EK JAPAN TU-HP01 真空管ポータブルアンプのレビュー

♨の人

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どうも、温泉の人(@otkZLQ2xGa4Fcqb)です。

今回は、EK JAPANの真空管ポータブルアンプ、TU-HP01をレビューしたいと思います。

それではどうぞ。



商品外観、スペックなど



外観はこんな感じです。梨地のアルミニウム製で、そこまで重くはありません。本体重量は電池含まず125gなので、手に取った時はあまりの軽さに驚きました。

フロントパネルには3.5mm input、3.5mm output、ゲイン調整スイッチ、ボリュームノブがあります。ボリュームノブは電源と共有です。


電源を入れると緑色のランプが光ります。ちなみにこのランプは電池残量を示していて、赤色になると電池残量が低下しているというサインだそうです。


リアパネルを外すと電池ボックスにアクセスできます。電池は単四電池4本で、約10時間駆動とのことです。アルカリ乾電池の他にニッケル水素電池でも駆動できます。

対応インピーダンスは16Ω~32Ω推奨とのことで、そこまで高いパワーはありません。イヤホン~ポータブルヘッドホン用のアンプという感じです。

再生周波数帯域は10Hz~65kHzと真空管ながら謎にハイスペックなハイレゾ対応になっています。

使用真空管は6418(Raytheon)が2本。これはサブミニチュア管と呼ばれるもので、消費電力や発熱の少ないMADE IN USAの真空管です。



オペアンプ交換可能なハイブリッドポタアン


このポタアンは真空管とオペアンプのハイブリッドポタアンなのですが、オペアンプにはJRC MUSES8820が標準で搭載されています。

そしてこのポータブルアンプの特徴の一つとして、オペアンプが交換出来るというものがあります。OPA2604というバーブラウン製のオペアンプが標準で付属しており、その他にも色んなオペアンプと交換して音色の変化を楽しむことができます。

オペアンプの交換は全面のフロントパネルを付属の六角レンチで外すことで可能です。

交換可能なオペアンプには

・LME49720
・MUSES8920
・MUSES02
・MUSES4580
・MUSES4560
・MUSES3414

などがあります。ちなみにMUSES01は電圧の関係上使用できません。



本体価格は税抜19000円とポータブルアンプとしてはかなり安い部類に入ります。因みに結構最近販売された同じく真空管ポタアンのKORG Nu:tekt HA-Sと同じくらいの価格帯です。


ちなみに私が今更この真空管ポタアンを購入した理由ですが、私は普段はFX-AUDIO TUBE-01Jという真空管プリアンプを使用しています。しかし、その真空管の音色をポータブルでも手軽に楽しめたら、という気持ちで購入しました。


あとはmicro idsd BLくんの調子が悪いというのもありますが……


ちなみに最近だとNutube搭載のポータブルヘッドホンアンプ、Cayin C9がありますが、そちらは24万円とおいそれと手が出せる代物ではありません。他にもアリエクスプレスなどで買える真空管ポタアンはいくつかありますが、流石に私はアリエクでポタアンを買うようなレベルでは無いのでこちらを選びました。





ホワイトノイズ、マイクロフォニックノイズに関して


ホワイトノイズに関してですが、これは確かに多いですが想像より少なめでした。無音時にはサーっというホワイトノイズと、高周波のノイズが聞こえます。ですがEMPIRE EARS ODINのような高感度、低インピーダンスの多ドラIEMでも、曲を流せば全く気にならないレベルです。同じく多ドラのLaylaでも曲を流せば全く気になりません。
ただし曲間の無音時や静かな場面ではさすがに少し気になります。

ちなみに高感度でお馴染みCampfire Audio ANDROMEDA 2020ではホワイトノイズが目立ちすぎて使えないな、という感じです。ANDROMEDAほど高感度なイヤホンというのも珍しいですが……何故こんなにもANDROMEDAは高感度なのかいつも不思議に思います。

ダイナミックドライバーで能率の悪いFinal E3000ではホワイトノイズはほとんど聞こえません。耳を澄ませば僅かに聞こえるかな、くらいです。FOSTEX T60RPのようなヘッドホンだとホワイトノイズは皆無、という感じです。ダイナミックドライバーのイヤホンと相性が良さそうですね。

マイクロフォニックノイズに関しては高感度なIEMで無音時に筐体を爪でコツコツと叩くと僅かに聞こえるかな、という感じです。あとはプラグを挿した瞬間は大きなキーンという大きなノイズが何秒か鳴ります。

ちなみにゲインスイッチを切り替たり音量を上げ下げしてもホワイトノイズの量は変わりませんでした。






音質。ちゃんと真空管らしさを持ったサウンド


今回の音質評価には、真空管アンプと個人的に相性がいいと思っているEMPIRE EARS ODINを使用しました。

ちなみに接続はmicro idsd BLのLINE出力からこのTU-HP01に接続しています。

・Lynch. ULTIMA


まずODINで聞いてみたこのポータブルアンプの音質についてですが、これは確かに真空管っぽさを感じられる音質です。
具体的には高音域が少し丸まり、耳あたりの柔らかい音色になります。

micro idsd BL単体と比較すると、micro idsd BLはアタック感がよりソリッドで、音により奥行きがあります。流石に値段が何倍も違うので単純な音質という面では叶うはずもありません。

ただ、こちらを繋ぐことでmicro idsd BLの音色に真空管らしさ、というものを載せられている感じがします。

ヘッドホンのFOSTEX T60RPではノイズに悩まされることがないですが、TUBE-01Jを使用したシステム(HP-A4BL→TUBE-01J→micro idsd BL)と比較すると音がシャキシャキとしている感じます。

micro idsd BL直と比較すると確かに暖色傾向になるのですが、高音域に少し刺さりを感じます。このような低能率で、しかも鳴らしにくい平面駆動方ヘッドホンにはパワーが不足しているのかな、なんて思いました。



・NoGoD Arlequin

やはり、単純な音質という面で見ればmicro idsd BL単体には敵わないでしょう。ただ、真空管特有のまろやかな音色が好きというならこのアンプを通す価値は十分にあると思います。

音のクリア感、静寂感やコントロールの効いた感じはmicro idsd BLの圧勝です。しかし、アタックや音の質感が柔らかいのはTU-HP01です。なので、長時間深みのある音に浸りたい時はTU-HP01のような音を聞きたくなります。

ちなみに当然ですがこのアンプは上流の音色にも左右されるようで、スマホからAUXケーブルで繋いだ時は随分と音色の違う、奥行のない乾いたドンシャリサウンドになります。micro idsd BLのライン出力ではmicro idsd BLに近しい音なので、上流にある程度高価なDACアンプを使用する方が音質的には有意義だと感じました。



・Lunatic show


micro idsd BL単体の方がやはり音の透明感、分離感などは高いです。ただ、TU-HP01を通した音は独特の広がりや厚みのようなものを感じられるため、やはり私は真空管のサウンドが好みなようです。

具体的にはこの曲ではヴォーカルが一歩引いたような表現になり、また音像自体も少し膨らみます。普通であればボヤけたと表現するのかもしれませんが、これは真空管アンプですからむしろそれが良さになっています。





あとがき


というわけで、EK JAPANの真空管ポータブルアンプ、TU-HP01のレビューでした。

今では結構レア物に近い立ち位置のポタアンですが、もし手に入るのなら持っておいて損は無いポタアンだと思います。これ一つで真空管からオペアンプの聴き比べまで多種多様な使い方が出来ますし、なにより音質も値段の割にはかなりいい線を行っていると思います。

弱点としましてはやはりホワイトノイズと、電池交換の面倒臭さでしょうか。私は高価なアルカリ乾電池ではなくニッケル水素電池を使用して行くつもりです。

というわけで、今回はここまでとなります。

それでは、以上です。

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