TUBE 01J互換球、米国GE製 5654Wの音質レビュー【アメリカ製真空管】

♨の人

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激安真空管プリアンプ、FX-AUDIO TUBE-01Jを購入してみてからと言うものの、真空管アンプの面白さにハマってしまい互換球を買い漁っています。


今回はそんな買い漁った真空管のひとつである、米国GE製真空管「5654W」の音質レビューです。







MADE IN USA。ミルスペックの軍用管



こんな感じで送られてきました。


中身はこんな感じです。


北京6J1や、ロシア製6J1P比べてみると、足ピンがやや太いことがわかります。東芝製6AU6とかと同じようなタイプです。

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ちなみにピンの色がやや青みがかっているのは錆ではなく、製造時に高温で処理した際の酸化皮膜です。焼入れチタンとかバイクのマフラーなんかでお馴染みの色合いですね。


またこれは小話ですが、5654は6AK5の高信頼管、Wは耐震性強化型、そしてこの真空管は米国GE社が米軍のために製造した真空管のため、所謂ミルスペック真空管に相等するとの事です。






FOSTEX T60RPで音質レビュー


今回も、音質のレビューにはFOSTEXのT60RPを使いたいと思います。元々の音が素直なので真空管によるクセが分かりやすいですし、これまでの真空管レビューでは全てこのヘッドホンを使っているからです。



ちなみに少しだけ語ると、このヘッドホンは値段こそ安いですが本当にすごいヘッドホンです。普段何気なく他の高級なイヤホンやヘッドホンと混ぜて使っていますが、まるで劣っていると感じさせませんし、定位という点ではこのヘッドホンに勝る音はなかなか無いのではないかと思います。
音の定位と分離感が高すぎて、このヘッドホンとA/Bで比較するとどのイヤホンやヘッドホンも篭ったように聞こえてしまうことでしょう。ぱっと聴きの印象ならそれこそ何倍もするようなハイエンドヘッドホン・イヤホンに勝るとも劣らぬ最強クラスのヘッドホンだと思います。
特に多人数ヴォーカルを透明感のある音で聞きたい人にオススメしたいですね。
(勿論高域の響の豊かさや解像度、音の艶感など不足している部分もありますが)











・Lynch. ULTIMA


まず、この真空管の音を一言で言うなら、かなり硬質で、尚且つ分離のいいスッキリした鳴り方だと感じました。
特に金物系の高域がキラキラとしたブライトな音で、輪郭が非常にはっきりとしています。歯擦音なんかもバリバリ聞こえるシャープな音と言えば分かりやすいでしょうか。
(エッジの立った刺さる音という意味ではありません)

それと比較して、低音域の主張は控えめです。アタックもソリッドではあるのですが、そこまで押し出してくるような印象ではありません。真空管というものから想像されるような音とはかなり離れている気がします。



北京6J1、ロシア6J1Pと比較


今回は手持ちの中国製の6J1、ロシア製の6J1Pと聴き比べてみました。


・Lynch. XERO


・6J1P
全体的に音が太くなり、分厚さが増しました。アタックも重くなっています。
高音が高解像度という音の系統は似ているのですが、こちらはそれでもどちらかと言うと低中音域のバランスが幾許か強めで、高音も細部を丸めた聞きやすい音です。それに対してアメリカ製は音に太さのあるギラギラとした解像度と分離重視の音でしょうか。高音の質感のみを例えるとしたら、6J1Pはハイハット、5654Wはライドシンバルという感じです。
(伝わるかはわかりませんが……)

クリアというかより高音が強いサウンドを求めるなら5654Wが上ですが、音の厚みというかスケール感はこちらの方が上だと思います。


・6J1
5654Wと比較して、やはり音が濃くて重いです。低音のアタックが随一に重く、高音域の主張も控えめというか落ち着いた音色で、真空管っぽさは随一だと思います。




・GOIN’!!! VR.Ver



・5654W
やはり低音のアタックは控えめで、高音域がギラギラとしたブライトな音色です。ただ、ヴォーカル帯域は非常に生っぽい響きで人工的な響きを感じさせません。この部分は素直に凄いと思いました。

これはT60RPの特性も大きいのでしょうが、定位と分離が圧倒的に良く、まるで空間を感じず、自分の周りに音の粒が直接目に見えるように描写されているような、そんなイメージです。どこでどの楽器が、どこで誰が歌っているか、そういう音の発生位置が即座に手に取るように分かります。

難点として挙げられることは迫力の不足でしょうか。ただ具体的に挙げられるのはその程度で、この曲を聴く限りはとにかく情報量の多さと細かさ、音の透明感に圧倒されます。低音は少なめですが、高音好きの高解像度マニアにはまさにたまらない音だと思いました。


・6J1
やはり中低域を重視した、まろやかで濃いサウンドです。ただ、この曲ではその中低域の強さがヴォーカル帯域をマスクしており、少し曇ったようなサウンドに感じてしまいイマイチでした。5654Wと比較して音にあまりメリハリがありません。

また、ヴォーカルの質感も5654Wの方が生声っぽいです。こちらはヴォーカルは少し遠めなのに、声の音色の細部にエッジや歪みのようなものを感じ、それ故に艶がなく硬く感じてしまいます。また、ヴォーカルそれぞれの分離に関しても5654Wの方が上でした。


・6J1P
6J1よりはヴォーカル帯域が聞きやすく、また分離もいいです。アメリカ製真空管が金物の鳴りなんかをゴリゴリに押し出したメリハリのある音なのに対し、こちらは全体的に落ち着いているけど高解像度、というようなサウンドだと感じます。

ただ特筆するような印象も受けませんでした。この曲ではとにかくアメリカ製真空管が私の好みにドンピシャな音を出してくれるので、他はかなり霞んでしまっていますね。





・アルルカン イン・ザ・ミラー




・5654W
やはり高音域の解像度がとても高く、それを押し出したギラギラしたサウンドです。この曲は高域が強いので少し聞き疲れしそうな音色ではあるのですが、やはり高音の解像度の高さと響の豊かさ、そしてヴォーカル帯域の艶は素晴らしいものがあります。メリハリのある音なので、クリアかつアタックの響きが気持ちいいサウンドだと感じました。


・6J1
やはり低音が強く、重低音の響きに圧倒されるようなサウンドです。ヴォーカル帯域はこの曲では綺麗に聞き取れ、また5654Wで少し気になった聞き疲れしそうな高音が無いのでマイルドかつ迫力があるナチュラルなサウンドです。


・6J1P
6J1の低域+5654Wの高域、というような音と表現するのが適切でしょうか。やはり高音は高解像度で、尚且つ5654Wと比較すると低音域が多少強調されています。

ただ、低音域のアタックの重さは6J1には及びません。あくまでも量感があるだけで、体の奥深くに沈み込むような深い音は得意ではないようです。また、5654Wほど分離も良くないので音のメリハリがそこまでではありません。






5654Wは高域の響きの金属感が豊かな真空管


総評ですが、5654Wは高域の響きに特化した真空管だと感じました。

真空管らしい音かどうか、というと微妙ではありますが、これはこれでなかなか面白い音なので十分購入する価値があると思います。

というわけで今回はここまでとなります。それでは、以上です。

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