ASMR、バイノーラル音源はイヤホンかヘッドホンどっちが気持ちいいか検証してみた

♨の人

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ASMRことAutonomous Sensory Meridian Response。
一昔前は結構ニッチなジャンルだったのですが、今や一大ジャンルにまで成長しましたね。

ASMRはバイノーラルという特殊な方法で収録されており、人間の頭部などを模したバイノーラルマイクというものを使用することで、イヤホン、ヘッドホンなどを使用することでまるでその場に居合わせたような感覚や、あたかも実際に耳かきやマッサージをされているように感じることが出来るというものです。

そんなASMRですが、ASMRに向いているのはヘッドホンなのかイヤホンなのか、気になっている人も多いのではないでしょうか。

イヤホンとヘッドホンはオーディオ界隈の間でもどちらが優れているか日夜語られているもので、双方どちらも得手不得手があります。しかし、音楽ではなくASMRにおいてはその得手不得手がそのまま当てはまるとも限りません。

というわけで、今回はASMRに向いているのはヘッドホンか、はたまたイヤホンか。ガッツリと検証してみることにしました。

それではどうぞ。





まずはイヤホン、ヘッドホンについて解説


まず、一口にイヤホン・ヘッドホンと言ってもそれぞれいろいろな種類があることはご存知でしょうか?

というわけで、まずはそれについて解説していきます。

まず、ヘッドホンというのは耳の間近に配置したスピーカー(ヘッドホンではドライバーと呼びます)を鳴らすことで音楽を再生する機器の総称になります。仕組みとしてはとても単純なもので、小さなスピーカーを耳の近くに配置しただけなんですね。

しかし、そんなヘッドホンですが、色んなメーカーが色々音質に拘った結果、今では色々な方式が存在します。次の項目ではそれについて解説していきます。



ヘッドホンの方式。密閉型、開放型、半開放型(セミオープン)


一口にヘッドホンと言っても、世の中には2種類のヘッドホンが存在します。

それが、密閉型、開放型の2種類です。

まず、密閉型ヘッドホンというのはこういうものです。

一般的にヘッドホンと言うとこんな感じのものがイメージされるでしょう。

密閉型ヘッドホンはその名の通りドライバーを密閉したヘッドホンで、ドライバーからの直接の出音+ハウジング内部の反響音を聴く方式のヘッドホンです。

機種により傾向は異なるものの一般的には低音の再生能力が高く迫力のあるサウンドが得意だと言われており、また密閉されているため周囲への音漏れも少なく遮音性も高いです。




対する開放型ヘッドホンというのは、こういうものになります。

開放型ヘッドホンはその名の通りハウジングが開放されたグリルやメッシュになっており、ドライバーからの出音が音のチューニングの大半を占める構造になっています。

どのくらい音を外に逃がすか、またどのくらいハウジングで音を吸収するかなどによりメーカーや機種により音の傾向は全く異なるものの、全体的な傾向としては伸びやかな高域や透明感のある広々とした音場などが特徴です。

反面、当然のことではありますがドライバーの背面が解放されているため音漏れは非常に酷く、また遮音性も機種によりますが無いようなものと考えていいです。



そして最後にですが、両方の特性を兼ね備えた半開放型、セミオープンというヘッドホンも存在します。

しかしこれには具体的な基準は存在せず、どのくらい内部の音を反響・吸収するかや、ハウジングに設けられた穴の大きさなどにより開放型に近い半開放型や半開放型に近い開放型なども存在するため、半開放型だからどう、とかそういうことは一概には言えません。

ただ全体的な傾向としては両者の特性を持ったヘッドホンが多いとされています。





ヘッドホンの種類。オーバーイヤー、オンイヤー


上ではヘッドホンの方式について語りましたが、他にもヘッドホンにはオーバーイヤー(アラウンドイヤー)とオンイヤーという2種類のイヤーパッドの種類が存在します。

これは開放型、密閉型とは関係なく、装着方式の違いです。

まず、オーバーイヤー型ヘッドホンというのはこういうものです。

耳を丸ごと覆うタイプの、ヘッドホンというとまさにこれ、という感じのヘッドホンがオーバーイヤー型です。耳をそのまま覆うため、しっかりとした装着感と遮音性、また音場や低音再生能力などにも優れる方式です。

反面、どうしても大型になるため重量は重くなりますし見た目もごつくなります。


逆に、オンイヤー型ヘッドホンというのはこういうものです。

これは小さめのイヤーパッドが装着されており、耳の上にそれを載せるという方式のヘッドホンです。

遮音性などはオーバーイヤー型に劣りますが、小型で持ち運びしやすいのがポイントですね。





イヤホンの種類 インナーイヤー型とカナル型


次はイヤホンの種類について書いていきます。

まず、イヤホンには大きく分けてカナル型とインナーイヤー型の2種類が存在します。

カナル型イヤホンというのはこういうものです。

イヤーピースというシリコンのチップを使い、外耳道を密閉する、今現在主流の方式です。

特徴としては外耳道を密閉することによる高い遮音性と装着感が上げられるでしょう。他にはイヤーピースを交換することで音を変えられる楽しみもあります。


インナーイヤー型というのは、皆さんお馴染みのこんなやつです。

そう、Apple純正のあれですね。耳のくぼみにはめ込んで使用するタイプのイヤホンです。イントラコンカとも呼ばれたりします。

特徴としてはカナル型と比較した場合の開放的な音場でしょうか。ただ、音漏れの多さや低音の弱さなどで現在は徐々に過去のものになりつつあります。

因みに、イヤホンはヘッドホンのように開放型、密閉型という区別はないのですが、代わりにドライバーユニットの方式が大きくわけてダイナミック型とバランスド・アーマチュア型(BA)の2種類に分けられ、それぞれ音に特徴があるという面白さがあります。

他にもBAを複数搭載した多ドラや、両方のドライバを搭載したハイブリッド型、他には第三のドライバとして最近話題のエレクトロ・スタティックドライバ(EST)なんかもあり、こちらも面白いので興味があれば各自調べて見てください。





早速比較に入ろう


というわけで、この項目からはついに比較に入っていきます。

用意したヘッドホン、イヤホンはこちらです。

まず、イヤホンはこちらを用意しました。

イヤモニの神が創設せしプロ向けカスタムIEMメーカーJH Audio THE SIRENシリーズフラッグシップモデル、BAドライバーを高音、中音、低音それぞれ4機搭載したインイヤーモニター、Layla Universal fitです。

低音調整は1時、イヤーピースはスパイラルドットSFを装着しています。

このイヤホンの特徴はなんと言ってもその音の濃厚さと繊細さ。全ての音を余すことなく描写する解像度の高さと、コンサートホールのようのような音場の広さ。そしてライブハウスのように重厚でリアルな低音の圧力。私のお気に入りのイヤホンです。


ヘッドホンはこちらを選択しました。

ドイツの誇る超名門ヘッドホンメーカーbeyerdynamicのフラッグシップ第2世代、T5P 2nd generationです。

このヘッドホンの特徴はなんと言ってもヴォーカルの近さと高温の切れ味。広々とした音場からまるで耳元で囁くかのようなヴォーカルの繊細さと、ため息の出るような高音の艶めかさは後継機が出てもなお人気を博すほどの名器です。


そしてヘッドホンアンプはifi audioのmicro idsd BLです。



音源は3種類用意しました。

まずは音フェチ系ASMRとしてこちらの動画。


次に、耳かき系としてこちらの動画。


最後に、環境音&囁き声としてこちらの動画です。








ネイルタッピングなどのASMRに向いているのはヘッドホン



まず、この動画をイヤホンとヘッドホン両方で聞いてみたところ、イヤホンはヘッドホンの音場の開放的な自然さには敵わないのだな、と感じました。

イヤホンでも臨場感はあるのですがヘッドホンは音の移動する距離感などがよりリアルで、空間再現能力が高いと感じます。

ヘッドホンの方がより何も付けていない感覚というのでしょうか。どうしてもイヤホンの場合耳の中で鳴っている印象が強くなってしまい、ヘッドホンの自然さと比較すると劣る印象でした。




耳かきボイスに向いているのはイヤホン



対して、耳かきボイスの場合はイヤホンの方が好みです。鼓膜を刺激する音がより直接脳内へ響くような感覚が強く、実際に刺激を感じるようなリアルさがイヤホンにはあります。対してヘッドホンはどこかマイルドで刺激が物足りません。

耳かきボイスの場合リアルな耳かきの音圧を求める方が多いと思うので、そういうニーズにはイヤホンの方が向いていると感じました。




囁き声や環境音はやはりヘッドホン



環境音や囁き声などが混じった場合、やはりヘッドホンの方に軍配が上がるかな、という感じです。耳かきの音圧などはイヤホンの方が上ですが、ヘッドホンは囁き声の空気がまるで耳に本当にかかっているような臨場感があります。イヤホンの方が音の線は明瞭なのですが、空間表現のリアルさにおいてイヤホンはヘッドホンに敵わない、という印象ですね。やはりどうしてもイヤホンはヘッドホンと比較して音が平面的な印象です。






ヘッドホンは空間表現が上手い。イヤホンは音圧が高い


今回の比較でわかった事は、イヤホンは耳かきのような鼓膜を直接刺激する音圧を表現するのが得意で、ヘッドホンは囁き声などの空間を伝う音を再現するのが得意ということでした。

音楽の場合はイヤホンとヘッドホンどちらも甲乙つけ難いのですが、ことASMRとなるとどちらかと言うと私はヘッドホンの方が好みのようでした。イヤホンの弱点とも言える平面的な音場は音楽を聴く場合は気にならないものの、バイノーラル音源のようなステレオを駆使した音源だとやはり露骨にヘッドホンに劣ってしまうようです。

しかし、耳かきのような音圧系の表現はイヤホンの方が得意なようなので、その辺は一長一短、という感じでしょうか。





ASMRを聞くのにオススメのイヤホン


最後に、ASMRを聞くのにオススメのイヤホンとしてよく名の上がる2機種を紹介して終わりにしたいと思います。

まずはFinal E500です。

バイノーラル専用のえっちなイヤホンとして一世を風靡した、Finalのイヤホンです。

お値段も超お手ごろで、高価なイヤーピースも付属で付いてくるという超良心的な価格が特徴。迷ったらコレ、という1本ですね。


もう少し予算を出せるなら、Final VR3000がオススメです。

あのE500の強化版というだけあり、ゲーム、ASMRなどに特化した高コスパイヤホンです。この価格帯ならばASMR用途としてはトップクラスの実力を誇るのではないでしょうか。

興味があれば是非購入してみてください。

それでは、以上です。

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