ヘッドホンアンプは意味ない?ポタアンをアナログ接続してイヤホンの音質への効果を確かめてみた

♨の人

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今回は、DACを搭載しないアナログヘッドホンアンプについて少し書いていきたいと思います。



そもそもヘッドホンアンプとは


そもそもアンプとは、「増幅する」という意味のアンプリファイア(amplifier)から来ている単語です。要は入力された音声信号を増幅するのがアンプで、ヘッドホン専用に設計されたものがヘッドホンアンプなわけです。

スピーカーオーディオではまずDACがあり、プリアンプ、パワーアンプ、プリメインアンプなどと色々な種類がありますが、ヘッドホンオーディオ、ポータブルオーディオではアンプというものは基本的にDAC内蔵かそうでないかの差しかありません。


DAC付きポタアンとアナログポタアンの違い


DACというのはD/Aコンバーターの略称で、CDプレイヤーやHDDなどから読み取ったデジタル信号をアナログの音声信号に変換するものを指します。

対するヘッドホンアンプはその音声信号を増幅する装置の事をそう呼んでいます。

とは言ったものの上でも書いたようにポータブルオーディオにおけるヘッドホンアンプというのはDAC内蔵が割と普通なので、基本的にヘッドホンアンプというとDACを内蔵したものが多いです。

また、当然スマートフォンやPCなど、音の出る機会には基本的にDACとアンプ回路が内蔵されています。


ヘッドホンアンプとスマホやPCの違い


ヘッドホンアンプとスマホやPCのアナログアンプ部分違いとはなんでしょうか?

まず一番大きな部分として、出力の違いが上げられるでしょう。

スマホなどは大抵1~2Vp-pしか出せませんが、ヘッドホンアンプは消費電力がまるで違うので、平均で20Vp-pは軽く出ます。電圧ゲインがまるで違います。

また流せる電流の量もちゃんとしたヘッドホンアンプの方が多いので、ヘッドホンアンプを使用すればたとえそれがアナログアンプでも電流不足による音の歪みや音の割れなどを防止し、イヤホンやヘッドホンを満足に駆動することが可能となるでしょう。



実際に聴き比べてみた


というわけで、実際にスマホとアナログアンプで同じ曲を聴き比べてみました。

使用したアンプはifi audio micro idsd BLです。


イヤホンは多ドラや高価なものだとそもそも駆動力が必要なのでアレですから、今回は私の手持ちの中では鳴らしやすそうなShure AONIC4を用意しました。


ケーブルはKBX4919にリケーブル済みです。




それではまずスマホ直挿しの音色についてですが、これは明らかに高音域の響きが歪みっぽいです。

端的に言うなら高音域がジャリジャリとしすぎており、非常に耳につきます。そしてヴォーカルの音像の輪郭が不鮮明で、ギターやベースの低音域が暴れており音の粒がダマになっている印象です。

それに対して、AUXケーブル経由でアナログ入力したmicro idsd BLを通した音は、高音域のジャリつきが解消されており、低音にメリハリが出ることで音それぞれの輪郭が鮮明に判別できます。音場が広くなった、迫力が出たと表現するとわかりやすいかもしれません。

ここで言っている高音域のシャリ付き、というのは、ただ高音が強く出ているという訳ではなく、荒っぽく荒んだ音色だということです。スマホ直刺しはキンキンと耳に着く硬い音ばかりが押し出されているのに対し、ポタアンを通した音は細部まで細かく分解された深みのある柔らかい高音です。

また、低音域の輪郭がハッキリすることで全帯域の解像度が向上しており、月並みな表現をするならかかっていたモヤのようなものが晴れてスッキリした抜けのいい音色になっています。

そしてUSB接続ですが、やはり当たり前ですがこれが一番音がいいです。低音域のメリハリ、高音域の解像度、そしてヴォーカルの輪郭の鮮明さがさらにワンランク上がり、音楽としての完成度がとても高くなりました。特に顕著なのがドラムのアタックの音色の変化で、低音がよりよく出るようになったにもかかわらずドラムの粒立ちは向上しており、さらに高音もよく出るようになっているのだから不思議です。音質を文章化するのは非常に難しいので如何ともし難いところですが、とにかく音質差は非常に大きいです。USB接続のポタアンの後だと、スマホ直挿しは明らかにくぐもった音色に聞こえます。

それではアナログ接続はどうかと言うと、こちらもやはり高音域の特有の歪みっぽさやメリハリの弱さなど何となく荒さは感じるものの、スマホ直挿しのような明らかに曇った音色ではありません。また、様々な曲を聞いてみましたがそれぞれ低音の沈み込みや定位の自然さ、音の艶など色んな変化を感じられました。これは明らかにアナログアンプ部分の味付けが乗っていると言えるでしょう。

この検証結果からするに、たとえ上流が貧弱な機器にアナログポタアンを接続した場合でも、音質の向上は十分に測れると結論付けます。

また、現在私はPro idsdというUSB-DACアンプに、Pro iCANというアナログアンプを繋げて使っています。Pro idsdは40万もする高級据置アンプです。そのままでも当然十分すぎるくらい高音質です。
ただ、アナログアンプのPro iCANを足すとその音質はさらに上のレベルに達します。Pro iCANは28万円もしますが、あるとないとじゃ音質的には雲泥の差です。







結論。アナログポタアンでも音質向上は測れる


結論として、アナログアンプでも十分に音質が向上するという結果となりました。

というわけで、次の項目では、私がおすすめする安いヘッドホンアンプをいろいろ紹介したいと思います。



筆者おすすめの安い高コスパポタアン、据え置きヘッドホンアンプ


まず、いちばん安価なアナログポタアンから紹介します。それがこのFX-AUDIO- PH-01Jです。

価格:4980円
(価格は2021年6月10日 午前0時00分の情報です)

このFX-AUDIOというブランドはノースフラットジャパン(NFJ)という日本の企業が中国で現地監督をしている中華ブランドで、この製品はそんなブランドの激安ポタアンです。私はこのメーカーの真空管プリアンプを愛用しているため、怪しい中華メーカーとは違い好感を持っているのでオススメにチョイスしました。



もうひとつ安くておすすめなものを1つ。それがアリエクスプレスで売っているディスクリートっぽいポタアンです。



そのお値段はなんと2000円以下。それなのにホワイトノイズもなくて、音質もそれなりに良くて、パワーも充分あるというかなり高コスパなアンプになっています。


次におすすめするのが、中華メーカーの大定番ポタアン、Fiio Q1 Mark Ⅱです。

価格:14253円
(価格は2021年6月10日 午前0時00分の情報です)

初めてのポタアンならとりあえずこれを買っておけ。それくらい有名かつ売れているDAC内蔵のポータブルヘッドホンアンプです。

この値段でシングルエンド出力とバランス出力を両方備えており、さらに電子ボリュームでギャングエラーもないという高コスパな逸品。オススメです。

もう少し予算が出せるなら、iFi-Audio hip-dacをオススメします。



言わずと知れたポータブルアンプにおける最強候補のブランド、ifi audioの最廉価グレードのポタアンです。私は級上位機種のmicro idsd BLを愛用しているので、個人的に好きなメーカーなのでチョイスしました。

お次は据え置きですが、まず予算が低い、というのならやはりFX-AUDIOが頭に思い浮かびます。

価格:9900円
(価格は2021年6月10日 午前0時00分の情報です)

また、人とは少し違った楽しみ方をしたい、という人にとてもオススメなのがこの真空管ヘッドホンアンプです。


真空管ヘッドホンアンプは真空管を差し替えることで色んな音に変化させられるので、オーディオマニア的には非常に面白い製品だと思います。私もこのブランドの真空管プリアンプを愛用していますが、真空管を変えるだけで本当に音がかなり変わるのでとても面白く気に入っています。






予算を出せると言うなら、据え置きでIfi audio ZEN DACにコスパで並ぶものは無いでしょう。

価格:21780円
(価格は2021年6月10日 午前0時00分の情報です)

アナログアンプのZEN CANと合わせるのも非常にオススメです。




アナログアンプの少しだけ気になる点。ノイズが乗る


アナログポタアンで少しだけ気になるのは、ノイズの多さです。スマホとポタアンをアナログ接続すると、小さな音でずっとノイズが乗っています。また、AUXケーブルの品質が悪いのかケーブルを握るとブーンというノイズが鳴り響きます。

音楽を再生すれば気にならないレベルの小さな音ではありますが、そこだけが気がかりでした。ASMRやピアノソナタなどを聴く人はDAC内蔵ポタアンをおすすめします。





あとがき。イヤホンとアンプはセットで使おう


ヘッドホンアンプを繋ぐだけで、今使っているイヤホンの音がまるで別物になる……なんていうと過言かもしれませんが、ヘッドホンアンプは私にとってはもはや必需品です。そのくらい音質は変わります。

なので、まだヘッドホンアンプを持っていないという人は是非とも購入してみてください。

それでは、以上です。



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