CHORD MOJO2の音質をレビュー。Type C搭載の後継機はいかに?xDSD gryphonとの比較も
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本日は、CHORDより新発売された大ヒットポタアン「MOJO」の後継機、「MOJO2」をレビューしたいと思います。

引用:https://www.aiuto-jp.co.jp/products/product_3843.php
見た目はほぼ一緒。だがtypeC端子が搭載
見た目は前作MOJOとほとんど変わっていません。かなりコンパクトでポップさもある面白いデザインです。
入力は光デジタル、同軸デジタル、Micro USB、USB Type-Cの4種類。新たにtype-Cが搭載されたことで、より拡張性が増えました。しかし充電ポートがmicroUSBのままなのはTwitterでは少し否定的な人が多かったですね。
PCM 768KHz/32bit、DSD256のネイティブ再生に対応し、多種多様なイコライザーも搭載されました。
出力インピーダンスは0.06Ω、クロストークは-118dB(1KHz/300Ω)、出力レベルは1kHz/300Ωで90mW(5.2Vrms)、1kHz/30Ωで600mW(4.2Vrms)です。
重量は約185gと軽量ですね。
相も変わらずなぜかイヤホンジャックが2つ付いています。リア充専用とか言われてましたが、これ正直なところどうやって使うんですかね?
エージングとか聴き比べの時くらいしか使わないと思うので、擬似バランスでもいいから2.5mmや4.4mmを搭載した方がもっと売れたのではないかと思います。
ボリュームはボタンの色によって判別。ボタンを押すことにより音量の調整ができます。デジタルボリュームなのでギャングエラーが無いのはいいですね。わりと微調整が効く印象でした。
しかしmicro idsd BLのようにモード変換は無いので、低インピーダンスのイヤホンなどを使う場合は出力側の機器の音量を絞る必要がありました。パワフルなアンプなので、音量は絞ってから接続することが望ましいです。
音質。ライバル機種のxDSD gryphonとの差は非常に大きい
今回のMOJOは色んなイコライザーが搭載されているのですが、モードは全てノーマルで聴きました。使用したイヤホンはEMPIRE EARS ODINです。
・アルルカン ジレンマ
Twitterの感想にて高域が無印よりよく出ると聞いていたので、もっとギラついたサウンドかと思ったら、意外と大人しい鳴り方ですね。
どちらかというとウォーム寄りな音でしょうか。micro idsd BLと比較すると、micro idsd BLは高域がかなり強く出ている印象です。クリアな音なのはmicro idsd BLですね。
アタック感に関しても、micro idsd BLの方がよりソリッドで鮮烈な印象を受けます。
ベースラインやドラムのキックの低音がより強く出ているのはMOJO2です。また、ヴォーカルラインが艶っぽいのもMOJO2の特徴ですね。
micro idsd BLではベースラインよりもギターのソリッドな音色が目立っています。MOJO2はどちらかというとベースラインとヴォーカル寄りの音作りだと感じました。
音場は流石にmicro idsd BLには敵いません。micro idsd BLはそのクリアな音も相まって、非常に音抜けがよく音場が広く感じます。
全体的にMOJO2は音がこじんまりとしていて、音の余韻とかはmicro idsd BLの方が上に感じます。低音域の強さとヴォーカルの艶っぽさはMOJO2の勝ちですね。
解像度に関してもmicro idsd BLの方が高いです。micro idsd BLは音が拡散していく最後の方までカリカリと描写するのに対して、MOJO2はそこまで繊細な表現はしておらず押し出し重視の音です。
ただヴォーカルの近さ、そして響の豊かさはMOJO2の方が上です。曲により相性が変わってきそうですね。
・鬼祭 -再録-
やはり、MOJO2は低音が強いです。micro idsd BLと比較すると、明確に低音域が太いのが確認できます。
そしてギターの音色ですが、やはりここが双方で大きく違います。micro idsd BLはとても解像度が高く、ピッキングの細部まで見えるような繊細な音なのに対し、MOJO2はパワーを意識したようなメリハリの強く太い音です。
聞いていて元気な音なのはMOJO2だと思います。micro idsd BLは少しギラついていて、解像度の高さとクリアさを重視したような音に感じます。
またアタック感がかなり違い、MOJO2がドスン、という、いわゆる真空管アンプとかで聞けるような音なのに対し、micro idsd BLは非常にソリッドでタイトな音色です。
ヴォーカルラインが近いのはやはりMOJO2です。micro idsd BLはヴォーカルが一歩引いたような表現なので、メリハリというか押し出しの強い音なのはMOJO2だと思いました。
キズ ヒューマンエラー
やはり、重低音がかなり強いです。micro idsd BLと比べると高域が控えめで低域重視のアンプですね。アタック感も丸く、micro idsd BLのソリッドでタイトなものと比較すると明確に差が分かります。
micro idsd BLではこの曲は少し高域が耳につく感じがありますが、MOJO2ではそのようなことがありません。micro idsd BLは少しシビアすぎるところがあるため、圧縮音源などを聞く場合MOJO2の方が良いでしょう。
やはり音場が広いのはmicro idsd BLですが、ヴォーカルが近いのはMOJO2です。MOJO2はヴォーカルの線が太くパワフルで、低音域が強いにもかかわらずヴォーカルラインをマスクすることがありません。
MOJO2は音の押し出しが強いため、micro idsd BLは比較すると少し静かな印象です。
価格的にライバル機種のxDSD gryphonと比較すると、xDSD gryphonはmicro idsd BLに近いような、据え置きっぽく、硬質的な鳴り方です。micro idsd BLほど硬くはないですが、それでもMOJO2と比べるとかなりifiっぽいクリアで硬質なサウンドだな、と感じます。
クリアな音を求めるのならgryphon、パワフルでどっしりとした音を求めるならMOJO2、という選択が良さそうです。
・Palette
やはり、低音域が非常に強いです。micro idsd BLと比較すると、非常に太く押し出された低音が特徴的です。
なんというか、ここまで聞いた感想だとMOJO2は非常にポータブル色の強い音だな、と思っています。
こういったポータブルアンプと言うとDAPと比較して強力なバッテリーとアンプを搭載できるため、どちらかというと据え置き機に近い音を出す印象がありました。しかし、MOJO2はもっとこじんまりとした、外で聞くのに向いていそうな非常にストレートな音色です。
特にそう感じさせるのが低音域の強さで、ドシン、と響く低音域はmicro idsd BLのXBassをも彷彿とさせます。
音自体は余裕のある感じで、非常にヴォーカルラインも近くて綺麗なのですが、micro idsd BLの鳴り方に慣れているとその辺の違いが特に敏感に感じられました。
ただ、据え置き色が弱いから悪い、ということではなく、裏を返せば非常に聞きやすく迫力のある、誰が聞いてもいい音と感じるアンプだということでもあります。特に音が圧縮されたポップスやロックなどを外で聞く場合、こういう音の方が明らかによく聞こえると思います。
また、ヴォーカルの近さと艶っぽさはかなり魅力的で、多少ドライなイヤホンもこのアンプを通せば非常に綺麗な音色を奏でてくれることでしょう。そういう意味で言うなら、SENNHEISERなどとは相性が良さそうです。
ただ、やはり音がクリアなのはmicro idsd BLですね。上でも書きましたが、MOJO2は多少ウォーム寄りなアンプです。
あとがき
というわけで、CHORDより新発売されたMOJO2のレビューでした。
ライバル機種は値段的にxDSD gryphonになりますが、ここまで音が違うとユーザーも選ぶ楽しみがあっていいと思いますし、両方揃えても充分使い分け出来ると思います。
現状ポタアンというのはあまり売れ筋の商品ではなく、多数のメーカーが製造を辞めてしまいました。そんな中で、新たな名機がまた産まれたことにオーディオ、というかポタアンファンとして喜びを感じます。
というわけで、今回はここまでとなります。
それでは、以上です。
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