ダイナミック1発の中華イヤホン、NICEHCK DB1をレビュー。フラットな音色が特徴のHCKイヤホン
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本日は「NICEHCK DB1」というダイナミック1発の中華イヤホンをレビューしていきたいと思います。
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それではどうぞ。
中華リケーブルブランド大手のNICEHCK
NICEHCKというと、中華イヤホンを知っている人で知らない人は居ないのではないかという程の大手の中国のイヤホンセラー、HCK Earphonesのオリジナルブランドです。
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— NICEHCK Earphones (@hckexin) December 6, 2021
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店舗ページ:https://t.co/NKMhlgAFU3 pic.twitter.com/cfuXqoUhrX
そんなリケーブルブランドのNICEHCKですが、イヤホンも出しています。いちばん有名なものだとピュアベリリウムドライバーを搭載したLoftyでしょうか。
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KBEARやKZなどと比較するとイヤホンを発売するペースは早くはないものの、結構たくさん種類があります。今回のDB1はそんなHCKのエントリーモデルです。
ドライバーには10mmのPUバイオロジカルファイバー複合振動板 N50高性能磁気回路という複合振動板が使用されているようですね。まあよく分かりませんが、ドライバーにも一応こだわっているということなのでしょう。
パッケージは可愛い女の子。あのメーカーを意識している?

パッケージです。可愛らしい女の子のイラストが目を引きますね。一見するとイヤホンのパッケージには見えません。
最近は水月雨(MOONDROP)の影響かこういうパッケージの中華イヤホンが増えましたよね。賛否はあると思いますが、私はこういうの好きですよ。綺麗な耳にIEMって構図は結構映えますし、カワイイは正義って言うでしょ?
それにどうせ通販でしか買わないし……(小声)
因みにこの少女の部分だけツヤ感のある立体的な印刷になっています。

ちなみに裏面はこんな感じ。カラーバリエーションはブルーとグレーの2種類で、今回私はグレーを選択しました。

箱はスライド式で、開けると内部からイヤホン本体が現れます。この辺は低価格中華イヤホンのセオリー通りですね。

下の箱には付属品が入っています。内容物はイヤーピース、ケーブル、そしてケーブルクリップです。ケーブルクリップが付属しているのは珍しいですね。

ケーブルです。しっかりとしたケーブルタイでまとめられていました。
端子は2pinで、形状はNX7という特殊なタイプが使われています。TFZタイプと互換性がありますが、TFZ製のケーブルよりもピンの飛び出しが長いです。

ケーブルを装着するとこんな感じ。高級感はありませんが、なかなか奇抜なデザインで悪くありません。
ノズルは金属製で、余計な共振などを防いでくれそうですね。
装着感は非常に軽いです。耳への閉塞感も少なめで、カナル型イヤホン、特にBA機のような密閉感が苦手な人でも抵抗なく付けられそうですね。
スペックはインピーダンスが16Ω、能率が106dB/mW、再々周波数帯域が20~20kHzです。
音質。フラットでスピーディー、抜けのいいクリアなサウンド
それでは音質のレビューに入っていきます。
アンプはmicro idsd BLを使用しました。
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・NOCTURNAL BLOODLUST Reviver
このイヤホンの音を一言で言うなら、カラッとした音が特徴のソリッド系イヤホン、という感じです。
かなり切れ味の高い高音域が特筆すべきポイントで、かなり粒立ちのよくキレのいい音を鳴らしています。煌びやかな高音と言うよりはモニターライクなかっちりとした高音で、その音が全体のバランスの6~7割を閉めています。
と言っても低音や中音域がおざなりかと言うとそういう訳ではなく、しっかりと前に迫り出してくるヴォーカル帯域と量感は少ないながらも弾むような気持ちのいい低音域を味わうことができます。これは個人的に好きな部類の音ですね。
高音域は非常に鋭く、刺さる寸前とまでは言いませんがかなりカッチリとした硬質な音色です。モニターライクな中でも透明感のある音が好きな人にはたまらない高音なのではないでしょうか。
中音域は聞き取りやすく、抜けのいいクリアな印象です。ヴォーカルラインがきちんと聞き取れ、音像は近めに定位します。
低音域は量感は少なめで、サブベースからミッドベース全体的に少なめとなっています。高音域が鋭いことも相まって非常に粒立ちがよくキレのいい低域で、これも脚色されていないモニターライクな音、また切れ味のいいスピーディーな低音域が好きな人にはおすすめだと感じました。
CCZ Coffee Beanと比較すると、明らかに音の傾向が違うことが分かります。Coffee Beanはまず高音域がもっと細かく、低音域もしっかりとしているいわゆるドンシャリ系の音作りです。
サブベースからミッドベースが膨らんでおり、多少モヤのようなものも感じるのですが、ヴォーカルの遠めの定位も相まってコンサートホールやライブハウスで聞いているかのような迫力があります。
どちらが好みかというと私はDB1ですが、低音域が好きな人、一般的なドンシャリが好きという人はCoffee Beanの方が好きだと答えるでしょうね。
KZ EDX Proと比較すると、こちらは高音の硬質さが似ていますが、より高い帯域を押し出しているのはEDX Proです。中音域はCoffee Beanと比較すると近いですが、DB1と比較すると遠目ではあります。
低音域はやはりEDX Proの方がしっかりとしており、この点は比較するものではありません。ただ、EDX Proの低音域はCoffee Beanと比較するとどちらかと言うと切れ味が良く、そういう意味ではDB1に近しいのはEDX Proでしょう。
・己龍 鵺
やはり、上の曲でも感じたようにこのイヤホンは低音域が控えめです。イヤーピースを変更することで幾分かは変わるでしょうが、標準イヤーピースで聞く限りは中華イヤホンとしては低音域は明らかに控えめだと感じます。
ただそれと引き換えにやはり非常に鋭い高音域とスピーディーな低音域、そして近いヴォーカルラインが特徴的で、非常にモニターライクに近しい音作りになっていると思います。このカラッとした印象は初めてKZ EDXを聞いた時なんかにも似ていますね。
ただ低音域が控えめなため、この曲では少し迫力不足を感じざるを得ません。サブベースが明らかに不足しているので、このようなどちらかと言うと激しめな曲でガンガンノリに乗りたいという人には多少力不足かなと感じます。
CCZ Coffee Beanと比較すると、その違いは明白です。迫力がまるで違います。
Coffee BeanはDB1ほど高音域に降っておらず、低音域が多めのいわゆるドンシャリな音作りなのですが、このような激しめの曲にはこのくらいの塩梅が丁度いいですね。Coffee Beanはいわゆる重低音の出るイヤホン、の部類なのですが、この曲を聞けばやはり低音の大事さを感じられます。
かと言ってDB1が悪いという訳ではなく、こちらはこちらで非常に透明感のあるクリアなサウンドです。それと比較するとCoffee Beanは多少やかましいような、モタついたような音に感じます。所謂濃すぎるという感覚でしょうか。
・ラブレター
やはり、このイヤホンの特徴は硬質でしっかりとした高音域と、その圧倒的な音のクリアさにあると感じます。ここまでのクリアなサウンドは中華イヤホンではなかなか味わうことの出来るものではありません。
またヴォーカルラインも非常に近く、この曲のようなpops、アニソンなどを聞くには非常にいい音だと思えるイヤホンなのではないでしょうか。
例えるなら中華イヤホンおけるこのイヤホンの立ち位置はShure SE215SPEとSENNHEISER IE 100 PROの違いに似ています。低音域までしっかりと出ているマイルドな音色のSE215SPEに対し、高音域がソリッドで非常にカラッとした抜けのいい音が特徴のIE 100 PRO。この場合IE 100 PROはDB1で、その他中華イヤホンがSE215SPEという感じでしょうか。
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比較するとその差は歴然で、例えばEDX PROは確かに低音のアタック感、ベースラインの滑らかな旋律など非常にいい音なのですが、DB1のどこまでも見透せるような圧倒的な抜けの良さを聞いた後だとどうしても少し空間に閉塞感のようなものを感じてしまいます。
私はイヤホンは例えばLegend XとかLayla AIONみたいな迫力がある音が好きなので、どちらかと言うとEDX PROの方が好きではあります。ですが、透明感のある音、クリアな音、そんなのを求めるのであればDB1は圧倒的大差を付けて勝利するでしょう。そのくらい音に混じりっけがなく、綺麗な高音とヴォーカルの旋律を余すことなく堪能できます。
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・青空リレーション
このイヤホンの特徴を生かすような曲は、例えばブラスなんかがふんだんに使われた曲だと感じます。他のイヤホンと比較して音にまじりっけがないので、金管楽器、特にハイトーンの咆哮が凄まじく煌びやかで素晴らしいです。
これが例えばCoffee Beanだと、低音域の波に高音が埋もれるためにここまでの鋭い直接的な金属的な音色を感じることはできません。
ではEDX PROはどうかというと、こちらはCoffee Beanよりはいい感じですが、やはりDB1ほど金管楽器を主役に持ち上げられていません。この二機種は金管楽器はあくまでも脇役というか全体を構成する一部として表現するのですが、DB1はそうではなく金管楽器を明確に主役として持ち上げてくれています。
この感じは例えばbeyerdynamicのテスラドライバー搭載機種、T5P 2ndやT1なんかが好きな人は結構気に入るんじゃないのかな、なんて感じました。それくらい金管楽器の音色に煌めくような美麗さがあります。
リケーブルしてみた
今回は、JSHiFiの白龍というケーブルにリケーブルしてみました。
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このケーブルの特徴は音に太さとパワーを与えるといったものですので、このイヤホンがどのように変化するか疑問に思ったからです。
さて、音の変化についてですが、まず思ったこととして明らかに低音域が増強され、またアタック感がどっしりと重くなりました。想定通り、音にパワーが着くことでより迫力のあるサウンドになっています。
ベースラインを聴き比べてみるとその差は明白で、ここまでの量感の変化が出ると楽しくて仕方ありません。私の好みとしては上でも言った通り濃い音が好きなのでこちらの方が好きです。
もともとの特徴であるモニターライクな高音域はそのままで、低音域、そしてアタック感が増強されることで弱点の迫力のなさが改善されていますね。これは鵺なんかを聞くと明らかです。
リケーブルすることで音がここまで変化してくれるとレビューしてる側も楽しいですね。個人的にこのケーブルは好きなケーブルなので、皆さんもぜひ試してみてください。
あとがき
というわけで、NICEHCK DB1のレビューでした。
この値段の中華イヤホンとしては珍しく、透明感のあるフラットな音色が特徴的でした。SENNHEISERの音作りが好きな人は好きなタイプの音だと思います。
興味がありましたら是非購入してみてください。
それでは、以上です。
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