東芝製真空管6AU6をラインアンプとヘッドホン、イヤホンで音質レビュー【TUBE 01J互換球】
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安いのに音質がかなり変わるし、コレクション性も実用性も高くて、イヤホンやヘッドホンと違って持ち腐れになることがない。私みたいなプアオーディオマニアからするとかなり魅力的な代物です。
というわけで、今回はヤフオクで購入した東芝製真空管6AU6のレビューです。
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国産日本製の7ピン双五極管
6AU6はテレビやラジオで多く使用されていた真空管で、今回購入したものはオーディオ用のHiFi低周波増幅用モデルです。

見た目はこんな感じです。今回は外箱はありませんでした。
少し長いタイプの真空管ですね。6K4Pとかに近しい感じかと思います。
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足ピンの太さは米国製5654Wと同じような感じの太いタイプです。ちなみに左からロシア6J1P、北京6J1、米国GE製5654Wです。
音質レビュー。高音の出方がかなり強く不思議なサウンド
今回も、構成はいつもの通りで聞いていきます。

DACにFOSTEX HP-A4BL、真空管ラインアンプにFX-AUDIO TUBE-01J、パワーアンプにifi audio micro idsd BLです。
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ヘッドホンもいつものようにFOSTEX T60RPを使用しました。
さて、まずこの真空管の音質についてですが、これは今まで聞いてきたどの真空管とも違うなかなか面白い鳴り方をしています。
まず帯域バランスがかなり高域寄りです。しかし5654Wのように太く艶やかな高音とかそういう訳ではなく、あくまでもソリッドな線の細い系統の音を極限まで突きつめたような質感の音です。
ヴォーカルは少し引っ込み、歯擦音やハイハットの音色がかなりゴリゴリに押し出された、かなり高音特化の真空管だと感じました。高音の質感自体は5654Wより6J1Pに近いと思うのですが、比較するとこの6AU6は低音域が薄くパワーや重みなどを全く感じません。真空管特有のパワーとか温かみとかそういうものからはかなり離れており、温かみのある音などでは全くありませんし、帯域バランスもかなり高音域に振っています。正直なところ元がモニターライクなT60RPだと耳が痛くなりますね。
ヘッドホンをbeyerdynamic T5P 2ndに変更してみる
というわけで、再生機器をbeyerdynamic T5P 2ndに変更してみました。
・イケナイGO AHEAD
まずこの曲をT5P 2ndで聞いてみたところ、元の質感はそのままに、高音域がより出るようになったという印象です。
ただ、HP-A4BLアンバランス直差しのほうが低音の締まりやアタックの質感、そしてヴォーカル帯域の分離が明瞭で、6AU6は単純に音を曇らせているだけのような気がしてなりませんでした。これは6J1の時も似たような感覚になったので、このヘッドホン自体が真空管アンプとの相性が良くないのかもしれません。
・Wish you Happiness!!
これはなかなか良好です。ヴォーカル帯域がHP-A4BLよりクリアで、高音域がさらに細かく描写されており音の迫力というか情報量が増えていますね。
HP-A4BLは情報量自体は変わらないのですが、ヴォーカルの質感の生っぽさと近さが6AU6のほうが上です。また、6AU6の高音はしっかり出ているにもか変わらず細部が丸まっており所謂デジタルっぽいシャリシャリ感が薄いです。
これは、中音域を上手い具合にボカす特性が生きたのだと思います。よりブライトな音になったというのが分かりやすいでしょうか。
しかし、T5P 2ndはモニターライクからは離れた系統のヘッドホンなので、変化の度合いはT60RPより分かりにくかったです。
・生存本能ヴァルキュリア
これはイケナイGO AHEADと同じですね。明らかにHP-A4BLのほうが音がクリアで、比較すると6AU6はヴォーカル帯域の立ち上がりの瞬間の音が曇っているようにしか感じませんでした。その他の帯域にはそこまで明瞭な変化はなく、単に劣化させただけ、という感じです。
・Max beat
この曲では明確な音質の向上を感じられました。ヴァイオリンの音色が非常に艶っぽくなり、6AU6では意識しなくともヴァイオリンの音色が耳に入ってきます。高音域の分離が良くなっているからでしょうか。ヴァイオリンソロを聞けば分かりますが、とにかくヴァイオリンの響き、特に高音の艶感が比較すると比べ物にならないほど美麗です。またヴォーカル帯域も幾分かクリアになり、メリハリと透明感のある音になっていますね。
・聖飢魔II HEAVY METAL IS DEAD
聖飢魔Ⅱの「HEAVY METAL IS DEAD」 をレコチョクでダウンロード。(iPhone/Androidアプリ対応)
ハイハットの鳴りが丸くなり、ハイハットの高音以外の成分がより強く鳴るようになりました。そして低音域に重みが増した印象です。
ギターソロにはやはり艶感と音の押し出しが付与され、またピックが弦に触れる音などの細かな表現力なども上がり、ギターソロでの音痩せも6AU6では感じませんでした。
また左右のギターの音色の分離と押し出しが6AU6のほうが上でした。これは6AU6の方が低音が出ているからでしょう。
Shure AONIC4 銀メッキ線リケーブルイヤホンでも聞いてみる
最後に上に書いたものほど細かな比較はしませんが、Shure AONIC4 24芯銀メッキリケーブルでも聞いてみました。

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KBX4919をレビュー。中華イヤホンメーカーの24芯銀メッキリケーブルで音質は変わる?【KBEAR・おすすめ】
先日、WTSUN Audioさん主催のTwitterのプレゼントキャンペーンに当選しました。皆さん、こんにちは。今日の当選者は@otkZLQ2xGa4Fcqb様です、KBX4919リケーブルをプレゼントします🎉🎉🎉月末まで(土日以外)毎日抽選あります、皆さんの参加お待ちしております。 https://t.co/cvJWM2wdZt— WTSUN Audio (@Naruto88814) April 22, 2021 というわけで今回は、WTSUN Audioさんより頂いたKBX4919 24芯銀メッキケーブルをレビューし...
・Lynch. PHOENIX
lynch.の「PHOENIX」 をレコチョクでダウンロード。(iPhone/Androidアプリ対応)
低音のパワーが凄いです。それでいてヴォーカルが全く埋もれていません。高音域は相対的に少なくなってはいますが、全く詰まったような印象は感じませんね。
後にmicro idsd BLで聞いてみましたが、音の厚みが幾分か減った印象を受けました。
・LET'S GO HAPPY
この音は結構好みです。低音はJH Audioのような塊のような感覚があり、高音域にキラキラとした情報量の多さがあり聞いていて退屈しません。
後でmicro idsd BLで聞いて比較してみると、かなり線の細い音でした。アタック感もJH程ではなく、また高音のキラキラ感もこちらは音数は多いもののそれぞれの音の押し出しはそこまで高くはないという感じです。
・アルルカン イン・ザ・ミラー
やはり低音のパワーが凄いです。それでいて高音も細かく出ており、ヴォーカルも全く埋もれず艶のある質感です。なんとなく全体的なサウンドイメージは低音域をかなり盛ったRosieとかと似たような質感だと思います。
にしてもあのAONIC4がここまで化けるとは、リケーブルとは面白いものですね。
後にmicro idsd BLで聞いてみましたが、こちらはやはりmicro idsd BLのほうが圧倒的に高解像度でした。
あとがき
この真空管はあんまりメジャーな真空管では無いのでAmazonなどでは購入できませんが、なかなか特殊な音で面白い真空管だと感じました。環境によっても変わるのでしょうが、値段も安価ですし今のうちに買っておくといいかもしれません。
というわけで、以上です。
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