XELENTO REMOTE用イヤーピースはAcoustune SHO-笙- AEX50の代用品になるか否か?

♨の人

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どうも、温泉の人(@otkZLQ2xGa4Fcqb)です。

本日は、beyerdynamic XELENTO REMOTEというイヤホンの純正イヤーピースを購入したのでレビューしていきたいと思います。

それではどうぞ。







パッケージ、外観など



パッケージはとても簡素な感じです。周辺機器と言うよりは修理パーツという扱いなのでしょう。ジップロックに適当にシールを張りつけたものが届きました。


装着してみるとこんな感じ。不思議な形ですが、写真では伝わりにくいかもしれません。

ちなみに今回はMサイズを購入しました。





なぜこのイヤーピースを選んだのか


フィット感が軽くて外れやすいと言われているXELENTO REMOTEのイヤーピース。私も確か視聴した時はイヤーピースがなんかうまくハマらないな?なんて印象を受けました。しかし、今回はそこをあえて狙って購入しています。

私が現状最強候補のひとつと思っているイヤホンに、AcoustuneのSHO-笙-というイヤホンがあります。


このイヤホンの圧倒的な音抜けの良さ、音場の広さはもはやカナル型イヤホンの域を抜けており、これまでのカナル型イヤホンが全て旧世代に思えるような、そんな扱いをしてもいいくらいの代物でした。

そんなSHO-笙-ですが、ここまでのクオリティの音にチューニングしたAcoustuneの手腕も称えるべきですが、私が思うにSHO-笙-を現状唯一無二のイヤホンとたらしめているのはイヤホン本体ではなく専用のイヤーピース、AEX50だと思っています。

このイヤーピースはそれまでのイヤーピースとは違い、フィットはするものの密閉感、閉塞感が全くなく、言うのであればあえて隙間を開けているかのような軽い装着感が特徴です。

それ故にSHO-笙-はあれほどの広大な音場と音抜けの良さ、クリア感が得られている……というのが持論です。

あのイヤーピースでODINやLaylaを聞いたらどうなるんだろう……という興味が湧いたんですよね。

というわけでどうにかAEX50に似たイヤーピースはないか?と探し回ったのですが、どの製品も全くダメでした。あえて挿入深度の浅い最高サイズを選んだりしても、やはりカナル型イヤホンに使われることを想定したイヤーピースなので外耳道を密閉してしまうのです。これは傘の短いスパイラルドットSFなどでも同様。これではやはりあの異次元クラスの音抜けは得られない。

というわけで形も近く、閉塞感も少ないXELENTO REMOTE用イヤーピースを購入したわけです。

まあいずれAEX50も単品で販売されると思いますが……待てなかったんですよね。せっかちなんで。


まあ中華イヤホン1本くらいの値段で手持ちのメイン機種の音を劇的に変化させられるなら安いもんでしょう。と言い訳をしておきます。






音質の変化は他の追随を許さないほど


それでは、音質のレビューに入っていきます。

アンプはmicro idsd BLを使用しました。



・アルルカン ジレンマ


まずは、EMPIRE EARS ODINで試してみました。


普段はFinal Eタイプ SSサイズを使用しているのでその感想ですが、このイヤホンは濃厚なのに抜けがいい、という相反するような表現がしっくりとくる不思議な音です。

音場はイヤホンにしてはかなり広い部類いで、尚且つ分離感が圧倒的に高いため音抜けもとてもよく感じます。濃厚ながら、多ドラBA機のように詰まった感じがしません。

ではXELENTO REMOTE用イヤーピースに付け替えて聞いた感想ですが、やはり、予想通り音場が広くなりました。ただでさえ音場の広いODINですが、このイヤーピースにすることでより広くなっています。

装着感はイヤーピースの閉塞感が全くなく、耳かけのワイヤー部分でイヤホン本体を保持するという感じです。筐体の大きなイヤホンを装着した時に近しい印象を受けます。

音としては、比較すると中低域の抜けが良くなっています。それによりカナル型っぽい鳴り方から少しインナーイヤー型にも近しいような鳴り方が付与されました。

次に、JH Audio Laylaで使用してみました。普段のイヤーピースはJVC スパイラルドット Mサイズを使っています。

こちらはODINよりも明確に音が変わりました。具体的には、Laylaは濃厚な音がウリのイヤホンなのですが、その濃厚さがかなり薄まります。あれ、こんな音だったっけ?ってなるくらい音が変わりますね。

比較してしまうとスパイラルドットは音が篭っているようにすら思えてしまうのだから不思議なものです。確かにLaylaはODINと比較するとウォーム気味ですが、にしてもここまでの変化があるとは思わなかったので驚いています。

せっかくなので、Campfire Audio ANDROMEDA 2020でも試してみました。こちらもイヤーピースはスパイラルドットのMサイズを普段は使っています。

スパイラルドットでの音としては、純正イヤーピースのFinalのEタイプと比較するとかなり高域が綺麗に出るようになっています。ANDROMEDA 2020は初代と比較して大人しくなったと言われがちですが、スパイラルドットのANDROMEDAはかなり高域が派手に感じますね。

ではANDROMEDAの場合ですが、こちらは音はあまり変わりませんでした。具体的には、ANDROMEDAはノズル部分がかなり太いので密閉感がかなり高いです。そのため、音への変化も少量に留まりました。

ただ、よく聴き比べてみるとXELENTO REMOTE用イヤーピースの方が音場が少し広がって音抜けが良くなっている気がします。ただ、上の二機種と比べると変化はごく僅かです。






・葉月 Phoenix


まずはODINですが、FinalのSSサイズと比較すると、明らかに音場が広がりました。

それでいて、音量が少し小さくなっています。これは一部の帯域が抜けていることの証明でもあるので、狙いは上手くいったようです。

抜けていく帯域を補うため音量を少し上げると、音がより3次元的になっている事に気付きます。この曲ではFinalのSSサイズが少し篭っているようにすら感じられました。というより、FinalのSSタイプはいわゆるコンサートホールのような響きの強い音色です。

それと比較すると、このイヤーピースは開放型ヘッドホンのような、イヤホンの存在を感じさせない、音が四方八方に抜けていき反響しないという特殊な音をしています。

ODINはもともと分離感と解像度が高すぎるくらいのイヤホンなので、このようなイヤーピースを使っても音の線がぼやけたりすることもありません。相性はかなりいいと思いました。

ただ、やはり一部の帯域が抜けている影響か低音域が空間を伝うようなズシンとくる振動の再現性はFinalのSSサイズに劣ります。

次にLaylaですが、こちらはやはりODINより変化が明確です。付け替えた瞬間に音場が圧倒的に広がり、もはやイヤホンの存在を感じさせないほどの音場になりました。

LaylaはODINと違いそこまで音像を細く描写して分離させるタイプのイヤホンでは無いため、密閉型ヘッドホンのような音色というのが適切でしょうか。

次にANDROMEDA 2020です。こちらはやはり変化はかなり少ないです。ヴォーカルに少し艶が出たような印象を受けますが、そこまで音抜けが良くなったとか、劇的な変化はありません。

ただ面白いのは、上の二機種とは違い低音域が増しているというところです。ちゃんと密閉された場合、このダースベイダーのような面白い形が上手く作用するようで、低音域の質感がよりどっしりとした重いものになりました。聴き比べてみると、両者の音はかなり似ているもののスパイラルドットはなんとなく音が軽く聞こえます。



・己龍 鬼祭-再録-


まずはODINから。やはり、音が明らかに三次元的になります。音の広がりがかなり強く、ここまでの音場はカナル型では再現できないだろうな、というくらい音の抜けが良くなりますね。

このイヤーピースの一番の効果としては、音がクリアになることです。音場が広くなると同時に反響成分が消え去り、それによりヴォーカルラインが圧倒的に聞きやすくなるという感じでしょうか。

具体的にはギターやベースなどの音色が分散するためかなり薄くなります。ただ、薄くはなるものの解像度は低くならず、むしろ低音が薄くなるため音の粒がよりハッキリとするという印象です。カラッとした音、粒立ちのいい音と言えば伝わるでしょうか。

ではお次はLaylaの場合。やはりODINと比較して変化が著しいです。ノズルが細長いのが関与しているのか、ODINより抜ける帯域が多く、同じイヤホンとは思えぬほど音が変わります。

具体的には、ヴォーカルラインがかなり前に出てきて、音の粒立ちがより際立ちます。やはりベースやギターの音色が薄くなるのがこのイヤーピースの特徴のようですね。

ANDROMEDA 2020の場合は、やはり上記の二機種とは異なり音の変化が少ないです。ただ、聴き比べてみると低音域がやはり増していますね。特に顕著なのがバスドラムのアタックで、XELENTO REMOTE用イヤーピースはスパイラルドットと比較するととても一音一音が重たいです。




・あらかねの器


まずはODIN。やはり、音が圧倒的に開放的になりますね。カナル型イヤホンと言うと耳の間近から聞こえている感覚が強いですが、このイヤーピースを装着したODINはもはやどこから音が聞こえているのか一瞬わからなくなるほどに音場が広くなります。

ただ、これはAcoustune SHO-笙-を視聴した時も思った事なのですが、迫力があり面白い音なのはやはり密閉感の高いFinal SSサイズです。元々私はカナル型イヤホンが好きだということもありますが、密閉感が高い方が一音一音に迫力があり聞いていて楽しいんですよね。

XELENTO REMOTE用イヤーピースはただ音場が広いだけで、音に面白みがありません。圧倒的にクリアなのですが、この曲では私の好みとは少々違いました。

ではLaylaの場合ですが、こちらは音が圧倒的にクリアになり、それでいて元々が濃厚すぎるくらいのイヤホンなので音の重厚さも残っていて、かなり音場の広いカナル型イヤホン、という感じになりました。

ODINと違い前後の広さはそこまでありませんが、音に艶もありこれはなかなか好みの音です。

ただ、やはり比較してどちらが好きかと問われると難しいところです。元々濃厚な音が好きというのもあって、この曲では正直普通のイヤーピースの方が好きかも、という感じになりました。

ではANDROMEDA 2020の場合ですが、こちらはやはり低音域が増しています。

具体的には、ANDROMEDA 2020というのはあまり音のスケール感を出すのが得意ではないタイプのイヤホンなのですが、XELENTO REMOTE用イヤーピースでは重厚な低音と相まって音場が広く感じられるようになります。

比較してみると、スパイラルドットではふわっと拡散するように描写されていた低音域のキックが、XELENTO REMOTE用イヤーピースではしっかりと芯のあるどっしりとした音に変化しているのに気付きます。これにより、より音にメリハリが出て楽しいサウンドに変化していますね。





音に変化を出して楽しむにはいいかも


上のレビュー以外でも色んな曲をODINとXELENTO REMOTE用イヤーピースで聞いてみましたが、善し悪しは別として音はかなり変化します。ただ全てが完璧かと言うとそういう訳でもないので、気分によって付け替えるのが良さそうですね。私は開放的な音を聞きたい時はこのイヤーピースを使うことにします。

ただ、上で散々書いたようにANDROMEDA 2020での音の変化は非常に面白いものがありました。狙い通りの変化をしたODINやLaylaと違い予想からはかなり外れた結果でしたが、音的にはかなり私好みに変化したので、今後ANDROMEDAはこちらのイヤーピースで運用していこうと思いました。

恐らくANDROMEDA 2020のみ変化の仕方が違ったのはノズル部分が異常に太いからだと思うので、大抵のイヤホンではODINやLaylaのような変化をすると思います。しかし、ANDROMEDAのようにノズルが極端に太いイヤホンではこのイヤーピースは低音域を強化する効果があるようです。





XXXLサイズも届いたのでMサイズと比較。音質差はとんでもない。



というわけで、期待のXXXLサイズが届いたのでMサイズと比較していきたいと思います。




キノコみたいなMサイズと比較して、完全に見た目はAEX50系統の特殊な形ですね。はたして どう音に変化が出るのか、期待が膨らみます。

イヤホンはEMPIRE EARS ODIN、アンプはmicro idsd BLです。

・己龍 手纏ノ端無キガ如シ

まず、Mサイズで聴いてみた感想ですが、やはり音はかなり開放的ですね。元々ODINが抜けのいいイヤホンという事もありますが、それを差し置いてもこのイヤーピースの音はやはり凄いです。

ただ、ポイントとしまして、装着というか向きがシビアです。少し向きを変えただけで耳にピッタリとフィットしてしまうので、それだと音抜けの良さは味わえません。耳にしっかりフィットしてしまう人は向きを変えてみて、装着感が軽くなるところで止めてください。

さて、お次はXXXLサイズですが、これは凄いです。音が3割増ほど広くなり、音抜けがもはやイヤホンとは思えぬほどに良くなりました。

これはAcoustuneのSHO-笙-と同系統の音だと言ってしまっていいと思います。音抜けが極端すぎるほどに良く、中音域が圧倒的にクリアで、低音域はあまり主張してこないこの感じ。音の質感としては非常に似ています。

音場は果てしないほどに広く、音抜けがとても良いです。どのくらいかと言うと、例えばIE900とか、その辺の音場が広く抜けがいいとされるイヤホンと比較しても圧倒的な差をつけて勝利するほどです。

それでいて、ODINはもともと中低域が濃密なので、ここまでの開放感がありながら楽しくリスニングできるような適度な音の密度があります。これはもはやイヤホンとは呼べぬ新たな何かを感じますね。

ちなみに低音域はほとんど抜けているようで、イコライザーで調整してもXBassを使ってもあまり音は変化しませんでした。




・TOKIMEKIエスカレート -LIVE MIX-

まずはMサイズから。これでも十分すぎるくらい音抜けは良く、音場も広く感じます。

ただ、XXXLサイズはそれを遥かに超えてきます。もはや音場の広さはイヤホンのそれではなく、音抜けの良さも開放型ヘッドホンであってもここまでのレベルのものはなかなか無いでしょう。

イヤホン特有の脳内定位が非常に薄まり、四方八方から音が聞こえてくるような、そんな感覚になります。特にこの音源はLIVEのような音響効果を付けているので、まるで野外ライブを本当に聞いているかのような感覚になります。

そしてmicro idsd BLの機能の一つである3D+。これはクロスフェード機能なのですが、これを付けるともはや手がつけられないような音になります。今まで色んなイヤホンを聞いてきましたが、こんな音を出せる機種はこの世に存在しない。そう言いきれるくらい別次元の音を鳴らしていますね。

ちなみに上で野外ライブと書いたのは、このイヤーピースは低音域がほとんど出ないため、コンサートホールのような反響感が得られないためです。また、低音域の迫力も薄まるというかほとんど聞き取れなくなるため、低音好きの人は物足りないかもしれません。

ただ、それを差し置いてもこのクリアさは圧倒的です。

FinalのEタイプと比較すると、まるで同じイヤホンとは思えぬくらい音が違うので驚きました。それに加えて、あのODINが少しこじんまりとしたような音の鳴りにすら思えます。

ただ、やはり低音域は普通のイヤピの方が出ていますね。

というわけで、このイヤーピースはスピーカーのような音を得たいという人や、インナーイヤー型の音、開放型ヘッドホンの音が好きな人にオススメのイヤーピースかも知れません。ただ低音域があまり出なくなるので、迫力を感じたい場合は低音域がしっかりと出るイヤホンで聞くことをおすすめします。

というわけで、今回はここまでとなります。

それでは、以上です。

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