Final E3000は本当にコスパがいいのか?中華イヤホンと音質を比較レビュー

♨の人

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どうも、温泉の人です。

本日は、高コスパと話題のイヤホン、Final E3000は本当に高コスパなのか?という観点でレビューしていきたいと思います。



それではどうぞ。





外観、付属品など



イヤホン本体はこんな感じです。
E500の時も思いましたが、FinalのEシリーズはイヤホンにしては異様に小さいですね。6.4mmという非常に小口径のダイナミックドライバーを搭載することでこのサイズを実現出来ています。


ノズルは短めです。


耳垢がハウジング内に入らないように耳垢ガードが付いています。


背面はメッシュになっています。オーディオ的に言うならベントでしょうか。


付属品はイヤーピース、イヤーフック、ポーチです。ポーチは革のような素材でできています。

イヤーフックはShure掛けするためのパーツですね。FinalのEシリーズはタッチノイズがそれなりにあるので、外で使う場合は重宝しそうです。

スペックはインピーダンスが16Ω、音圧感度が100dB、重量が14g、ケーブル長が1.2mです。再生周波数帯域はFinalなので非公開ですが、ハイレゾマークは付いています。まあどうでもいい話ですが。



プラグはL字です。



Final E3000の音漏れは?


見た目からしてかなり音漏れしそうなFinal E3000ですが、実際音漏れは結構大きいです。

私の普段のリスニング音量では、それなりに音漏れしてるな、という感じ。盛れ方は低音以外の全体域が漏れていて、ギリギリなんの曲を聞いているかわかるレベルです。

これは私のリスニング音量が大きめなのもあると思いますが、どうやらハウジング自体の遮音性が高くないみたいで、背面のメッシュとイヤーピースの穴を塞いでもハウジング全体から音が漏れています。

KBEAR Larkの音漏れが3だとしたら、FinalのE3000は4~5くらいでしょうか。

電車の中など騒音の激しい場所で使うには少し遮音性が低めかな、なんて思いました。





音質。一聴しただけではただの普通のイヤホンに思えるが……?



それでは音質のレビューに入っていきます。

アンプはmicro idsd BLを使用しました。


・アルルカン ジレンマ

まず、このイヤホンの音を聞いて思うのは、かなり地味な音だな、ということです。

これは例えばShureのSE215SPEなんかにも当てはまりますが、一聴して解像度がすごいとか、高音が綺麗とか、重低音がすごいとかそういう感想が出てこない、非常に掴みどころのない「普通のイヤホン」という感じです。

高音域はあまり強く出てはおらず、量感は控えめ。耳に刺さるようなことは万に一つも無いと思います。

中音域はそれなりに出ています。ヴォーカルは少し遠めに定位するので、もう少し近さが欲しいかなと言ったところ。ただギターの音色は際立って高解像度だと感じました。

低音域は非常に強く出ていますが、主な割合を閉めるのはミッドベースで、重低音らしい重低音はあまり出ていないと思います。

このイヤホンの特徴というか凄いなと思ったところは、どれだけ音量を上げても耳が全く痛くならないというところです。耳への刺激的な成分を全て排除したような優しいサウンドで、いつまで聞いていても聞き疲れしないだろうな、と思うようなそんなサウンド。このようなイヤホンは今まであまり聞いたことがありません。

ひとつ気になったのは、能率が異様に悪いというところ。まるでヘッドホンか?と思うくらいの能率の悪さで、ボリュームをグイグイ上げないと美味しいところが出てきません。値段的にはライトユーザー向けのイヤホンなのですが、鳴らし切るためには高出力なアンプがいるという変なバランス。一筋縄では行かなそうなイヤホンですね。

ただノイズへの耐性はさすがダイナミックドライバー。多ドライヤホンだとホワイトノイズの目出つFX-AUDIO PH-01Jでも待機時のホワイトノイズは全く聞こえませんでした。


ちなみにダイナミックドライバーらしくスマホ直挿しでも全体的な音のバランスは余り変わらないのですが、スマホの方が少し高音がよく出ます。ただ、私はアンプを通した際のマイルドな音の方が好きでした。




・己龍 天照

やはり、特筆して語ることが思い浮かばない、非常に普通なイヤホンです。

先程上で語ったように高音域の量感はそこまで多くありません。この曲では上の曲よりは高音が出ていますが、それでもそこまで多い方では無いと思います。

中音域は相変わらずヴォーカルが少し遠め。KBEAR Larkとかの中華イヤホンと比べると見通しがあまり良くない印象を受けます。LarkはLarkで高出力だと高音が暴れるのであまり好きな音ではありませんが、E3000と比較すると非常にクリアに聞こえます。


かなり暖色系だと思ったBlon BL-MAXですらFinalのE3000と比較すると寒色系に思えます。どうやらFinalのE3000は超暖色系、言うなら超絶ウォームなサウンドが特徴のイヤホンのようですね。


このイヤホンを聞いていると、他のイヤホンがなんだかシャリシャリと耳につくように聞こえてくるのだから不思議です。例えば私が沢山所有している中華イヤホンなんかはやたらと音の線がカリカリしていて、E3000と比較すると耳が痛くて音量を下げたくなってきます。

これがFinalの言うスローリスニングというやつなのでしょうか。一見すると地味な音ですが、長時間使用しているとだんだん良さがわかってくる。FinalのE3000はそんなイヤホンに感じます。




・バベル

私の所有するイヤホンだとどうしてもイントロの音圧の高い部分が少し耳に痛いこの曲でも、E3000は全く痛さを感じません。やはり、超絶ウォームなイヤホンだと思います。

音の解像度や分離感などはそこまで高くありません。なんなら中華イヤホンなどと比較するとかなり低い部類だと感じます。しかし、とにかく音が柔らかく、耳への嫌な刺激が一切ないのです。

特に評価する部分は相変わらず感じません。解像度は高くないし、分離感も高くないし、低音は締まってないし、高音が綺麗な訳でもない。ただ、ずっと耳に着けていても一切嫌な刺激感がない穏やかで優しい音のイヤホン。そんな感じです。

最近の流行りはどちらかと言うと寒色系で、もっとギラギラとしたチューニングの方が受けるようですが、そういったイヤホンは確かに一聴すると高音質に思えるもののずっと使用してると高音が耳についたり、飽きてきたりするものです。このE3000はそのような事が無いイヤホンだと感じました。

低音域自体は不足していないので、迫力不足などはありません。そのため、いつまで聞いていてもまるで不快感を感じない、そんなイヤホンです。



・Ashmaze INNOCENCE

ここまでさんざんレビューしておいて、このイヤホンがライトユーザー向けである理由がやっとわかりました。例えば、非オーディオマニアというのは特に音源の質などは気にせず音楽を聴いているはずです。

例えばYouTubeなんかは最高でもビットレートは192kbpsですし、音楽配信サービスなんかも初期設定だと128kbpsとかそういう低音質な音源がざらです。その手の音源は高域に嫌な歪みがあるので、高解像度すぎるイヤホンだとその部分が耳について聞いていられません。

しかし、このE3000はそのような音源だろうと全く耳に刺さらず、不快な音を一切出さないでしょう。

それでいて低音域はかなりしっかりと出ているので迫力不足もありません。基礎性能自体はそれなりにあるイヤホンですから、特にこだわりのない人からすると確かに非常にいいイヤホンに聴こえるのだと思います。

それではオーディオマニアのような人からすると大したことの無いイヤホンなのか、というと、そうではありません。

先程も上で書いたように、このイヤホンには耳が痛くなるような嫌な成分や、カナル型イヤホン特有の嫌な閉塞感だったりが全く無いのです。なので、どれだけ長時間音楽を聴いていても全く外したくなりません。

実際、私も今レビューしながら音楽を聴いていますが、未だに不快感は全くなく、むしろこのイヤホンのことが好きになってきています。

私は普段LaylaやODIN、ANDROMEDA 2020などで音楽を聴いているのですが、それらのイヤホンはしばらく聞いていると音に飽きてきます。たしかに音質はべらぼうに良いのですが、使っているうちにすぐ満足して終わり、という感じです。

しかし、このイヤホンはいつまでも聞いていたくなるような、不思議な魅力があります。実際レビューを初めて1時間近く経過していますが、まだまだもっとこのイヤホンで音楽を聴いていたい、と思わせてくれます。





あとがき


あとがきです。FinalのE3000というと初心者におすすめの高コスパイヤホン、なんてことがよく言われていますが、私はむしろオーディオマニアにおすすめのイヤホンだなと思いました。

装着感、音ともにとにかくストレスとなる成分が少なく、いつまでも聞いていられる優しい音です。このような音は同価格帯の中華イヤホンだったり、ハイエンドイヤホンには決してないものです。真面目なリスニング用途と言うよりは、BGM的に音楽を長時間聞く際に使うのがおすすめかな、なんて思います。

実際このレビュー記事を書く際、ずっと耳に装着してずっと音楽を聴き続けています。途中休憩を挟んだりしてもう2時間程度でしょうか。それでもまだまだ全然ストレスは無いです。

普段の真面目なリスニング用のイヤホンは既に持っているけど、気楽に長時間聞く際に使うリスニング用のイヤホンが欲しい、なんて人はぜひこのE3000をお買い求めください。

一聴して「なんだこの篭った音のイヤホンは」と投げ捨ててしまうのはあまりにも勿体ない名機だと思います。

それでは、以上です。



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