謎の中華イヤホン?DCMEKA IE68の音質をレビュー【Amazon】
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それではどうぞ。
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DCMEKA IE68 2000円台の低価格ダイナミックドライバー搭載中華イヤホン

外箱はこんな感じです。シュリンクなどはされておらず、パンパンの紙箱がそのまま送られてきました。箱はかなり薄く小さいです。
なんだか色の違うハイレゾロゴが付いていますが、一応ハイレゾ対応なんですかね。よく分かりません。

裏側には付け方のみ記載されています。MADE IN CHINAということで、中華イヤホンであることは間違いないようです。

このイヤホンの箱がどれくらい小さいかというのは、他社の有名な中華イヤホンと比べると分かります。今回は横にKZ EDXを並べてみましたが、厚みがかなり違うのがわかると思います。

いったいどんな梱包方法なのかと思ったら、中には小さなポーチが入っていました。

それを開けると中にはお馴染みの白いビニールが入っていました。こういう所は中華イヤホンらしいですね。

内容物はケーブル装着済みのイヤホン本体とイヤーピースのみです。

イヤホン本体です。シェル本体は金属っぽい塗装でなかなか綺麗で、安っぽさはありません。実際に触れてみると異様に軽いため、材質は分かりませんが、見た目だけならプラスチック丸出しのよくある中華イヤホンと比較して高級感では勝っていると思います。

ノズルは普通の長さで、コネクタはこの価格帯の中華イヤホンでは珍しく2pinではなくMMCXとなっています。
因みにこれは関係ない話なのですが、私は個人的には強度的な意味でMMCXより2pinの方が好みです。

イヤーピースをKBEAR 07に交換してみました。

これは小ネタですが、このイヤホンの純正イヤーピースは非常に特殊というか、見たこともないくらい軸が太い謎のイヤーピースでした。
ちなみにスペックなどは一切記載されていないため全く分からないのですが、Amazonページによると10mmカーボン振動板、テスラマグネット、そしてヘルムホルツ共鳴二重空洞がこのイヤホンのドライバーでは採用されているようです。
ヘルムホルツ共鳴チャンバーと言うと、iBasso Audio IT00とかに採用されている技術です。
あと個人的に、このイヤホンの仕様がめちゃくちゃ面白かったので紹介します。
仕様
インターフェース:MMCX
リケーブル:mmcx
音質: HiFi
タイプ:インイヤー、カナル式
周波数応答範囲:10Hz-23,000Hz
リケーブル長さ:120㎝
プラグ:3.5mmLプラグ
色々ツッコミどころは満載なのですが、いちばん面白いのは音質:HiFi、というところです。こんな項目初めて見ました。音質:ローファイ、ってイヤホンもあるんですかね?
果たしてどちらの意味で期待を裏切ってくるのか、非常に楽しみです。
因みに1年保証が付いているので、初期不良や故障の際は無料で交換または全額返金をしてもらえるとの事です。まあイヤホンの故障の一番の原因である断線はさすがにサポート外でしょうけどね。
他の中華イヤホンとは違う特殊なウォーム系ブーミーサウンド
それでは、音質のレビューに入ります。
今回も、アンプはmicro idsd BLを使用しました。
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・己龍 鵺
このイヤホンの音を一言で言うなら、低音の強いドンシャリ、という感じの音作りです。低音域はかなりドスドスと主張が強く、高音域はシャリシャリと主張してきます。ただ、これまで聞いてきた中華イヤホンのドンシャリとはまた少し違う印象を受けます。
具体的には低音域がまるで雷鳴のように間延びした響きで、メリハリがあまりありません。また、低音の量感自体はとても多いのですが解像度自体はそこまで高くなく、かなりマイルドな鳴り方です。
こう書くとあまりいいイヤホンに思えないかもしれませんが、私としては個人的にはなかなか好きな音です。ただ、一般的にはもう少し切れ味がいい方が好まれるかもしれません。
CCZ Coffee Beanと比較すると、両者はかなり音色が違うことに気付きます。Coffee Beanもかなりのドンシャリなのですが、IE68と比較すると非常にソリッドで現代的というか高解像度で分離のいいサウンドです。
低域の鳴らし方もCoffee Beanはメリハリがあり、量感があるにも関わらずくぐもった印象は与えません。
Coffee Beanと比較すると、IE68は間違いなくウォーム系だと言いきれます。そのくらい落ち着いたというか柔らかく暗い鳴り方です。
・Lynch. IDOL
やはり、このイヤホンはかなりのウォーム系です。というより、低音域の切れ味が悪く、こう言ってはなんですがブーミーなイヤホンだと言えるでしょう。
上でも書いたように私は嫌いでは無いですが、中華イヤホンに期待されるようなメリハリのある重低音とか、高解像度っぽいシャープな音色とか、そういうものを求めると非常にモコモコしたサウンドに聞こえるかと感じます。
KBEAR KS1と比較すると、やはり低音域の切れ味や各帯域の分離の面ではかなり劣ると感じます。IE68の低音域はドスドスと鳴っているだけで芯がないため、音の距離感や空間表現というものを感じにくい平坦な音色というか、なんというか密閉された反響空間に押し込められたような定位の曖昧な音です。スネアドラムの音などはほとんど聞こえないと言っても差し支えないほど帯域ごとの分離は曖昧です。
ただ、聴き込んでいくとなんだかこのサウンドもマイルドでいいな、と感じてくるので、バッサリ音質が悪いと切り捨てるようなイヤホンでないことは確かです。本当にただ篭っただけのイヤホンは、ヴォーカル帯域までその曇りが干渉して聞くに耐えなくなるものです。しかし、このイヤホンはヴォーカル帯域には曇りは感じさせません。なので聞いていて不快感を感じることは無いでしょう。
・GOIN VR.ver
やはり、このサウンドは特殊というか、まさにブーミーと言うに相応しいようなズンドコサウンドです。
低音域は相変わらず輪郭が甘く、ボワッと拡散するような芯のないサウンドで、細かな音はその低音に多い隠されてしまいます。
ただ、やはりただ解像度が低く篭っただけのイヤホンとは違い、独特な魅力を感じるのだから不思議です。具体的には、耳に刺さる成分が微塵も出ておらず、マイルドな音に包まれるような、そんな不思議なリスニングが可能です。
CCZ Coffee Beanと聞き比べると明らかに解像度や分離感、定位などでは劣っています。しかし、シームレスに聴き比べをしてみてもどちらがいいか?と言いきれない謎の魅力がこのイヤホンにはあります。文章として書くと篭っただけのブーミーなイヤホンなのですが、何度も言うとおり私は個人的にこのイヤホンが嫌いではありません。
銀メッキ線、KBEAR KBX4919にリケーブル
今回は、KBEARの銀メッキ銅24芯ケーブル、KBX4919にリケーブルしてみました。

わかりやすい効果としては、まず高音域がよく出るようになり、低音域のブーミーさが改善されます。そしてヴォーカルがより前にせり出してくるような印象も受けました。
全体的なウォーム感というかこのイヤホンの個性であるマイルドさは残っているのですが、高音域がよく出るようになったことで全体的な音の分離の悪さがかなり改善されており、また低音域にも芯がちゃんと現れています。
リケーブルしているのでフェアではないかもしれませんが、Coffee Beanを比較のために聞いてみるとかなりシャリシャリとしていて刺さる軽いサウンドだと感じました。全体的な音のクオリティでは確実にIE68の勝ちだと言えるくらいの変化が現れています。
この際純正ケーブルの品質については特に何も言いませんが、リケーブルすることで魅力を保ったまま全体的な音のクオリティがかなり向上するのは面白いです。
あとがき。マニア向けの低音の強い中華イヤホン
低音域はブーミーで、分離感もそれほど高くない、全体的に霧がかかったような不思議な音なのですが、決して音質が悪い訳では無い不思議なイヤホンです。
勿論解像度や分離感など一般的に音質の要とされる部分は他社の中華イヤホンに完全に劣っているため1本目として進めるようなイヤホンでは無いと思いますが、有名メーカーの解像感を押し出したギラついた低価格中華イヤホンの音色に飽きたマニアにはなかなかオススメ出来るウォーム系イヤホンと言えるのではないでしょうか。
また、リケーブルすることでかなり音質も向上するので、カスタマイズする楽しみもあります。そういうところもマニア向けと言えそうです。
唯一残念というか惜しいポイントは端子がMMCXなので、中華イヤホンマニアが1番所有しているであろう2pinケーブルを流用できない点でしょうか。
まあなんにせよ面白い音のイヤホンなので、安いですし購入してみると楽しめると思います。
それでは、以上です。
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