ヤマダ電機で買える中華ハイブリッドイヤホン。SoundsGood SE01の音質をレビュー【伊藤屋国際】

♨の人

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今回はヤマダ電機にて販売されていると話題になった中華イヤホン、SoundsGood SE01をレビューしたいと思います。

因みにAmazonでは2500円ですが、ヤマダ電機では1980円で販売されているとのこと。電気屋の方が安いなんて珍しいこともあるものです。


価格:2500円
(価格は2021年3月2日 午前8時00分の情報です)



因みに、当記事に出てくるオーディオ用語の意味については下記記事をご覧下さい。




ハイレゾ対応1BA+1ダイナミックドライバーのハイブリッド構成IEMが1980円。国産なら1万円はしてもおかしくないスペック


パッケージはこんな感じです。


裏面にスペックが書いてあります

・再生周波数帯域:20Hz~40000Hz(ハイレゾ対応)
・インピーダンス:10Ω
・感度:106dB/mW
・ケーブル:0.75mm2pin端子1.2m無酸素銅(OFC)ケーブル
・L型3.5mmリモコン付き4極金メッキプラグ


このイヤホンの最大の特徴……というか、パッケージにもデカデカと書いてありますが、このイヤホンはバランスド・アーマチュアドライバ(BA)とダイナミックドライバーのハイブリッド構成になっています。

バランスド・アーマチュアドライバを知らない人もいると思うので、下記に一般的なダイナミックドライバーとの違いを簡単に書いておきます。

【ダイナミックドライバー】
・円形状のダイアフラムをボイスコイルで振動させる、スピーカーとよく似た方式のドライバー。
・低音や超高音など様々な帯域を一つのドライバーで再生できる。
・低音や超高音を出しやすい。
・帯域ごとの繋がりがいい。
・安いイヤホンは基本的に全てダイナミックドライバー。


【バランスド・アーマチュアドライバ】
・イヤホンの他に補聴器などにも使用される、金属の箱から筒が出た小型のドライバー。
・繊細でクリアな音を出せる代わりに担当できる帯域が狭い。高級機ではそれを克服するため複数のドライバーを搭載したりする。
・大手メーカーの搭載機は最低でも1万円はする。相場はシングルBAで2万円ほど。


基本的にBAドライバーは1つにつき1万円、つまりシングルBAなら2万円ぐらいが相場です。

価格:30800円
(価格は2021年3月2日 午前8時00分の情報です)


価格:23870円
(価格は2021年3月2日 午前8時00分の情報です)

もちろんこれは相場なので、それより安いモデルも普通にあります。しかし、それでもだいたい1万円くらいは最低でも用意しなければなりません。


価格:14500円
(価格は2021年3月2日 午前8時00分の情報です)


価格:11800円
(価格は2021年3月2日 午前8時00分の情報です)

このモデルはそんなBAドライバーの他にダイナミックドライバーをもうひとつ搭載したハイブリッドモデルです。ハイブリッドドライバーというと大手メーカーなら2~3万円くらいは普通するので、それが2000円で買えるというのは化け物コスパといってなんら差し支えないでしょう。

価格:35670円
(価格は2021年3月2日 午前8時00分の情報です)

もちろんイヤホンの音質はドライバーによって決まるものではありませんから、たとえハイブリッドだろうが多ドラだろうがちゃんとした1DDイヤホンに音質ではぼろ負け、なんていうのもよくある話ですが、確かにコスパのコストだけ見れば話題になるのも分かります。

因みに中華イヤホンがなぜこんなに安いかと言うと、よく言われている事として「大手メーカー品を製造していたノウハウを流用し、大量生産で製造コストを下げることで~」みたいなのももちろんあるのでしょうが、一番の理由は大手メーカー製BAイヤホンがknowlesとかSonionというメーカーのドライバーを搭載しているのに対し、中華イヤホンはbellsingなどの安いBAドライバーを搭載しているからです。あとはかけている開発費や広告費の差、他にはシェルの金型の流用などが理由じゃないかと思います。



KZ ZSTのカスタム品。カラーは5色展開。無難な黒、綺麗な青、落ち着いた緑、淡いピンク、そしてド派手な黄色



色はブラック、ブルー、グリーン、ピンク、イエロー+レッドの5色展開です。


色は無難な黒か緑、もしくは綺麗な青にしようと思ったのですが、せっかくなので1番ダサいハデな黄色と赤のツートンカラーを選びました。個人的にはUltimate Earsみたいな単色フェイスプレートに透明なシェルが1番好みなので、ZSTシェルでそういうのも作って欲しいですね。


イヤホン本体です。

こういうクリアシェルはカスタムIEMっぽくて、やはり非常に男心をくすぐるデザインだと思います。
内部の配線が見えているのもUERR的な高級感というか只者ではないという雰囲気を感じさせますね。少し見る目を変えるとクリアシェルというのは安っぽいオモチャっぽさもありますが……

ケーブルの耳かけ部分は形状記憶のタイプで、針金やワイヤーなどは入っておらず柔らかいです。


イヤピはよく見るKZのやつで、ノズルは普通の長さで先端にBAドライバーが埋め込んであります。

シェルにはダイナミックドライバーの駆動を円滑にするためか結構大きめなベントが2つ空いてるので、音漏れはそこそこしますし遮音性もそこまで高くはありません。ベントが耳側なので汗とかにも比較的敏感そうなです。スポーツとかするには向きませんね。
ただ、ベントが空いているということはよくある完全密閉のIEMと比較して詰まった感じのない開放的なカラっとした鳴り方が期待できます。ベントのおかげか鼓膜への圧迫感も軽く、閉塞感がないので気楽で、カナル型の詰まった感じが苦手な人におすすめしたいです。


因みにこのイヤホンはKZ ZSTという、中華イヤホンの名器と呼ばれるような定番モデルの独自カスタム品らしいです。タイトルに中華イヤホンと書いてあるのはそれが理由です。

因みに中華イヤホン定番の編み込みツイストケーブルですが、これは見た目だけのハッタリではなく、ケーブルを流れる音楽信号の電流が原因で磁界が発生し、そのせいで隣のケーブルに電気が流れるクロストークというものを減らす効果があります。







中華イヤホンの設計の考察と似てるイヤホン


ちなみにこのイヤホンの元となるKZ ZSTの分解図を見てなんか既視感があると思ったら、64audioのtia Fourtéでした。
KZ ZST分解図

tiaシステム シングルデサイン


引用元:伊藤屋国際 KZ ZST
引用元:MixWave tia Fourté

tia Fourtéは音導管を1つにするシングルボア設計というものを採用しており、またノズル近くにBAドライバーを埋め込むことで、BAの音を最短で鼓膜に届けるのもよく似ています。

上位機種になると5BAとかどんどん多ドラ化していくKZのイヤホンですが、殻割しているサイトやAmazonの商品画像をいくつか見てみたところ音導管、つまりチューブにより帯域ごとのBAを分けずシェル内で全て鳴らして音を耳まで届ける設計らしいです。


一般的にビニールのチューブを音導管に使用するデメリットとしては共振により音が濁ること、そして音の僅かなズレによる各帯域の位相の狂いなどが言われています。
(それらを各メーカーがどうにかして解決しようとしています。JH Audioのfreqphaseテクノロジーなんかが有名でしょうか)

そのようなチューブによる共鳴を無くすために音導管を使用していないイヤホンは代表的なものにCampfire AudioのANDROMEDAや、64 audioのtiaシステム採用機なんかがあります。


そういうイヤホンは音導管を使用してそれぞれの帯域を分け、BAの音をノズルの音導孔まで混じらずダイレクトに届ける一般的な設計のIEM(UEとか)とは違い、3Dプリンターで設計した特殊な空気質を使ったり、シェル内部の空間をまるでスピーカールームのように利用した「アコースティックチャンバー」というものを売りにしてします。中華イヤホンはそういう感じの設計の機種が多いようです。

勿論、上に挙げたようなアコースティックチャンバー搭載機はそれぞれメーカーが目的とする音へ辿り着くために入念に検証・設計した高度なものですから、とりあえず詰め込めるだけ詰め込むスタンスの中華イヤホンを同列に語るのは違う気がしますが、一応設計が似ていたので解説しました。






音はまさにハイブリッドという感じのドンシャリ。しかし低音のアタックはソリッドで私好みな音


とりあえず、ファーストインプレッションで聞いてみて思ったことを書きたいと思います。

アンプはifi audio Micro idsd BLを使用しました。


私はエージング否定派なので、とりあえずは5~6分くらい音出ししてからのファーストインプレッションを書きます。

まず、結論から入ると私はイヤホンのエージングはオカルトの領域だと思っているので、基本的にエージングは行いません。
(エージング:慣らし運転のようなもの。40時間音楽やノイズを鳴らし続けると高音域の刺さりが緩和されたり、低音が出るようになったりするとネット上では語られる)

ダイナミックスピーカーはエージングによりダンパーやエッジが柔らかくなることで、低域が伸びたり音が滑らかに出るようになったりすることがあります。なのでダイナミックドライバーを採用したイヤホンにも、エージングの効果はあると思うのも当然かもしれません。

しかし、イヤホンのドライバーというのはスピーカーとは似て非なるものです。イヤホンやヘッドホンのダイヤフラムはとても薄く小さな高分子フィルムでしかなく、この程度のものはいくら振動させても人の耳で感じられるほどの変化をすることはありません。

勿論鳴らすことで原理的な劣化は起こりますが、その変化を人間が感知できるかどうかというのは正直なところほぼオカルトの領域です。

他にも、例えばプロ向け一流オーディオメーカーのShureやSENNHEISERはエージングを否定しています。SENNHEISERは自社のヘッドホンは新品時から最良の音を出すと語っていますし、Shureに関しては長年研究しているが未だに確信を得られていないと言っています。

更にはオーディオマニア的視点で音響を深く研究しているあのFinalですら、ケーブルの物理特性と同じく「あるとは思ってるけど今のところ音に変化が出るデータは示せない。今後も研究を続けていく」と言っています。
(データとして示せない=エージング前後の製品で周波数特性が変化するなど数値化できる根拠を見つけられていないということです)

一応オーディオテクニカみたいにエージングを自社サイトで肯定しているメーカーもありますが、こちらも原理を説明したりデータを示したりは全くしていません。
(個人的にオーテクはポタオデ界隈に流されて書いてるだけで実際どうでもいいと思ってる気がします)

また、高価なイヤホンに搭載されるBAドライバーですが、これらの製造元であるKnowlesやsonionはエージング否定しています。
ということはKnowlesコピー品のbellsing搭載機、つまりKZなんかの中華イヤホンもエージングの効果はないでしょう。
(中華イヤホンは返品率を下げるためにエージングが必須とか書いてるらしいですが)

ちなみにFinalが言うにはイヤホンは96時間の耐久試験を行っているそうですよ。
引用元過去記事:2020年版、ダイソー300円イヤホンマイク付き新作のおすすめモデルは?音質は?比較レビューしてみた



・Lynch. CREATURE


確かに物凄いドンシャリですね。高音はシャリシャリ、低音はベース帯域がヴンヴン鳴ってます。中華イヤホンはドンシャリドンシャリ言われることが多いのでどんな音か気になっていたのですが、こういう系統の音なんですね。正直なところ、想像よりかなり質の高い好きな音がします。

ドンシャリの例に漏れずヴォーカルは少し埋もれ気味なのですが、この価格帯の他のイヤホンと比較して低中域にモヤがかかってヴォーカルの輪郭がボヤけていると言うよりは、どちらかというと低音と高音の主張が強くてそれ故に引っ込んでいるという感じです。なのでヴォーカルが埋もれ気味でも籠ったような感じはなく、非常にカラっとした印象を受けます。

個人的にドラムのアタックがかなりソリッドで重いのに驚きました。この値段でこんなに粒立ちが良くソリッド、かつ重さのあるアタックが聴けるとは思っていなかったので、中華イヤホンのポテンシャルの高さに驚いています。
個人的に、この音なら確かに1万円くらいなら全然出せると思います。

深みとか艶のある整理されたような美しい音では断じて無いのですが、音の輪郭の押し出しが非常に強く非常に分厚い私好みの音でした。

因みに私の好みの音を出す機種ですが、音の分厚さに圧倒されるような系統のイヤホン、例えばJH AudioのLaylaとか、EMPIRE EARSのLegendXとかが好きです。
(逆に高解像度を重視したような綺麗目のイヤホンはそこまで好みではないようです。例えばNobleのKHANとか、Unique MelodyのMESTとかはそこまでいいと思いませんでした)

イヤホンの好みというのは聞く曲のジャンルとか音の好み、あとは視聴時のイヤピやその時の精神状態なんかによっても変わりますので参考程度によろしくお願いします。






同じ価格帯の高コスパイヤホン、Final E500と比較レビュー


今回は同じ価格帯の高コスパイヤホン、Final E500と比較したいと思います。

価格:2020円
(価格は2021年3月2日 午前8時00分の情報です)
流石にデザインはSoundsGood SE01とは比べ物にならないほど安っぽいというか地味です。そもそもIEMデザインでもなくリケーブルもできないので、それが余計に低価格感を出しているのでしょう。

というより、FinalのEシリーズはよくもまあこんなに細長く作れたな、なんていつも思います。イヤホンのシェルがこの直径だと、中身のダイナミックドライバーは相当の小口径でしょう。


FinalのE3000とかも同じデザインでシングルBA機と言われても何も疑わない程に細い筐体なのですが、今ではintimeの碧 (SORA) Lightと双璧を成す1万円以下での超王道最強イヤホンなのですから、スペック表に書いてあるダイナミックドライバーの口径など音を図るには殆どアテにならない事がわかりますね。


というわけでFinal E500で同じ曲を聞いてみました。

・Lynch. CREATURE


比較するとかなり自然な音です。中音域や高音がマイルドで、突き抜けるような高音やカラッとしたクリアさはありませんが空間の作り方が自然でとても聞きやすいサウンドだと感じました。またヴォーカルの響きが自然で、音のバランス的にもSE01と比べると幾らか聞き取りやすいです。

低音域の粒立ちはこちらもなかなかいいのですが、SE01はもう少しハイ上がりで尚且つ重いアタックがあるので、それと比較するとなんとなく緩く軽いサウンドです。

また全体的なクリアさ、分離の良さはやはりSE01に軍配が上がります。高音の解像度というか分解能自体はこちらの方が上なのですが、帯域の分離と音の押し出し方がSE01の方が強いので、比較してしまうと大抵の人はSE01の方が高解像度だと答えるでしょう。



・エヴリデイドリーム


・SE01
ドンシャリかつソリッドなサウンドだからヴォーカルが埋もれるんだろうなと思ったら、普通に拍子抜けなくらい綺麗に聞き取れるサウンドでした。男性ヴォーカルと女性ヴォーカルではまた聞こえ方が変わってくるようで、この曲ではヴォーカルが耳元で囁くような驚異的な近さがあります。
なんとなく低音とヴォーカルの定位が少しだけズレているような気もするのですが、それを除けばヴォーカルも綺麗で楽器の音も繊細に聞き取れる非常にクリアで見通しのいいサウンドです。

やはり高音域は固くて、少しだけ細やかさが不足している感じはあり、それ故に多少耳に刺さるのは感じました。情報量自体はきちんと押し出されているのですが、多少なりとも圧縮されてしまっており、それをきめ細やかな部分まで分解するということはさすがに出来ないようです。それ故に少しキャパオーバーで押し付けがましいような印象を受けます。

しかしガッツリ刺さるほどとは言えませんし、ここまで情報量の詰め込まれた音がこの値段で聞けると言うのはやはり驚異的だと思います。SE01と同じような値段のイヤホンと言うと情報自体は細かく分解できていても、押し出しが弱く分離も悪すぎて結局籠ったようなサウンドになりがちですなので、同じ土俵にすら立てていない機種が多いです。それを考えるとやはりSE01のポテンシャルは非常に高いと言えるでしょう。

そしてやはりアタックがとてもソリッドです。ベース帯域はヴンヴンと太く重く出ているのに、バスドラムのアタックはソリッドかつ埋もれることなく主張してくるので、聞いていて空きが来ない私好みの音です。



・E500
やはり一聴してすぐに音の傾向の違いが分かります。こちらはダイナミックドライバーらしい全体のバランスが取れた音なのですが、それ故に少しだけ曇ったような、SE01ほど刺激のある楽しい音が出せていません。

しかしやはり高音の解像度、というか音の細かさ自体はこちらの方が上です。上でも語ったようにSE01は高音の量自体は多く解像度も決して低くは無いのですが、分解が甘く多少キンキンしたような金属的な癖のある音なので、それを許容できるかどうかで好みがかなり別れそうです。

こちらはダイナミックドライバーらしく、ヴォーカル、高音、低音、どの帯域も共通した鳴り方で定位の不自然さを全く感じません。SE01が音のアタックをとにかく鼓膜に押し付けてくる感じだとすると、こちらは柔らかい音の空間に包み込まれるような感じでしょうか。

ただ、やはりSE01の後に聞くとヴォーカルのクリアさとアタックの軽さの部分がどうしても劣るような気がしてしまいます。そもそも私が刺激的な音が好きということもあるのでしょうが、E500はどうしても優等生すぎてコメントに困ってしまいますね。



・あらかねの器


・SE01
めちゃくちゃ透明感のあるヴォーカルが印象的です。このイヤホンの特性からしてこういう曲は苦手なんだろうなと思ってチョイスしたのですが、意外や意外、圧倒的な分離の良さをヴォーカルのクリアさに生かしているようでした。まるで快晴のようなカラッとした透明感のあるサウンドです。

が、しかし。後半の音数が増えてくるところではその印象はまるで覆りました。ヴォーカルの定位は悪くないのですが、位相がズレているのか低音だけが少し遅れてやってくるような、もしくはハイブリッドドライバー故かそれぞれの音が別々の空間で鳴っているような、そんな違和感というか低音だけを無理に押し出したような自然ではない印象を受けます。

アタックの重さはとんでもなく凄いのですが、鳴り方が一貫していないせいで音楽としてのバランスが破綻しています。

これが所謂ハイブリッドドライバーの音の繋がりの悪さなのでしょうか。なんというか、高音は立ち上がりから減衰までが極めて早いのに、低温側は重くどっしりとした余韻を感じるサウンドなのでそれが違和感の原因だと思います。低音と高音の鳴り方が全く違うので、こういう残響成分の多く含まれる曲だと全体のバランスが崩れ空間の描写がハチャメチャになってしまうのでしょう。




・E500
SE01と比較すると音の伸び方がとても自然です。クリアすぎるSE01と比較してしまうと透明感のようなものまるで感じられませんが、こちらは音に広がりのようなものを感じられ、余裕のある鳴り方です。

また音数が増えても全ての帯域がきちんと揃って鳴っており、SE01のような高音がBAで低音がDD、みたいな違和感がありません。低音の量感も程よく、アタックは甘いのですがヴォーカルやクワイアの響きの美しさなんかは非常に良く聞き取れます。聞いていて全く違和感のない音なので、この曲を聴く限りはこちらの方がイヤホンとして完成していると言えるでしょう。

E500は一見地味な音ですから、ちょっと聞いただけならSE01の方が全然高音質に思えるでしょう。しかし、あちらは明らかに帯域ごとの繋がりに違和感があるので、恐らく長く聞いていると疲れてくると思います。それと比較するとこのイヤホンはダイナミック一発ということもあり、上から下まで鳴り方が共通していて、さらに音場表現も自然なのでずっと聞いていたくなるような心地良さがあります。こういう系統の音楽を聴くならハイブリッドドライバーは相性が悪いのかもしれません。






総評


SoundsGood SE01
・高音域の解像度
★★★★★★ 6/10
・高音域の量感
●●●●●●●● 8/10

・中音域の解像度
★★★★★★★ 7/10
・中音域の量感
●●●●●●● 7/10

・低音域の解像度
★★★★★★★★ 8/10
・低音域の量感
●●●●●●●●● 9/10

      アタック感
ソリッドーー★ーーーーーーーーマイルド

  軽いーーーーーーーーー★ー重い

    立ち上がりから減衰
  早いーーー★ーーーーーーー遅い

       艶・伸び
 ドライーーー★ーーーーーーーウエット

        音場
  狭いーーーーー★ーーーーー広い





Final E500
・高音域の解像度
★★★★★★★★ 8/10
・高音域の量感
●●●●● 5/10

・中音域の解像度
★★★★★★ 6/10
・中音域の量感
●●●●●●● 7/10

・低音域の解像度
★★★★★★★ 7/10
・低音域の量感
●●●●●● 6/10

      アタック感
ソリッドーーーーーーー★ーーーマイルド

  軽いーーー★ーーーーーーー重い

    立ち上がりから減衰
  早いーーーーーー★ーーーー遅い

       艶・伸び
 ドライーーーーーーー★ーーーウエット

        音場
  狭いーーーーーー★ーーーー広い






2000円でこんなに音が良くていいのかと思う高コスパイヤホン。しかしアンプは必要


まとめとして、SE01は2000円という値段が信じられないほどに私好みの高音質なイヤホンでした。

ハイ・ミッド・ローの分離がよく全体的に音がとても開放的でカラっとしており、音の情報を押し出してくるような音作りなので、全体がマイルドに繋がった無難な国内のダイナミックドライバーイヤホンと比較するとかなり異質なサウンドです。

もちろん高音が硬かったり、帯域ごとの繋がりが悪かったり所々値段なりの荒い部分はあるのですが、多ドラのハイエンドイヤホンを低予算で作るとこんな音になりそう、という非常に面白い音でした。
好みは別れるかもしれませんが、私はこの音なら1万円くらいなら正直出してもいいと思いましたね。それくらい面白い音がします。

因みにスマホ直挿しだと、高音がジャリジャリのスカスカキンキンで耳に刺さるサウンドになります。BAドライバーを搭載しているので、良くも悪くも音がかなりアンプに左右されるようです。
(同じハイブリッドイヤホンでも、低音が暴れるAONIC4とは正反対の変化です)

恐らく高音を担当しているBAドライバーが低インピーダンスなので、低出力な機器だと電流が不足してスカスカでキンキンな音になるのだと思います。流石にMicro idsd BLとかMojoクラスはどう考えてもオーバースペックだと思いますけど、なるべく低価格でもいいのでスマホではなくDAPに接続して聞いて欲しいです。


因みに私の知り合いが言うには、WALKMANのような低出力のDAPでもそこそこいい音は鳴るようです。なのでDC03みたいなドングル型のUSB-DACとかでも充分鳴らせると思いますよ。


イヤホンはアンプによって音がかなり変わるので、いつもスマホやパソコンに直挿ししているという人はぜひアンプを用意してみてください。

価格:13200円
(価格は2021年3月2日 午前8時00分の情報です)
1万円で買えてしまう超低価格ポタアン、FiiO Q1 MarkⅡ。初めてのポタアンにオススメです。もう少し予算を出せるならnano idsd BLがオススメですね。


以上です。



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