古いイヤホンの音質は悪いのか?元祖超高級イヤホンLaylaと現行ウルトラハイエンドODINを比較レビュー

♨の人

-

スポンサーリンク

どうも、温泉の人(@otkZLQ2xGa4Fcqb)です。

本日は、古いイヤホンと新しいイヤホン、果たして音質差はどのくらいあるのか?ということについて書いていきたいと思います。

それではどうぞ。




比較するイヤホンはLaylaとODIN



今回比較する機種は、JH Audio Layla Universal fitと、EMPIRE EARS ODINという2つの価格の似た機種です。

Layla Universal fitは2015年2月27日発売のプロフェッショナル向けユニバーサルIEMで、直販価格税込359,800円の元祖超高級イヤホンです。

片耳にバランスド・アーマチュアドライバを12機搭載しており、その音質やコンセプト、値段はイヤホン界に多大なる影響を与えました。

Layla 低音1時の音を一言で表すなら、とにかく濃厚、かつ響きの強い音の洪水という感じです。

音の壁が平面的に迫ってくるような強烈な濃厚さがあり、Layla並に濃厚な音は高級イヤホンがインフレしてきた最近ですら少ないです。

低音域はサブベースからミッドベース含め程よい膨らみがあるのですが、とにかくアタック感がソリッドなのもJHの特徴。このドラムの音色は一度聞いたら忘れられません。

高音域は比較的穏やかで、刺さるということはありません。

合うジャンルとしてはロック、メタル、他にはオーケストラやバラードものなんかを聴くと非常に素晴らしい音を奏でてくれると思います。




EMPIRE EARS ODINは、2020/11/06発売のユニバーサルIEMで、税込396000円の現行の超ハイエンドイヤホンです。


片耳にダイナミックドライバーを2つ、BAドライバを5つ、エレクトロスタティックドライバを4つ搭載した合計11機のトライブリッドイヤホンで、その音質は非常に高く評価されています。今現在世界最強のイヤホンの一つであることは間違いないでしょう。

そんなODINの音を一言で表すなら、とにかく高解像度かつ抜けがいい、開放型ヘッドホンとイヤホンの良さを合わせた音、という感じです。

ここまで解像度が高く音抜けのいいイヤホンというのは数多のイヤホンを聞いてきた今でも少ないと感じます。

それでいて、ODINの特異なところはとにかくクリアで音抜けがいいのにとにかく音が濃厚という点。中音域から中低音域にかけてが非常にパワフルで、高音域は非常に伸びやかに、なおかつまるで刺さらず、それでいてヴォーカルラインはこれでもかと言うくらいクリアです。

合うジャンルはオールジャンルです。あえて弱点をあげるとすれば残響感が弱いので、コンサートホールのような臨場感を味わいたい場合向かない、という点でしょうか。




さて、このふたつのイヤホン。どちらも値段は約40万と非常に高価ですが、発売日に大きな年月の差があります。その間なんと5年。

6年前のイヤホンが実際現行のハイエンド機種にどれだけ通用するのか。次の項目ではそれを見ていきたいと思います。







神の子VS主神。果たして勝つのはどっちか


今回は、色んなジャンルから各2曲私の好きな曲をチョイスして聴き比べて、それぞれどちらが好みだったかという方式で勝敗を決めます。

アンプはmicro idsd BLを使用しました。



能率はLaylaの方が悪かったですね。



ロック

・己龍 天照


ODINでこの曲を聴いてみた感想ですが、流石の一言です。圧倒的な解像度、圧倒的な分離感。イヤホンとは到底思えぬ音の開放感。そして鮮烈なアタック感。特に素晴らしいのが琴の音色です。

次にLaylaですが、こちらは音が全体的に太くなった代わり、ヴォーカルの解像度が明らかに劣ってしまっています。

琴の音色もODINと比較するとあまりよく聞こえませんし、アタック感もODINがよりソリッドなのに対しこちらは多少マイルドです。

この曲を聴く限り、Laylaの基礎性能はODINには遠く及ばないでしょう。発売日に何年もの差があるので仕方ないですが、LaylaはあくまでもマルチBAの完成系という感じなのに対し、ODINは最新の技術をふんだんに詰め込んだトライブリッドの最強候補です。

この曲は明らかにODINの勝ちですね。



・義勇忍侠花吹雪


まずODINの感想ですが、やはりとにかく音がクリアなのに非常にパワーがありますね。

まるで全ての音を聞き分けられるような、そんな感覚を味わえます。分離感がとにかく高く、どの音の輪郭も全く被っていません。それでいて、音場は非常に抜けがよく広いので、全てが手に取るようにわかるのにスケール感の小ささなどは全く感じません。

次にLaylaですが、やはり解像度の暴力であるODINと比較すると音が一段階暗く、また少しヴェールがかかったような印象を受けます。分離感や解像度はODINには正直なところ食らいつけるレベルにありません。

ただ、この曲ではLaylaの音の濃厚さが存分に生きており、ODINと比較してもどちらが上とは言いきれないような感じです。強いて言うならODINは寒色系、Laylaは暖色系でしょうか。

Laylaはアタック感に鋭さだけではなくどっしりとした重さがあり、また幾重にも音が重なった濃密な中低域が曲の迫力を後押ししています。

この曲は互角ですね。





ポップス

・ラブレター


まずODINですが、やはり解像度の高さと分離感が異常に高いです。全ての帯域が分離して出ているので、音に濁りを一切感じさせません。

ヴォーカルラインは非常にクリアで、ベースはうねる様な低音の雰囲気を出せています。高音域はどんな微細な音も逃さぬ、という感じで、聞いたことの無い音がどんどん耳に流れ込んできます。基礎性能が非常に高いイヤホンでないと聞き取れない音、いわゆる「普段聞こえなかった音が聞こえる」という感覚をオーディオマニアであったとしても味わえます。

次にLaylaですが、こちらはやはり音が1~2段階ほど暗くなります。ただ、その分ベースの余韻や空気感などはより良く感じられます。音に色気がある状態ですね。

ただ、ヴォーカルの解像度の差が圧倒的すぎて、正直なところこの曲では、比較してしまうとヴォーカルラインが篭っているようにしか聞こえません。この曲は間違いなくODINの勝ちでしょう。


・ハピガ!


まずODINですが、この曲もやはり解像度とアタック感の暴力。どんな曲でも平均点をはるかに超えたレベルを出してくるのがODINのやばいところです。

とにかく高音域が高解像度なのに、中低域に力強さがあるので高音を煩く感じないのがODINの魅力でしょうね。

次にLaylaですが、こちらはODINと比較しても悪くありません。

ヴォーカルの解像度などはもちろん少し劣りますが、その分ODINよりもヴォーカルがダイレクトで近く、また楽器隊の音色にも艶があるため独特な濃厚さが癖になります。

ODINが全ての音が分離しきっているのに対し、Laylaは音の輪郭の細部が少し交わっています。しかし、逆にそれが音楽的な魅力のようなものを生み出しています。モニター系とリスニング系の違いといえば分かりやすいでしょうか。

というわけで、この曲は互角ということにします。




HR/HM

・NoGoD Arlequin


まずODINですが、この曲では少しハイハットがうるさいです。あと、音が開放的すぎるのか、はたまた音場が広すぎるのか、もしくは低音が不足しているのか。なんだか非常にあっさりとしているというか、あっさりしすぎているというか、いい音なのですが面白みがあまりありません。

次にLaylaですが、こちらは非常に迫力があります。また、ODINではカラッカラに干からびたように感じたヴォーカルにも生気が宿ったような印象を受けました。

もちろん解像度と分離感は例のごとく劣っています。しかし、この曲を聴くのなら私はODINではなくLaylaを選択すると思います。

というわけでこの曲はLaylaの勝ちということになりました。



・聖飢魔II EL.DORADO


やはり、ODINのヴォーカルのクリアさと音の透明感は流石の一言に尽きます。またベースなどの聞き取り辛い音も輪郭が一切ぶれることなく、全てをデータ通りに再現している、そんな感じがしますね。

次にLaylaですが、こちらはやはり流石JH。ヘヴィメタルがなんたるかを理解させてくれる、重厚かつ、どこか色気のある滑らかでリッチなサウンドです。

ヴォーカルの解像度は劣りますが、それが逆にエコーのような残響成分として聞き取れることで、より音にハーモニーが生まれています。

特に違いが明確なのがギターソロの色気。この曲は泣きのギターソロなのですが、その音色をとにかく色っぽく、艶っぽく、そして幻想的に再現しているという印象を受けました。

この曲はLaylaの勝ちですね。




ラウド系

・アルルカン ダメ人間


ODIN程の優等生。ラウド系など合わないと思いきや、これが圧倒的に合うんです。
ラウド系というと音圧が非常に高いことが挙げられますが、その音圧の高さは下手なイヤホンだと音の細部が潰れたり、歪んだりします。ODIN程のイヤホンともなるとそういう事がないので、平均点以上の再生は約束されます。それでいてODINは力強い中低域も持ち合わせていますから、ラウド系が合わないはずがないのですよ。

ではお次はLaylaです。こちらも、Laylaの真骨頂と言わんばかりの濃厚さと鮮烈なアタック感で迫力ならODINにまるで劣らないどころか勝利しています。

ヴォーカルの解像度もこの曲ではそこまで気にならず、なんならむしろODINより生っぽい印象すらあります。

ただ音の分離感ではやはりODINには叶わないのかなという印象。特に中音域の雑多な感覚がどうしてもODINの後に聴くと気になりました。

しかし全体的な迫力やライブ感に関しては勝るとも劣らないクオリティ。これは互角と言って差し支えないでしょう。


・NOCTURNAL BLOODLUST Bury me


やはり、ODINは素晴らしい。デスボイスの音の粒のひとつひとつすら全て正確にロックオンして、聞こえない音がひとつもありません。

とにかく音の抜けが良いのに、音にはパワーがあり、アタック感は痛いくらいにソリッド。やはりどんな曲でも平均点以上を叩き出してきます。流石はハイエンドイヤホンの頂点のひとつと言ったところ。

ではお次はLaylaです。こちらは音が明らかに暗くなります。というか、この曲を聴く限り下位互換にしか思えないので驚きました。痛いくらいのアタック感、音の濃厚さ。特徴が似ているのです。音自体は全然似ていないのに、です。

この曲はODINの圧勝と言ってしまっていいでしょう。なんと言ってもLaylaの個性すら潰されてしまったんですからね。



オーケストラ

・葉月 Phoenix


まずはODINですが、この曲では明らかに低音が不足していますね。
アコースティック楽器特有の空間を伝うような超低音。あれを感じることができません。

ヴォーカルは圧倒的にクリアですし、音の抜けは驚くくらいいいです。しかし、あの独特の低域が大好物の私からするともう少し低音が出て欲しいというのが本音ですね。

ただ、音の分離感、定位感はやはり素晴らしいです。

では次はLaylaですが、これは正直なところ聞いた瞬間に勝負ありですね。Laylaの圧勝です。
まず出だしのヴァイオリンの音色からして色気が違います。

ヴォーカルの解像度は劣りますが、この曲はオーケストラなので広いコンサートホールのホールトーンみたいでこちらも上手く誤魔化されています。

そしてとにかく低域の層が厚い。それも下品な低音ではなく上品な低音です。

この曲に関してはLaylaの勝ちとしか感じませんでしたね。


・こいかぜ


この曲では、ODINは低音の不足は全く感じません。空間が震えるような重厚な低音域を非常に強く感じられます。

そして、ヴォーカルの透明感が異次元です。息遣いが聞こえる、そんなレベルではなく、呼気の量で声帯が僅かに震える音すら聞き取れます。そしてラストのクワイアの音場と分離感。ここまでの音質を味わったのは初めてです。これは確かにODINを聴いて感動したという人の気持ちも分かりますね。

さて、聞く前からもはや勝ち目のなさそうなLaylaですが、聞いてみると以外にもそこまで悪くありません。元からオーケストラが得意分野ということもあって、圧倒的な音質を見せつけてきたODINに食らいついています。

しかし、やはりあそこまでの音質を聞かせられたあとだと、ODINの勝ちは揺るぎません。Laylaもとんでもなくいい音だと言うのは間違いないのですが、それを差し置いてもODINが圧倒的すぎる。

この曲は紛うことなきODINの圧勝です。




アニソン

GOIN'!!!


そろそろこの比較も終わりですが、ODINは最後の最後まで基礎性能の高さが目立ちますね。解像度、それも特にヴォーカルに関してはここまでのレベルにあるイヤホンは特化型でもほぼ無いと思います。

それに対してLaylaはヴォーカルの艶感で勝負するタイプ。解像度はODINと比較すると劣りますが、色っぽさがあるのはLaylaです。

しかし、ODINの圧倒的な解像度と分離感を聞いてしまったあとだと、この艶感すらも籠りに聞こえるという恐ろしさ。

というわけでこの曲もODINの勝利ですね。




ゼリーフィッシュ


ODINですが、やはり解像度が圧倒的すぎます。特にアニソンみたいな音数の多い曲だと情報量が多すぎてちょっと脳の処理が追いつきません。
とにかく音の数が多く細すぎるので、ちょっと待って待ってとなってしまいます。

対するLayla。なんと言うのでしょう。解像度は明らかに劣っているのですが、ヴォーカルの艶感と独特な濃厚さも相まって、ODINより聞きやすく感じます。ODINは高解像度すぎて高音域の音圧が高いアニソンには合わないのかもしれません。

というわけでこの曲はLaylaの勝ちですね。






勝敗や如何に



というわけで、数々の曲で勝負してきましたが、結果が

ODIN 5勝
Layla 4勝

で、今回はODINの勝利ということになりました。

それに今回はLaylaが勝っている曲も沢山ありますが、もし細分化して点数をつけるのだとしたら、その中ですらほとんどの曲ではODINの勝ちだと思います。基礎スペックが違いすぎて、点数制にしてしまえばどうしてもODINに負けてしまいます。
変化がなさげに見えるイヤホンですが、色々時代の流れで進化しているようですね。

が、しかし。LaylaにはLaylaの魅力があることも事実です。実際、ODINよりLayla向きの曲はまだまだ沢山あります。

また、今回は比較という形を取ったため、高解像度なODINがよりよく聞こえたという事もあります。ウォーム系のイヤホンとクール系のイヤホンだとどうしても後者がよく聞こえてしまいがちですからね。

ただ、やはり基礎スペックの差に関しては何とも言えない形になりました。

というわけで、古いイヤホンは「基礎性能は劣るけど、その分個性でカバーする」という戦い方になるでしょう。

というわけで今回はここまでとなります。

それでは、以上です。

ブログパーツ
関連記事

スポンサーリンク