KBX4919をレビュー。中華イヤホンメーカーの24芯銀メッキリケーブルで音質は変わる?【KBEAR・おすすめ】

♨の人

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先日、WTSUN Audioさん主催のTwitterのプレゼントキャンペーンに当選しました。


というわけで今回は、WTSUN Audioさんより頂いたKBX4919 24芯銀メッキケーブルをレビューしていきたいと思います。

価格:4880円 今なら800円offクーポン付き
(価格、割引情報は2021年4月23日 午前0時00分の情報です)




リケーブルは音質を変えるための常套手段


今回の製品は、いわゆる交換用アップグレードケーブル、つまりイヤホンリケーブルのための商品です。

オーディオマニアでリケーブルに興味が無い人は居ないのではないか、というくらいリケーブルというのは音質カスタマイズの手段として非常にポピュラーであり、安いものから高いものまで色んなケーブルが各社より販売されています。今回のケーブルは中華KBEARブランドのハイエンドクラスのケーブルなので、音にはそれ相応の期待が伴いますね。


ケーブルごときで音が変わるわけない、オカルト、などと揶揄されることもありますが、リケーブルで音が変化するのは事実であり根拠もきちんと存在します。その辺は過去記事にて詳しく書いたのでそちらをご覧下さい。





実は♨の人はリケーブルをしたことがありません。WTSUN Audioさん、ありがとうございます


私はこれまでオーディオ系の記事はこれまで沢山書いてきましたし、数十万程度はポータブルオーディオにお金を出してきましたが、実は今までリケーブルというものに手を出したことがありませんでした。

というのも、私が所有しているメインのイヤホンはJH 4pinという独自端子で、純正ケーブル自体が1万円を超え、まともなケーブルとなると安くても4~5万、高いと10~20万も普通という馬鹿げた価格設定となっているので、完全に高嶺の花、というか金持ちの道楽品であり、お金のない私は手を出す気になど到底なれなかったからです。
(正直なところを言うとそもそもケーブル線材の原価などたかが知れているので、本来は中華ケーブルくらいの値段が適正だとは思うんですけどね……20万のケーブルとか一体どこに金かけてんの?と毒を吐きたくなります)


また一応MMCXのShure AONIC4や2pinの中華イヤホンなんかは持っていますが、正直なところ過去の記事でも書いたように私自身はリケーブルというのに少しだけ懐疑的というかそこまで惹かれるものがありませんでした。またこれらのイヤホンは私のメインで使っている機器ではありません。なのでこれまでケーブルを買うことは一度もなく、これからも手を出す気はなかったです。
(一応1万円程度のFOSTEX ET-RPXLRというケーブルは持っていますし音の変化も感じていますが、これはバランスケーブルなのでケーブルによる音質差と言うよりはアンバランス・バランスの差だと思います)

というわけで、今回のケーブル当選は私にとってリケーブルというものがどの程度のものか体験するいい機会となりました。WTSUN Audioさんには非常に感謝しています。これからも応援していきたいですね。

ちなみに私のオーディオ遍歴については下記記事をご覧下さい。






中華リケーブルハイエンドクラスの24芯銀メッキツイストケーブル。MMCX、2pin、3.5mm、2.5mm、4.4mmなど各種勢ぞろい


このケーブルは中華リケーブルの中でも最上級クラスの24芯ケーブルとなっています。


過去に芯数の数と音の因果関係はあるかわらからない、なんて書いてある私がこんなことを書くのもなんなのですが、一応芯数が増えるとグレードの高いケーブルとなるのが一般的らしく、24芯ともなるとかなり太くしっかりしており見た目は非常に重厚感があります。

コネクタ部やジャック部などはステンレスの鏡面仕上げとなっており、クリア皮膜で銀メッキ線が見えるようになっています。青色と銀色の2色の線材が編み込まれており、なかなか目を引くケーブルだと思います。

このケーブルを開封してまず驚いたのは、その質感の高さです。金属部分のビルドクオリティもそうですが、まるで綿紐のようなしなやかなケーブルで、とてつもなく柔軟です。こんなケーブルは初めて手にしました。

耳かけ部分にワイヤーはありませんが、正直なところ私はそこまであれは必要ないと感じているので特に問題ありません。



今回はShure AONIC4に装着してみました。
MMCX端子の硬さはShure純正と比較するとそこそこ固めです。

ちなみにMMCXというのは端子としては構造上あまり丈夫ではなく、また信号ピンがケーブル側にあるので品質の低いケーブルを装着してしまうとイヤホン側の端子が変形してしまい接触不良の原因となったりするのですが、流石にYinyoo、KBEARのハイエンドクラスのケーブルがそこまで粗悪であることは考えられないので、心配には及ばないと思います。

心配するべきは1000円以下のケーブルとか、オカルト理論もりもりのよく分からない無名メーカーのケーブルとか、そういうアレな製品を使う時でしょう。

さて、まず、このケーブルはやはり取り回しがとてもいいです。Shureの純正ケーブルはやたらとクセがありまとまりが非常に悪く、中華イヤホンとか高級イヤホンの柔らかくしなやかなツイストケーブルに慣れているとなんだこりゃと殆どの人が感じるのではないでしょうか。それが完全に解決されました。

更に見た目に関しても、やはりビニール皮膜の黒いケーブルよりも多芯ケーブルのほうが高級感は増します。何となく見た目がゴージャスになるので、これで音が良ければ文句はありません。

因みにShure純正のケーブルはそれ自体4000円ほどするそこそこの値段のケーブルなのですが、まあ中華と有名メーカーを比較した場合中華の方がコスパはいいと思うので一応アップグレードになっていると思います。

あ、あと画像のイヤホンスタンドは百均のみで作れるのでぜひ試して見てください。









純正ケーブルRMCE-UNIと音質の比較


今回はShure AONIC4で音質の差を測っていきたいと思います。

価格:35350円
(価格は2021年4月22日 午前0時00分の情報です)
実売価格3万5000円程度のミドルクラスのイヤホンです。構成はダイナミック1、BA1のハイブリッドとなっています。

このイヤホンは多少低音寄りのマイルドな優等生系なのですが、派手な音が好きな私としてはどうしてももう少し音の粒の明瞭さとか、アタックのパンチなどが欲しいと感じ、購入後数ヶ月で使わなくなってしまっていました。その辺が銀メッキケーブルでどのように変化するのか楽しみです。
(線材による音の変化というのはイマイチ根拠も無いのですが、一応銅線はウォームでマイルド、銀線はシャープでソリッドというのが定説のようです)

公式スペックのインピーダンスは7Ωですが、低音域は概ね16Ωで、100Hzを超えたあたりから下降し初めて900Hz付近で最低の7Ωとなり、そこから10Ω付近を上下しながら徐々に上昇して15Ω辺りまで戻ってきます。

インピーダンスの上下があるということはリケーブルによる音の変化も出やすいので、今回の検証は非常に楽しみです。また、ダイナミックドライバーとBAドライバーではインピーダンスが異なるので、そのへんがどう影響するのかも興味がありますね。

アンプはいつものようにifi audioのmicro idsd BLを使用しました。


使用USBケーブルは愛用の例のやつです。




・ストレイライト hide&attack

シンセサウンドが特徴的な、トリプルヴォーカルのエレクトロニカです。



・KBX4919
Shure純正ケーブルと比較して、音のメリハリが良く、アタックが多少ソリッドになりました。低域が多少落ち着いた印象もあります。
また、高音域の情報量、そして音の明瞭さが明らかに向上しています。AONIC4はハイブリッド型とはいえダイナミックドライバーのように全体域マイルドな仕上がりなのですが、このケーブルでは高音域がBAっぽい音の輪郭をバリバリ描写する感じに変化しています。また、分離が良くなることでヴォーカル帯域がよりはっきりと聞き取れるようになりました。


・RMCE-UNI
やはりKBX4919と比較すると全体的に音がマイルドでウォームな感じです。また、全体的に落ち着いた感じなので音のメリハリやパンチというものは明らかに劣ると感じます。

低音域はKBX4919より出ていますが、質感が甘くブーミーなのでヴォーカル帯域や高音域を塗りつぶしてしまっていますね。私はこの曲ではKBX4919のほうが好きです。




Lynch. IDOL

ハードなサウンドとポップな歌メロが合わさったメロディアスなナンバーです。




・KBX4919
やはり純正ケーブルと比較するとよりハイブリッドらしいメリハリのある音になりますね。また、ヴォーカル帯域が純正と比較するとよく出ており、また分離もいいです。この曲では多少ブライトすぎるような気もしなくもないですが、ギターやドラムのアタックの立ち上がりが良く気持ちいいです。


・RMCE-UNI
やはり私はあまりこのケーブルの音が好きではないようです。なんというか決して悪くは無いのですが、私が普段使っている他の機種と比較するといまいち決め手に欠けるというか、没個性的で秀でた部分を探すことができません。また比較すると全体的に音の切れ味がそこまで良くなく、ヴォーカルが埋もれてしまっているんですね。私が普段聞くジャンルと音の好みではこれが一番気に食わないところです。クラシックやジャズなどを聞くのであればまた変わってくるのでしょうが……



・イケナイGO AHEAD

スピード感と哀愁漂う失恋がテーマのハードロックナンバーです。



・KBX4919
やはり明らかに音の透明感が増します。中音域のモヤのようなものが晴れ、ヴォーカルや楽器それぞれの音が分離良く明確に聞き取れます。
帯域バランスは出すぎていた低音が締まりつつ全体域の分離が良くなり、高音域がよく出るようになるという感じでしょうか。明らかにこちらの方が好みな音色です。



・RMCE-UNI
やはりなんというか、どうしても音がマイルドすぎてBGM的で面白味に欠けます。決して悪くは無いのですが、良くもない。そんな感じです。不足している部分を具体的に挙げてくれ、と問われたなら、分離の良さ、低音の締まり、全体的な音の抜けでしょうか。多人数ヴォーカルや音圧の高いハードな曲が好きな私の好みとは乖離しています。




聖飢魔II BREAKDOWN INNOCENCE

デーモン小暮閣下のシャウトが炸裂する、リフがメインのスラッシュメタルです。



・KBX4919
やはり音の分離と抜けが向上しますね。出だしのシャウトから既に質感が違うのですが、やはり純正ケーブルにあるヴォーカルがマスクされているようなモヤが晴れる印象です。画像に例えるなら画素数が上がり、音の細部にピントが合うような感覚と言った所でしょうか。
また低音は締まり量感自体は減るのですが、アタックがソリッドかつ前後にせり出すようになってくるので重さをより感じるようになりました。



・RMCE-UNI
やはりKBX4919と比較すると私の好みでは完全に劣っていると感じます。こればかりははっきりと言えます。
ヴォーカル帯域がどうしても不明瞭で、尚且つギターやベースなどの低中音域の抜けが悪く、また低音もLegend XとかLaylaの低域3時みたいに重さのあるドッシリしたものでもないので、中途半端な印象が拭えないのです。これはSONY WH-1000MXなんかを聞いた時も同じような印象を持ちました。




・神崎蘭子 夢幻ノ救憐唱 ~堕チル星ノ調ベ~

幾重にも重なる楽器とクワイア。ゴシック風味を交えた壮大なシンフォニックメタルです。因みに私は神崎蘭子担当です。


・KBX4919
もはや比較するまでもないのですが、やはりこちらの方が断然好みな音色です。
比較的静かなヴォーカルのみのパートではそこまで違いは無いのですが、楽器隊やクワイアが重なってくると明らかに音の分離の良さと抜けの良さが違います。低温楽器が入ってきたりここ一番の盛り上がりを見せる時でも、ヴォーカルや微細な音がまるでマスクされず細かく聞き取れます。



・RMCE-UNI
やはり低域の締まりが悪いです。私はソリッドな低音が好きなので、どうもこの低音が受け入れられません。ヴォーカルのみのパートはいいのですが、低音楽器が入ってくるとこの低域にヴォーカルがマスクされてしまうんですよね。なので低音ばかりがボンボン聞こえて一辺倒なBGM的な聞き方になります。

低音が良く出ているなら迫力があっていいのでは、という声もありそうですが、このイヤホンは音場が狭いので低音を押し出したところでリアルな迫力は生まれません。またその低音も芯のない軽い低音なので、ボンボン鳴っているだけで耳障りです。
インストのクラブミュージックなどを聞くのであればこのような音もいいのかもしれませんが、私はやはりヴォーカルのクリアさを重視して聞くのでこのバランスはどうにも苦手ですね。








リケーブルによる音の変化は充分お金を出す価値あり。普通に音質が良くなる


リケーブルによる音の変化はあくまでもイヤホンとケーブルの相性によるので、思考停止してこのケーブルはこういう音の変化が~とか語ることは私には出来ません。しかし、今回の比較ではかなり良質な音の変化を感じることが出来ました。

比較した曲以外も色々聞いていますが、明らかにアタックの質感がソリッドになり分離も良くなりもう純正ケーブルに戻そうとは微塵も思えません。
別のイヤホンになった、なんて言うほど変化があるとは言えませんが、アンプを変えたくらいの変化、もしくはそれ以上の変化は普通にあると思いました。

ということで、リケーブルというのは音のカスタマイズの手段として非常に有効なものだと思います。

最近は昔に比べ各社純正のケーブルの品質も上がっていますが、それでもケーブルによる音の変化というのは存在するようなので、色々購入してみてカスタマイズするのも面白いのではないでしょうか。お値段も2~5000円程度がメインなので色々買っても痛くないですし。中華だからこそ成せる技ですね。

もちろんメーカーは純正ケーブルで音のチューニングを行い製品化している訳ですから、純正ケーブルがクソだから社外品にリケーブルして初めて真価を発揮する、みたいな製品は今どき、特に高級機なんかではそうそうないと思いますけどね……このAONIC4もイヤホン自体は3万超えでもケーブルは1万円程度のSE215SPEとかと共通なので、10万超えのイヤホンをリケーブルして音がどうなるかというのはまた別問題だと思います。

しかし音が変化することは事実なので、気になった方はお値段もお手ごろなので購入してみてはいかがでしょうか。

ただ、唯一このケーブルの嫌なところをあげるとすれば、Layla用のクソ高いリケーブルが気になるようになってしまった、という所でしょうか。もしくはトリムポット付きのJH 4pin→MMCX変換アダプターを買おうか迷ってきました。これなら1万円程度と安価ですし。




Layla Universal fitで使用してみた


LaylaはJH 4pinという独自端子を採用しており、リケーブルとなると最低でも4~5万円は出さなければなりません。

まあこのクラスのイヤホンを購入する人からするとその程度ケーブルに出すのは当たり前なのかもしれませんけれど、流石に私はケーブルなんぞにそこまで出すことはできません。

しかし、高価なイヤホンだからこそさらに音質をよくするためにリケーブルはしたい。そんな状況を解決するために今回は変換アダプターを購入しました。
というわけで、今回はLayla Universal fitにてKBX4919を使用してみました。イヤーピースはSednaEarfit XELASTECのSSサイズです。



Layla Universal fitは販売価格が37万円の元祖超高級イヤホンで、純正のケーブルはShureよりはそこそこ高品質だと思われますが、見た目や作り込みなどを見る限りそこまで高価なケーブルとは思えずあくまでも付属品クオリティです。

なので、スペックはこちらの方が上でしょう。
(実際THE SIREN SERIESは第2世代でケーブルをMoon audio製のものに強化しましたし、現在販売されている1万5000円程度の純正ケーブルは作り込みなどの点で旧ケーブルよりかなり上です)

基本的にこの手の純正ケーブルというのはアップグレードケーブルに変更すれば音に透明感が増すと思うので、それがどのような変化になってくるのか非常に楽しみです。

というわけで、装着して聞いてみました。曲は「Gaze and Gaze(M@STER VERSION」です。


まず、初めに行っておくとJHのLaylaシリーズというのは非常によく出来たイヤホンで、販売から5年以上経った今でも他者のハイエンドイヤホンと比較しても私はまるで劣らないと考えています。実際聴いている今でも、私の好みにこれだけ合ったイヤホンというのはCampfire AudioのANDROMEDA 2020と、EMPIRE EARSのLegend X、後継機のLayla Aionくらいしか見つかっていません。未だにLaylaカスタムが売れ続けている理由も分かります。ガジェットやパソコンなどと違い、イヤホンやヘッドホンは仕組みが単純ゆえに年数が経っても簡単に陳腐化しないのがいい所です。


Laylaはそのくらい文句のつけ所がないほど私好みの音なのですが、ただ一つだけ不満点を上げるとするのであれば、それはハードロックやメタルコアなど特定のジャンルの曲を聴く際、ギターなどの中低域が少しボヤけ、そのモヤがヴォーカルまで干渉する所でした。
(それがLaylaの音場の広さに影響していたりもするのですが……)

KBX4919は、その部分の音色が少し変わることで、全体的なサウンドイメージがかなり変化しました。全帯域の音が締まることで分離が増し、より音の距離感を感じやすい現代的で透明感のあるサウンドに変化しています。イヤーピースやUSBケーブルを変えた時のような微妙な向上という変化ではなく、まるで別のイヤホンかのように露骨に変化しました。

具体的にはより音がシャープになり、Laylaに元々あった音の濃厚さが消え、現代的な雰囲気のモニターライクな音になっています。高音域が強く出るようになり、歯擦音などもかなり目立つような、例えるならRoxanne AIONに似た系統の音になりました。

更に低音域が弱くなりました。低音調整をMAXにすることで、純正ケーブルの低音12時と同じくらいの低音の量感です。ただ、違いとしては低音調整を強くしても低域が中音域に被ることがなく、全帯域の分離がよくソリッドで音の透明感は高くなりました。

因みに、ちょうど純正ケーブルが耳かけのワイヤー部分内部断線を起こしかけています。角度を調整すれば使えなくは無いですが、まあ5年も前のイヤホンなのでよく持った方だとは思います。一応RosieのMoon audio製ケーブルや2.5mmバランスケーブルも所有しているのでそこまで痛手では無いですけどね。

さて、話をリケーブルに戻すと、純正ケーブルは高音があまり出ておらず、低域も中音域に干渉しており全体的に暗く篭った印象があります。

それと比較するとKBX4919は全帯域の分離が良く、中低音域がスッキリしたブライトな音色です。音の濃さもLaylaの良さではあるのでそれが無くなるのは少し悲しいですが、この曲を聴く限りでは純正ケーブルは少し篭った印象が強くKBX4919に軍配が上がります。

それでは別の曲ならどうなるのかということで、「葉月 Phoenix」を聞いてみました。



やはり、全帯域の分離が良くなり更に定位が良くなっています。また、このケーブルは低音調整をMAXにしても純正ケーブルの低音12時程度の低音の量感です。

また、音抜けが良くなり、完全密閉型のIEMながらヘッドホンのような広がりと抜けを両立した音色になっています。また、低音域のメリハリと重さ、そしてキレの良さが増しました。一番特徴的なのはティンパニの響きですね。

一方純正ケーブルはどうかと言うと、こちらはやはり落ち着いた音色で、軽くフォーカスが甘いことと音が濃いことが相まって壮大な音場を作り出しています。この曲はホールの残響成分が含まれたような音作りなので、純正ケーブルもなかなか悪くないと思いました。


お次は「EVIL LIVE(M@STER VERSION」です。

やはり、音のキレが非常に上がっています。JH特有の塊のようなアタック感がよりソリッドになり、ブラストビートはまるで耳にマシンガンを打ち込まれているような刺激的な音です。

また音の抜け、分離がやはり良くなっており、低音域の質がかなり変わりました。

ただ、その分耳に刺さるような音の割合も増えたので、音量は控えめのリスニングが推奨されますね。

対する純正ケーブルはやはり音が濃い。それに付きます。それ故に篭った印象を持つ人もいるのでしょう。わちゃわちゃした印象=篭っているという考えはまあ普通のことです。

LaylaとKBX4919の組み合わせは、Roxanne AIONに似た音になる、というのが私の印象です。音がかなり晴れる代わりに、濃さは少し薄れブライトになり、歯擦音などもバリバリに出るようなピーキーなサウンドになります。これはなかなか甲乙つけ難い結果となりました。




お次は14人の超多人数ヴォーカル、GOIN'!!!です。

KBX4919は、やはり予想通り中低音域が晴れたブライトな音色になり、定位感が向上していますね。

ただ、JH純正ケーブルも意外と悪くありません。音が濃いので、やはり私好みです。

というより、低音の量感がこれくらいあった方が私好みなので非常に悩ましいというか、KBX4919はかなりブライトなケーブルなので私の好みから少し外れてしまうんですよね。私はRoxanne AIONの音があまり好みではなかったので、これはリケーブル沼にハマってしまいそうです。

因みに私が散々Roxanne AIONと連呼しているように、リケーブルすると系統違いの高級イヤホンを新たに手に入れたくらい音が変わりますから、この手の変換ケーブルというのはなかなか有意義な買い物だと思います。


お次はこちらです。「Max beat」
これはKBX4919の側に、素直に音質が良くなったと語れるような変化が現れました。

音の抜けが良くなり篭ったような印象が晴れ、音の分離も何段階か上がりメリハリが増しました。また、歯擦音なども目立たず単純にかかっていたヴェールが晴れ情報量と解像度が上がったという印象です。

純正ケーブルは比較するとヴォーカル帯域が籠っており、聞きやすい音ではあるのですがもう少し解像度が欲しくなりますね。



リケーブル沼にハマりそうで怖い


Layla+KBX4919の組み合わせは、純正ケーブルと比較してまるで別物のようなイヤホンに変化したので、曲により善し悪しは変わると思います。音の質感は高音域寄りになり、高音の情報量が増えました。対してLaylaの最大の特徴でもある中低域は軽く薄まり、低音のパンチはかなり減ったと思います。

純正ケーブルはいわゆるJH、Laylaの濃厚な音です。対するKBX4919はどちらかと言うと現代的なモニターサウンドで、Roxanne AIONに近いようなブライトな音色です。どちらも甲乙つけ難いのですが、私は上でも書いたようにRoxanne AIONの音があまり好みではないので、このケーブルはAONIC4にて使用したいと思いました。

もちろんLaylaもMAX beatやGaze and Gazeなど、ハマった場合はとてつもなくいい音を奏でてくれるのですが、やはり常用するならもう少し聞きやすい音色の方が私は好みなので……リケーブル沼に片足を突っ込んでしまいましたかね?


追記 イヤーピースを純正LLに変更することで低音の量がアップ


あの後色々試して見た結果、イヤーピースを純正のLLサイズにすると低音の量感が比較にならないほど上がることに気がつきました。これならRoxanne AIONとは似ても似つきません。普通に私が慣れ親しんだLaylaの音とかなり近いです。

というわけで、低音調整を新たに12時に戻して聞いてみたところ、上で書いたような元々感じていた音の傾向はそのまま、低音域もより良く出るように変化しました。

第一に感じることとしては高音域が非常に良く出るようになっており、今まで聞こえなかったような音が明確に細かく聞こえるようになっています。それと比較して、全体的に音の粒感は抑えられやはり少しスッキリした音色になりました。

歯擦音などは相変わらず多少気になりはするのですが、単純な解像度という点であれば非常に向上していると思います。

しかし私は大きいイヤーピースの音があまり好きでは無いので、イヤピをFinal EタイプのSサイズに変更しました。これだとかなり私好みの音色です。

最終的には、ケーブルの解像度と、JH特有の塊のようなソリッドなアタック感が一番生きる低音調整を10時に変更したものが1番好みということで落ち着きました。

しかし、やはり今のところは純正ケーブル+XELASTEC SSの組み合わせが1番好みです。機会があれば、今後色んなケーブルを試してみようと思います。


あと、同じくJH 4pinを採用したRosieにも低音調整、そしてイヤーピースを同じ条件で装着してみたのですが、こちらは明らかに音場が広がり、残響成分がより強く聞き取れるようになりました。
Rosieは音場はそこまで広くないイヤホンですが、このケーブルを装着するとLayla以上に音場が広がります。これはなかなか凄い変化です。

また、Rosieの場合は歯擦音も目立つことはなく、どちらかと言うとハイハットなどの金物の鳴りがより金属的というか上の方に伸び、また主張が強く明確に聞き取れるようになりました。micro idsd BLのXBass+を使用してもその傾向は変わりません。
それに加えて広大な音場があり、例えるなら一眼レフのように近くはピントが合い、遠くは遠くで上手くぼかされているという、まるでダイナミック型のような音に変化しています。

Laylaの場合はあまり私好みになりませんでしたが、Rosieの場合はかなり私好みの別系統の音に変化してくれました。

まだJH 4pin変換コネクタはあまり使いこなせていませんが、ここまで音が変化するのならあたらに高価なイヤホンを買い足すよりリケーブルを色々試してみるのもありかな、なんて気分にさせてくれます。
もちろんクライオ処理だとかそういうオカルトには興味ありませんが、単なる抵抗値の違うケーブルで音がここまで変わるというのは非常に面白い発見です。

やはりオーディオというのは奥が深く、それ故に楽しいものだと再確認しました。

それでは、以上です。





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