Shure SE846は最新イヤホンと比べると微妙なのか?音質レビュー

♨の人

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引用:https://s.kakaku.com/item/J0000017879/images/

どうも、温泉の人(@otkZLQ2xGa4Fcqb)です。

本日は、今更ながらShureのSE846のレビューになります。

それではどうぞ。






SE846のスペックは今ではもはや普通どころか控えめな部類に入るが……


SE846は2013年8月発売なので、発売からもう10年近い月日が流れている超ロングセラーイヤホンです。

この時代のイヤホンで未だに値落ちしておらず生産も続いているのはSE846くらいなのでは無いでしょうか。間違いなくイヤホン界随一の名器です。

スペックはBAドライバーが4基の3ウェイという、今ではもはや珍しくもなんともないレベルの構成です。というか、今では18ドライバーのU18sだったり、7way11ドライバーのODINだったりがあるので、控えめだと言ってしまっても問題ないレベルのスペックです。

最近では4ドラのイヤホンなど5000円でも買えてしまいますが、昔はこれでも多ドラの部類だったんですよね。なんだか時代の変化を感じます。

ただ、SE846はそんじょそこらの多ドライヤホンとは訳が違います。それが、その小さな筐体内に収められたローパスフィルター。

これは低域が4インチもの経路を通って出力されるように作られた専用のステンレスプレート製のフィルターで、これにより音の濁りを減らしているとの事です。


これだけ見ても、Shureの技術力の高さが伺えますね。BAドライバーを適当に詰め込んだら何十万ものイヤホンを簡単に作れる昨今、こういう真の技術派メーカーの製品がこの値段で買えるのは逆にお得感すら感じます。





音質。2022年現在でも未だに一級品のサウンド


それでは、音質のレビューに入っていきます。

ノズルは標準で、アンプはmicro idsd BLを使用しました。


・アルルカン ジレンマ

このイヤホンですが、古いマルチBAイヤホンなのに古さをまるで感じさせない、未だに通用するハイエンドイヤホンだと感じました。

最近の流行りと比べると多少ヴォーカル帯域が曇っているような感じはありますが、非常に全帯域の繋がりがいいです。

同じくらいの時期に出たハイエンドイヤホン JH audio Layla(低音調整1時)と比較すると、Laylaの方がより濃厚で、全体域の繋がりの良さは同じくらいです。低域はSE846の方が強いですね。

ヴォーカルがよりツヤっぽく出ているのはLaylaですね。クリアさというか、音像の輪郭の明瞭さはSE846が上だと感じます。

低域のアタック感はLaylaがソリッドだとしたら、確かにSE846はサブウーファーっぽいと言うのも頷ける感じですね。非常に重たく量感のある低域です。





・己龍 鬼祭-再録-

もうSE846が発売して10年が経とうとしていますが、音は未だに一級品というのに驚きを感じます。

Laylaと比較すると、Laylaの方がやはり中音域が濃いです。よく出ていると言うよりは濃いと表現するのが正しいでしょう。

ただ、ヴォーカルのクリアさはやはりSE846が上です。Laylaはコンサートホールのようにヴォーカルの音像が少し広がるので、ヴォーカルをクリアに聴きたいという人にはあまり向かないと思います。

ただ、全体的な音の傾向はやはり似ています。旧世代のマルチBAイヤホン達ということで、似るのは当然かもしれませんが。

SE846を聞いてみて思ったのは、これがShureが考えるモニターライクというものなのだな、ということです。

普通モニターライクというともっと高域がジャリジャリ出ていたり、ヴォーカル帯域のみが押し出されたようなモデルを想像しますが、このSE846はそれらとは全く違います。

具体的には高音域は必要以上には出ておらず、かなり量感としては控えめです。最近のドンシャリ傾向とは一線を画すような音です。

中音域はクリアで、特筆すべきは低音域。SE846は低域が特徴と言われていますが、確かにサブウーファーのようなズシンと響く低域が特徴的です。

モニターライクというと低音域がソリッドでタイトなものをイメージしますが、SE846の低域はこれまた一般的なモニターライクとは違った音です。

これはAONIC4やSE215SPEなどを聞いた時も思いましたが、Shureのイヤホンは音がとてもマイルドなんですよね。カリカリに音像を描写したり、過度に音を分離させたりするようなイヤホンとはまるで違う大人しい鳴り方です。あくまでもモニターライクとはこういうものだ、というShureの音作りのポリシーを感じます。





・キズ ヒューマンエラー

SE846の特徴と言うと、決して刺さらないシルキーな高域と、とてもズシンと響く低域だと思います。

高音域は耳に刺さるような成分が一切出ないように非常に上手くコントロールされており、モニターライクというわりにはかなり聞きやすいです。モニターライクというとSENNHEISERみたいなカラっとしたサウンドや、EMPIRE EARSみたいな強烈な分離感と解像度のイヤホンを想像しますが、それらとはまるで違います。

低域は非常にドッシリと量感豊富に響くので、ココ最近の機種と比べるとかなり低域重視に聞こえると思います。

Laylaと比較すると、音場は明らかにLaylaの方が広いです。ただ、SE846の方がヴォーカルは明らかにクリアです。例えるならSE846がスタジオモニター的と言うなら、Laylaはリファレンスモニター、という感じの違いでしょうか。ただSE846も特段音場の狭さは感じさせません。

全体的な傾向は結構違うものの、両者の音はやはり似ています。好みが別れると思いますが、日本人の傾向的にはSE846の方を好むでしょうね。



・星環世界

やはり、びっくりするくらいの量感の低域が特徴的です。モニター機種でここまでの量感の低域というと私は聞いたことがありません。

ヴォーカル帯域は相変わらずクリアで、高音域はまるで刺さりません。控えめと言うより、刺さる成分を抑えた高域という感じです。

Laylaと比較すると、語弊があるようにも思えますがLaylaは少しだけ籠って聞こえます。裏を返せばSE846がそれだけクリアだと言えるでしょう。

Laylaは音の量感がとにかく多いのと、音像が広がるためヴォーカル帯域はどうしてもヘッドホンのような広がりが感じられてしまいます。この感覚が苦手な人はとことん苦手だと言うので、それがJH機の音の濃さということなのでしょう。







あとがき


というわけで、SE846のレビューでした。

私も色んなイヤホンを聞いてきましたが、このイヤホン、未だに一級品のサウンドだと思います。古いだけで音質は微妙、なんてことはまるでなく、今でも十分通用するサウンドです。

ただ、少し思ったこととしては、最近の流行とは少し違うサウンドかな、ということです。最近は一聴して良さのわかるクリアな音やドンシャリサウンドが人気なので、それと比べると僅かに篭ったような印象を受けるかもしれません。

ただノズルを交換することで音質を変化させられるので、もし視聴する際はノズル交換をぜひ試してみてください。

というわけで、本日はここまでとなります。

それでは、以上です。



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