KZの新作は思いもよらぬ名器。EDX Proの音質をレビュー
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本日は、本日は、WTSUN Audio様(@Naruto88814)にて発売中の中華イヤホン、「KZ EDX Pro」のレビューです。
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それではどうぞ。
フェイスプレートが非常にカッコイイデザイン。クリアシェルも非常に美しい


外箱はこんな感じです。いつもの低価格中華イヤホンらしいコンパクトなタイプですね。

蓋身式の箱を開くと、イヤホン本体が収められています。
このKZ EDX Pro。販売前からクリアが非常に格好いいなと思っていたのですが、実物は写真より高級感がありますね。


フェイスプレートの金属部分はちゃんとサンドブラスト加工されており、シェルも透明度が高くプラスチッキーな印象を与えません。一見するとレジンシェルのIEMと見紛うほどです。この時点でこの価格のイヤホンとしては非常に素晴らしいと思いますね。

付属品は簡素です。ケーブル、交換用イヤーピース、説明書のみ。その他には何も入っておりませんでした。

ケーブルは中華イヤホンとしては珍しくツイストタイプではなく、FinalのE500なんかと同じような横に幅広いタイプです。サラサラとしており絡まりにくく、質感は悪くありません。

耳かけ部分はいつもの通りワイヤー入りではなく形状記憶チューブで、コネクタはQDCタイプです。TFZタイプとは互換性がないのでご注意ください。
低音強めでヴォーカルが映える万能ドンシャリサウンド
それでは、音質のレビューに入っていきます。
今回もアンプはmicro idsd BLを使用しました。
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・己龍 無垢
まず、このイヤホンの音を一言で言うなら、強烈な低音が特徴のドンシャリ、という感じです。
初代EDXのフラットに近いカラッとした鳴り方とは打って変わって、まさに中華イヤホンという感じの重たい低音が特徴的ですね。
低音の特性としてはサブベースからミッドベースまで全体的に底上げした感じの低音ですが、ボワ付きなどはなくアタック感の重さに重きを置いた立体的な低音という印象です。
高音の主張は控えめです。そこまで激しくシャリシャリと出ていると言う感じではなく、質感は硬質ですが低音の重さ故にあまり目立ちません。聞きやすい高音です。
中音域は非常に聞き取りやすく、低音域の重さにマスクされないクリーンなトーンを保っています。初代EDXのカラっとした感じと比較すると、艶感がありより臨場感を感じられます。
全体的な印象として初代EDXがカラッとした乾いた質感の音なのに対し、こちらはどちらかと言うと声の艶感やぬくもりなども感じられるタイプのイヤホンだと感じました。
・Lynch. F.A.K.E.
やはり、重低音の重さがかなり特徴的です。それでいてヴォーカル帯域にフォーカスがバシッと会っているのが非常に好感が持てます。
低音を売りにしたイヤホンと言うと低音だけやたらと強いだけでヴォーカル帯域が聞き取りにくかったりしますが、このイヤホンは全くそんなことはありません。
また低価格帯のイヤホンにはまるでイコライザーで調整したかのような耳につく音を出す機種も多いですが、このイヤホンはそんなことはなく重たい低音と透明感のあるヴォーカル帯域を両立できています。
それでは初代EDXと比較するとどうかと言いますと、初代EDXはよりアタック感がソリッドで空間にも広がりがあり、また高音がより高い部分まで出ています。しかし、EDX Proと比較すると、中音域が少し引っ込んだような印象を受けますね。また、低音域の迫力に関しては全く勝負にもならないくらいEDX Proの勝利です。
・Hungry Bambi
このイヤホンは低音域が非常に力強く重たいので、だいたいどんな音楽を聴いても迫力不足を感じることは無いと思います。
また上で再三書いたようにヴォーカルが非常に聞き取りやすい音作りになっているため、低音が強いからと言ってヴォーカルが聞き取りにくいなんてことも無く美味しい部分を活かしながら低音の迫力に圧倒されるリスニングが可能です。
これが例えば初代EDXならどうかというと、比較してみると明らかに低音の迫力が足りません。重さ自体はあるのですが、EDX PROほど力強さがないために聞き比べるとどうしても物足りなさが否めなくなってしまいます。
他には、初代EDXは確かに開放的な印象のある音ではあるのですが、ヴォーカルラインの自然さがEDX Proと比較して足りないため、どうしても少し臨場感が薄いです。わかりやすく言うなら少し掠れたような印象があるという感じでしょうか。
CCA NRAの件で少し荒れているKZですが、やはりさすが老舗だけあってまたとんでもない低価格イヤホンを作ったな、なんて思います。低音が重たいのにヴォーカルラインはとにかくクリアで、ドンドン系のイヤホンには珍しく高音の不足感も全くない。弱点らしい弱点が今のところ見当たりません。
とにかく低音が嫌いだ、というような特殊な人を除けば、万人が満足出来る。そう言いきってしまっても過言ではないと思えるほど高クオリティなイヤホンだと思います。
・大きな古時計
低音が強くてヴォーカルが綺麗。そんなイヤホン、私の好みにドンピシャすぎるので私のライブラリの中にある静かめな曲をチョイスして聞いてみることにしました。
しかしまあやはり素性の良さが出るのか、全く問題点の見つからない音を奏でてくれます。
ただ、この曲では初代EDXとの方向性の違いが顕著に現れました。具体的には初代EDXの方がフラットなバランスでどの音も聞き取りやすく、アタックもしつこくないため透明感のある音です。
そもそも初代EDXの音は中華イヤホンにしてはかなり開放的かつすっきりした音なので当たり前ではありますが、こういう静かな曲ではかなり差が出ますね。とても濃厚な音を奏でる臨場感たっぷりのEDX Pro、透明感がありクリアなサウンドのEDX、という感じでしょうか。
ただ、上でも書いたように激しめの音楽や音圧の高い曲を聴くのであれば基本的にこのEDX Proは上位互換と言ってしまってもいいほど圧倒的なクオリティを持っていると感じます。
リケーブルによる音質変化
今回も、ALO audioのTinsel Earphone Cableというケーブルにリケーブルしてみました。
すると、多少不足していた高音域がより繊細に分解され出るようになりました。
全体的な音の質感は保ったまま高音の情報量が増えるという感じの変化ですね。また低音域もより締まり、全体的な音の透明感が増すことでより洗練された音に変化しました。
言うなれば初代EDXの透明感+EDX Proのいい所詰め合わせ、みたいな贅沢な音という感じです。相性問題もあるでしょうが、元がいいイヤホンがさらによく化けるのは非常に面白いのでリケーブルを試してみるのもおすすめします。
あとがき
アリエクを使えば1000円以下で買えるのにとんでもなく高音質なことで話題だったKZ EDX。そんなEDXの後継機と言うから期待はしていましたが、今回はその期待を大きく上回る結果となりました。
このイヤホンは久しぶりに名器と呼ぶに相応しい低価格中華イヤホンだと感じます。これより高価格帯のイヤホン、例えば3~5000円クラスのイヤホンさえも下手したら食ってしまうかもしれない、そんなポテンシャルを秘めた凄まじいイヤホンです。
音は好みなのでなんとも言えませんが、私は文句無しにオススメですね。
というわけで、興味がありましたら是非とも買ってみてください。中華イヤホンの中でも最廉価グレードなので手も出しやすいですし初めての一本にもオススメです。
それでは、以上です。
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