解像度や透明感といった言葉とは程遠い音質に変わってしまいました。正直なところ好みの問題を差し引いても酷い音だと思います。

ちなみにカバーを付けず同じようにヘッドホンを両側から押してみると、同じく低域が増幅されます。
しかしこの場合は単純にドライバーが耳に近くなるだけだからか、他の帯域への影響はとても薄く透明感のある音はそのままタイトな低域を楽しむことができます。

特に何もしていない状態が軽く抜けのいいサウンドで、ハウジングを押し付けた状態は低域の迫力がプラスされたようなサウンドでしょうか。私は普段このヘッドホンの低域をmicro idsd BLのXBass機能でブーストしているので、どちらかと言うと後者の方が好みでした。ヘッドホンを押すことでそれに似たような効果が得られます。
劣化でイヤーパッドが潰れた場合、このようなサウンドに近付くことが想像できますね。T5P Gen2は密閉型ヘッドホンなので、イヤーパッドが潰れても音への変化は少なそうです。



・O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!


こちらもダメです。明らかに音が遠くなり違和感しかなく、それならと音量を大きくしても音の輪郭が遥かにボヤけており、同じような音にはなってくれません。

Bメロの凪のパートを聞き比べると分かるのですが、明らかに音が遠く、クリアさが失われているのが分かります。

上手く言葉で表すのは難しいですが、前者は音に奥行きがあり、ヴォーカルのみが近いです。また音がクリアで定位感がハッキリとしており、ASMRのような鼓膜への刺激というか、キレの良さを感じます。

それに対して、後者は他の音と混じることで距離感や透明感が失われ、意識を向けるほどではなくなっています。音のメリハリが無くなった、平坦で混濁した音になった、とでも言いましょうか。なんとも歯切れの悪いサウンドで、聞き比べると明らかに違和感があります。

音に違いが出ているのを確認するいちばん簡単な方法は、片耳だけカバーを付けることです。すると明らかに音のバランスが崩れ、聞いていてとても気持ちの悪い音になります。

言葉には表せないのですが、悪い意味で鳥肌が立つというか、左右の差にある程度慣れても背筋がゾワゾワし続ける不気味なサウンドです。
Sandal Audioの人がLayla Universal fitのフィット感が得られず、左右の音のバランスが崩れてダメだったと言っていましたが、それがどういう感覚か理解出来ました。

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評価の高いmimimamoなら音質の変化はもっと少ないかも?


私の場合、最初からティッシュを一枚間に挟むことで音が変化することは理解していました。しかしティッシュの場合は超高域のみを多少削る、という好ましい変化だったので、それならとヘッドホンカバーを購入してみたのですが、期待からは大きく外れまるでダメでした。

というのもこのヘッドホンカバー、100デニールを超えるような厚手のタイツを超えるほどの厚みがあり、あまりにも分厚すぎるのです。

そのため高域をカットしすぎてしまい、こんな酷い音になっているのでしょう。

まあドライバーサイズとかは全然違いますけど、よくよく考えたらイヤホンのイヤピの穴に布詰めてるようなもんですから、そりゃ音は変化するわなって話なんですが。

(IEMの音響フィルターみたいな感じ)

ちなみに少々お高めではありますが、TwitterやAdSenseなんかでも広告で出てくる「mimimamo スーパーストレッチ・ヘッドホンカバー」というヘッドホンカバーがあります。



これは素材自体がかなり薄いので、これなら音質の変化は少なく出来そうです。

もちろんティッシュ1枚でも音は変わるので完全に変化なしは有り得ないでしょうけど、少なくとも商品を見る限り私が購入したものより遥かに薄いので、高域をカットし過ぎることによる盛大な籠りは薄くなるのではないでしょうか。

ただし開放型ヘッドホンなどは音抜けが悪くなることでかなり音は変わってしまうと思うので、あくまでも密閉型ヘッドホンに限っての話ではあるのですが。

ちなみにティッシュの音の変化は超高域、例えば女性ヴォーカルのさ行やベル、ウィンドチャイムなんかに注目すると違いがわかりやすいと思います。結構露骨というか比べてみるとかなり変わっているのですが、超高音以外の帯域への影響が限りなく少ないので、ヘタにイコライザーとかを弄るよりも自然に刺さりを無くせると思いました。
(もちろん音が変化するので少し違和感はありますが、かなり自然に刺さりが抑えられており、ヘタにイコライジングするより自然に高域の粒子感を無くせていると思います)

物理的なフィルターでヘッドホンのチューニングを買えるアイテムとか売り出すメーカーが出てくるかもしれませんね。




穴を開ける事で音質変化は0に。真ん中をカットしてみた


このヘッドホンカバー。どうにかして使えないかと思ったので、真ん中を500円玉より少し大きいくらいカットしてみました


(撮影後もう少し綺麗にカットしました)

するとまあ当然ですが、音は何も変化しません。

流石に耳に感じる感覚は皮のしっとりとした感じから、サラサラとした布マスクのような質感に変わりますが、それ以外の変化はイヤーパッドの厚みがほんの0.5mmほど変わるくらいですから音が変わる方がおかしいです。
もし変わっていたとしてもこの程度なら自分の体調やバイアスの影響の方がよっぽど大きいので、音質変化と呼ぶには値しないでしょう。殆どの人はその違いを認識するのは無理だと思います。

ヘッドホンカバーをそのまま付けるのと違い、真ん中を切り抜いたためイヤーパッドが潰れることもありませんし、いちばん強いゴムの圧力はヘッドホンのハウジングが受け止めているため、パッドへの圧力はほとんど無いに等しいです。
さらに言うとT5P 2rd Generationは密閉型ヘッドホンなので、そもそもイヤーパッド自体が音を漏らさないような遮音性の高い素材であり、尚且つ音の反射を請け負うのはイヤーパッド内部、つまりこのカバーに覆われていない純正の合否部分です。

なのでもしこれで音質の差が気になるようであれば、多分その人は音質が悪いから坊主にする、とかそういうレベルだと思います。私が敏感だとか鈍感だとかそういう話ではなく、単純に音が変化するような影響がほぼほぼ存在しないのです。

デメリットとしましては、これだと内部のイヤーパッドが劣化した時、カスがボロボロと零れるのは防げません。ドライバーユニットにカスが着くのも嫌ですが、イヤーパッドをカバー出来ているかと言うと微妙です。

ちなみに機種にもよるのですが、イヤーパッドの素材がただのスポンジだったりする場合は元から対して遮音性がないので、このようにカバーの真ん中を切り取ったとしても音の反響が増え幾分か音が変化する可能性がありますね。
(イヤーパッド表面の合否が剥がれることによる音質変化の逆です)




ヘッドバンドカバーはオススメ


ちなみに私は今回ヘッドホンカバー以外にヘッドバンドカバーも買いました。



前の記事でも書きましたが、beyerdynamicのフラッグシップモデルは見た目や質感こそ素晴らしいものの、イヤーパッドはともかくヘッドバンドすら明らかに薄い合否なので劣化が怖いです。
同じ素材かは知りませんが、eイヤホンのT1 2rd Generationの中古のヘッドバンドの劣化具合を見て「ダメだなこれは……」なんて思い、ヘッドバンドもカバーすることにしました。
(イヤーパッドと同じく低反発素材なので装着感は非常にソフトなのですが)

ヘッドバンドカバーの装着感の変化に関してですが、こちらはむしろ良好になりました。元の装着感は私の頭に合わず、ブカブカで少し下を向くとすぐにズレてしまっていたのですが、これを装着することで隙間が埋まったのか多少動いてもズレることが無くなりました。

かなりジャストフィットなので見た目もそこまで悪くないのでオススメです。



アニソンの音質は悪いのか?色んな曲を最高級イヤホンでレビューして分かった問題点

これはべつにラブライブの歌に限ったことではなくて、一般論として、アニソンの音質は非常に悪く、おしなべてスラム街のギャングがやってる音楽の音がする。— 松下哲也 (@pinetree1981) April 4, 2020 アニメソングの音質が悪い、と言われる理由には、一般的にアニメ=ニッチで低レベルなコンテンツ、という先入観や、同じような考えとして「一般向けの曲を作るより環境が劣っているのではないか?」という想像上の話が多い...



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