Amazonの超安いUSB DACやポタアンはおすすめできる?Signstek Audio FX-AUDIO PH-01J 中華ヘッドホンアンプのレビュー【2021】
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本日は、Amazonにて売っている超激安の中華バスパワー駆動USB-DACと、FX-AUDIO- PH-01Jというポータブルアンプをレビューしたいと思います。
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価格:2650円
(価格は2021年12月30日 午前0時00分の情報です)
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価格:4580円
(価格は2021年12月30日 午前0時00分の情報です)
それではどうぞ。
Signstek Audio USB-DACの外観など

外観はこんな感じです。付属品はUSB A-Bケーブルのみで、ダンボール箱にプチプチに包まれて入っていました。

大きさはは100*66*27mmと割と大きめ。nano idsd BLくらいあります。
本体表面の印字はレーザー刻印だそうです。
スペックは
電圧: 5V
歪み: THD+N: 0.006% (RL > 10 kΩ¸)
歪み: THD+N: 0.025% (RL =32kΩ¸)
SNR: 98 dB
出力パワー: 12 mv (RL = 32Ω ¸)
サンプリングレート: 16Bit 32k, 44.1k, 48k
となっています。
DACチップはワンチップのBurrBrown PCM2704が搭載されています。サンプリングレートは32kHz、44.1kHz、48kHzまでで、残念ながらハイレゾ対応ではありません。
音声データの入力は電源供給を兼ねた付属のUSBケーブルで行います。
この製品はバスパワー駆動なので、スマートフォンでもOTGケーブルを使用することでなんの問題もなく駆動します。ただしスマートフォン自体がOTGに対応している必要があるので、その点は注意してください。
(とは言っても最近のまともなスマホでOTG非対応なんてなかなかないですが)
付属のケーブルですが、持ち運ぶ際にはもう少し短いケーブルの方が普通のポタアン感覚で使えそうです。とは言っても本体は大きいですし、あくまでもOTGで繋いでる訳ですから、普通のイヤホンジャック変換アダプタのようにプラプラと吊り下げながら使うのは無理だと思いますが。
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ちょうど良さそうな製品を見つけました。
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OTGケーブルってのはこんなのです。ちなみにこれは私も使ってます。
あとはUSBバスパワー駆動なので、使えば自ずとスマートフォンのバッテリー消費は大きくなります。この点は普通のUSB-DACも変わりませんが、この手の製品を使う際はそういうものだと理解して使う必要があります。


出力は光デジタル(SPDIF)、コアキシャル、アナログRCA、3.5mmイヤホンジャックです。普通のUSB-DACとして使う場合はイヤホンジャックにイヤホンを接続します。標準ヘッドホンプラグやバランスプラグは刺さらないので、それらを使用する場合は変換プラグが必要です。
保証期間は一年間です。
スマホ・パソコンとの接続方法
接続はとても簡単です。パソコンのオーディオ機器というとドライバのインストールが必要な印象がありますが、Windows 10やAndroid5.0以降はUSB Audio Class 2.0に対応しているので実際はドライバのインストールが必要な機器は私は遭遇したことがありません。
この製品も例に漏れず、パソコンやスマートフォンに接続するだけで使えます。
ちなみにこの手の製品には珍しく、Amazonの商品説明にもOTG機能ありの携帯に対応と書いてありました。
FX-AUDIO PH-01J

FX-AUDIO PH-01Jです。こちらは52mm(W)×94mm(D)×13mm(H)とかなり小型で薄いため、一昔前のスマートフォンやカードケースなどを彷彿とさせます。
スペックは対応インピーダンスが16~300Ω、連続稼働時間が6~8時間。High/Lowのゲイン切り替えがあり、ヘッドホンアンプ部にはTexas Instruments製 NE5532オペアンプを左右各チャンネルに配置しているとの事です。

ボリュームノブは電源を兼ねています。これはmicro idsd BLと同じ仕様ですね。しかし、少し小さくて掴みづらいのが難点です。

背面にはゲイン切替スイッチと充電用のUSBポートがあります。
音質。ホワイトノイズがどちらも結構ある
それでは、音質のレビューに入っていきます。
今回は比較として、ESS 9218P搭載のLG G8Xというスマホと、Snapdragon855搭載の普通のスマートフォンと比較していきたいと思います。
G8Xはスマホながら1~2万円のDAP並の音質があることで昔からマニアに話題でした。残念ながらもうスマホ業界からは撤退してしまいましたが、果たしてこのG8Xとどのような戦いを繰り広げるのか非常に楽しみですね。
イヤホンやヘッドホンはCampfire Audio ANDROMEDA 2020、EMPIRE EARS ODIN、あとは鳴らしにくい枠でJH Audio LaylaやFOSTEX T60RPなどを使用しました。
それではまずはSignstek AudioのUSB-DACから聞いていきます。
・アルルカン ジレンマ
まずは超高感度で有名なANDROMEDA 2020を繋いでみましたが、予想通り大きなホワイトノイズが鳴っています。困ったのは、音量を最大にしても最小にしてもホワイトノイズが鳴り続ける所です。これは高感度なイヤホンには向かなさそうです。
音量はかなり大きいです。ANDROMEDA 2020だとスマホの音量が2~3で充分でした。
音質に関してですが、これは正直なところダメですね。
スマートフォンと比較すると、スマートフォンの方が音の密度が濃く、スマホの方が音はいいと思います。Signstek AudioはSENNHEISERのサウンドを更に軽くしたような不自然な音で、正直なところ全くいい音とは思えません。
イヤホンの相性問題もあるかもしれないので、イヤホンをODINに変えてみました。ホワイトノイズはANDROMEDA 2020より少なくなりましたが、まだまだ気になるレベルです。
音質に関してですが、やはり非常に薄っぺらいシャリシャリしたサウンドです。正直なところ聞くに耐えません。
というわけで次はLaylaです。こちらは鳴らし辛いイヤホンなので、少しはいいところを見せてくれるといいのですが……ホワイトノイズはかなり気にならないレベルにまで落ちました。
肝心の音質ですが、これはなんとも言い難いです。スマホと同等かそれ以下、という感じでしょうか。うーん、そもそもイヤホンと相性が悪いのかもしれないですね。
というわけで、T60RPを鳴らしてみることに。しかし、やはりこれでもなんというか非常に薄っぺらい音場表現がかなり気になります。あとは低音のアタックがソリッド過ぎてもはや痛い。これもスマホの方が全然いい音です。
一応RCA出力からアナログポタアンに音声を送ればそこそこの音は出ますが、それでもアナログポタアン直挿しの方がいい音です。なんというか高音がやたらとくぐもっているんですよね。高音が刺さるイヤホンには会うかも?うーん、正直なところオーディオ用途には使えませんね。

では次はFX-AUDIOのPH-01Jです。こちらはいい音を鳴らしてくれるといいのですが……
因みにですが、PH-01Jは使うAUXケーブルによって音が出なかったりします。具体的には私の環境では4極プラグのAUXケーブルでは音が一切出ませんでした。これは商品ページにも書いてありました。しかしまさか音が出ないとは……正直なところかなり焦りましたね。
・アルルカン ジレンマ
まず、こちらもホワイトノイズは結構あります。まずODINで聞いてみたところ、結構気になるレベルのノイズが出ていました。音楽を流せば気になりませんが、やはり安価なポタアンなだけあって一癖ある商品です。
ただ、音質は確かに良いです。具体的にはスマホと比較して音に厚みがあり、迫力とメリハリをより感じます。私が普段聞いているハイエンドヘッドホンアンプと比べると奥行やスケール感などは当然劣りますが、十分に聴ける音です。
スマホはPH-01Jと比較すると高音が歪みっぽくジャリジャリとしており、またPH-01Jと比較すると低域の沈み込みが浅いです。
ではG8Xと比較するとどうかと言うと、これはG8Xの勝ちだと感じます。具体的にはG8Xの方が高音まで満遍なく鳴らせており、尚且つ音に分離感があります。ただ、PH-01Jも値段の割にはかなり検討しているのも事実です。音に艶があるのはPH-01Jの方なので、好みが別れそうです。実際、私もPH-01Jの方が好きでした。
・己龍 鵺
やはり、スマホと比較して音にパワーがある印象を受けます。スマートフォンの方が高音は出ているのですが、その高域が歪みっぽく耳に刺さるのに対してPH-01Jの高域は柔らかく刺さることがありません。スマートフォンはやはりどうしても音が固く軽いです。SN比はスマホの方がかなり優秀なんですけどね。
ではG8Xと比較するとどうかと言うと、これは私はPH-01Jの方が好みでした。G8Xは高音が出過ぎており、正直なところ耳に刺さります。
PH-01Jはアナログアンプなので、ソリッドで現代的な音は出ませんが、非常に柔らかく重厚な音を出してくれます。少し暗いとも言えますが、私は普段真空管プリアンプを使ってるくらいなので、この手の音は結構好きです。なのでこの曲ではG8XよりもPH-01Jの方が高音質だと感じました。
・ラブレター
PH-01Jですが、値段の割にはかなり検討していると思います。やはりスマホと比較するとどう考えてもPH-01Jの方が音に厚みと艶があり、高音質に感じます。
比較に使っているのがODINというハイエンドイヤホンなのでそれもあると思いますが、スマホは高域が非常に歪みっぽく正直なところ耳が痛くなります。それと比較すると、PH-01Jはおよそ何百倍もの値段のイヤホン相手にそこそこ通用しています。歪みっぽさが全くないとは言いませんが、スマホと比較すればかなり小さいです。音圧が高い場所以外ではシャリシャリ感はほとんど気になりません。
ではG8Xと比較するとどうかと言うと、これはG8Xの圧勝でしょう。G8XはPH-01Jのように高音域を丸め込むことで刺激を抑えるのではなく、ちゃんと歪みっぽくないサウンドを鳴らしてくれています。
ただ、正直なところ私は高音に少し過敏なところがあるようなので、どちらかと言うとPH-01Jの方が好みです。G8XはESSのDACチップを載せただけであとはただのスマホですが、PH-01Jはアナログ回路をちゃんとオーディオ用に作りこんでいます。そういうところが私好みの音になっている理由なんだと感じますね。
T60RPを鳴らすと分かるのですが、このポタアンは高音を穏やかに丸めこむアナログライクな音が特徴のようです。micro idsd BLやG8Xと比較して高域が穏やかで、低域がパワフルに沈みこみます。普段真空管を通して聞いているT60RPの音に近しくなり驚きました。
Amazonの激安中華真空管プリアンプ「FX-AUDIO-TUBE-01J」をレビュー。ヘッドホンに温かみのある音質を【NFJオリジナルモデル シルバー】
結構前からこれまでの高い有名メーカー製のアンプと比較して、中国メーカーの安価なデジタルアンプや真空管アンプの音がいいと盛り上がってるらしいです。わかりやすく説明すると、ポタオデ界隈における中華イヤホンみたいな感じでしょうか。というわけで、私も少し気になったので中国製の真空管プリアンプ、FX-AUDIO- TUBE-01Jを購入してみました。リンク日本メーカーの中国製中華オーディオ機器ブランド FX-AUDIO今回購入したFX-...
あと、PH-01Jはどちらかと言うとヘッドホン向けのポータブルアンプなんだと思います。スマホの音量MAX+ボリュームMAXでやっとFOSTEX T60RPを少しうるさく鳴らせる程度のパワーしかありませんが、ヘッドホンだとホワイトノイズが全く気になりませんでした。
あとはFinal E3000みたいなイヤホンでもものによってはノイズが出ないっぽいです。KBEAR KS1では僅かにノイズが出てたので、その辺は製品によるんでしょうね。
あとがき
というわけで、Signstek AudioのUSB-DACと、FX-AUDIO PH-01Jレビューでした。
使い物にならないレベルの音質のSignstek Audioはともかく、FX-AUDIO PH-01Jは私は非常に高評価です。
最近はもっとコンパクトで小さいUSB-DACが沢山あるので正直なところ利便性では劣ります。しかし、この値段でこの音質、このパワー、そしてアナログボリューム搭載ということで、なかなか悪くない製品なのではないでしょうか。ホワイトノイズさえ許容できるなら充分ありな製品です。
というわけで、本日はここまでとなります。
それでは、以上です。
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価格:2650円
(価格は2021年12月30日 午前0時00分の情報です)
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価格:4580円
(価格は2021年12月30日 午前0時00分の情報です)
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