Acoustune アコースチューン SHO-笙の音質レビュー。独自イヤーピースによる超広大な音場とクリアさが特徴のイヤホン
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本日は、Acoustuneのフラッグシップモデル、SHO-笙の音質レビューになります。
それではどうぞ。
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香港のダイナミックドライバーが得意なメーカー、Acoustune
このイヤホンは、香港のイヤホンメーカーであるAcoustuneの新作フラッグシップモデルです。
ドライバーには日本製のベリリウム薄膜加工ドーム採用の最新ミリンクスコンポジットダイナミック型ドライバーが搭載されており、ハウジングにはCNC切削の超々ジュラルミンが採用されています。メカメカしいデザインはこれまでのIEMとはまた違った魅力があり、所有欲を満たしてくれそうです。
またユーザーが音響チャンバー部分を交換出来るAcoustune Capsule Technology(A.C.T)という新技術の搭載や、シルバーコートOFC線と極細OFC線のハイブリッド16芯ケーブル「ARS100」などが特徴です。

このイヤホンには、非常に変わった形のイヤーピースが付いています。装着感はカナル型イヤホンと言うよりはSTAXのイヤースピーカー SRS-002に似ています。密閉感は全くなく、装着時はIEMがこれで大丈夫なのかと心配になるレベルです。普段耳の奥に挿入するIEMに慣れている人ほどこの装着感には違和感を覚えることでしょう。

ノズル部分は普通の太めなIEMという感じなので、他社製のイヤーピースにも変更可能です。
後述しますが、個人的にこのイヤーピースだけ単体で売って欲しいですね。
能率はかなりいいです。ダイナミックドライバーなのでインピーダンスの上下も少ないと予想できるので、鳴らしやすい部類のイヤホンに入るでしょう。
音質。圧倒的な音場の広さと音のクリア感はイヤホンの域を遥かに超えている
それでは音質のレビューに入っていきます。
アンプはmicro idsd BLを使用しました。
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・NOCTURNAL BLOODLUST 銃創
このイヤホンの特徴ですが、とにかく音場が広いです。その広さたるやEMPIRE EARSのODINに匹敵するどころか、開放感なら確実に上のレベルに居ます。
高音域はかなりソリッドで、量感も多いです。音としては鋭めな方にはいるでしょう。マルチBA機などと比較すると、かなり鋭くタイトな高音です。
中音域はクリアで、距離感は程よい感じ。高音域の量感がメインで、中音域はそこまで主張は激しくありません。
低音域はあくまでも控えめです。かなりタイトで、ソリッドなアタック感。音の粒立ちは非常に良好です。
EMPIRE EARS ODINと比較すると、高音域の刺さりの少なさという点では流石にEST搭載のODINには敵いません。また、低音域のアタックや音のパンチもODINの方が上ですね。
音の濃密な波に飲まれたいならODIN、ヘッドホン並みの圧倒的な開放感を得たいならSHO-笙、という感じでしょうか。
ただ、上でも書いたように圧倒的な音の開放感はODINを凌駕しています。この特殊なイヤーピースの影響が大きいのでしょうが、このイヤホンもカナル型イヤホンの域を超えた新たな境地にいます。この音を聞いてしまうと、イヤホンはヘッドホンの下位互換、スピーカーの真似をしたおもちゃ、なんてのが完全な戯言に思えてきますね。
・己龍 春
やはり、圧倒的な音の開放感と音のクリアさは圧倒的です。この開放感とクリアさは64audio U18s、Shure SE846、JH Audio Layla AionなどのマルチBAでは確実に叶わないでしょう。というか、マルチBA機種は全般的にこのクリアさと音場の広さは確実に出せないと思います。それくらいこのイヤホンの音はこれまでの常識から逸脱しています。
高音域はやはりかなりソリッドですが、刺さりまくって聞けないなんてことはありません。シルキーさはありませんが、刺さりはなく高音寄りイヤホンにしては聞きやすい部類だと思います。
中音域はやはり圧倒的にクリア。ヴォーカルのクリアさと分離感に関してはやはりODINを少し超えていると思います。
しかし、一般的な低音域や中音域の濃密さはカナル型イヤホンには敵わないと思います。現にこの曲でも低音域はあまり感じられず、主にアタック感中心という感じです。
ただ、そんなことはどうでも良くなるくらいの音場の広さと音のクリアさは圧倒的です。私はこのイヤホンにこの分野で敵う物をひとつたりとも知りません。ライバルはヘッドホンになってくるでしょう。
・MEJIBRAY (SM #2 Ver.)
MEJIBRAYの「Sliver(SM #2 Ver.)」 をレコチョクでダウンロード。(iPhone/Androidアプリ対応)
やはり、音のクリア感と透明感は圧倒的です。しかし、このようなラウドな曲ではその低音の少なさが少し弱点にも感じられました。
確かにヴォーカルは圧倒的にクリアなのですが、ギターやベースの音色、ドラムのアタックの空気感などがほとんど感じられないので、迫力がほとんどないのです。
ただ、ヴォーカルラインのクリアさが圧倒的すぎて、そんなことはどうでも良くなるような魅力があります。
ODINと比較すると、ODINは流石です。ヴォーカルのクリアさはSHO-笙とほとんど遜色なく、それでいて分離感が圧倒的に高いのでギターなどのその他の中音域がヴォーカルラインを邪魔することがありません。またヴォーカルも幾分かSHO-笙より近いです。
またODINは低音域がしっかりと出ており、バンドサウンドを圧倒的に楽しむことができます。このような曲を聞くのならODINの方が向いているかな、と感じましたね。
SHO-笙もイヤーピースを普通のものに変更すれば幾分か低音は増すと思いますが、正直なところこのイヤホンの音場の広さやクリアさはこの特殊なイヤーピースによるものが大きいと思うので、変更してしまうと普通のカナル型イヤホンに近しい音になってしまうと思われます。それを良しと取るかどうかはその人によりますが、私はこのイヤホンの圧倒的な音場の広さに惚れ込んだためイヤーピースを交換する気は起きませんでした。
・Lunatic show
やはり、かなりの高音寄りイヤホンですね。高音域は刺さることは無いものの一聴して量感の多さに圧倒されます。
そしてやはりヴォーカル帯域は圧倒的にクリア。ヴォーカルライン自体がクリアということもありますが、その他に中音域や低音域の量感がかなり絞られていて、それがブライトな印象を与えるのだと思います。
低音域はやはりアタック感と粒立ち重視という感じで、そこまで出ていません。
ODINと比較すると、やはり開放感ではSHO-笙が飛び抜けています。音場の広さはODINも検討しているのですが、やはり物理的な問題でSHO-笙が上ですね。このクラスになってくるともはやイヤホンで太刀打ちできるものは存在しないでしょう。
ただ、低音域や中音域の量感、そして分離感はODINが上だと思います。
あとがき
総評として、このイヤホンはEMPIRE EARS ODINと同じく、イヤホンの域を超えた新たな境地に居るイヤホンだと思います。
また、コストパフォーマンスの高さも他者を寄せつけません。これほどまでのクオリティの音で20万という値段は非常に驚きました。他社製品であれば30万や40万を超えても全くおかしくないレベルで他製品から逸脱した音です。
個人的な好みではもう少し低音が聞いている方が好きですが、このイヤホンは現段階で最強のイヤホンのひとつだと個人的に思いました。とにかくクリアかつ音場の広い音色が好きという人には文句なしでおすすめ出来る機種です。
というわけで、本日はここまでとなります。
それでは、以上です。
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