iFI-Audio xDSD Gryphonの音質をレビュー。micro idsd BLとの比較

♨の人

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どうも、温泉の人(@otkZLQ2xGa4Fcqb)です。

本日は、iFI-Audioより発売中の超売れ筋ポタアン、xDSD Gryphonをレビューしていきたいと思います。


引用:https://s.kakaku.com/item/K0001401350/images/

それではどうぞ。








アナログ入力やIEMatch、LDAC対応など超多機能


xDSDは、ifi audioのmicro idsd、nano idsdとは違う、もうひとつのシリーズです。

micro idsdやnano idsdが純粋なポタアン、という感じなら、xDSDはBluetooth機能などを搭載した多機能なポタアン、という立ち位置ですね。

xDSD Gryphonは初代xDSDと比較すると、様々な点が変更されています。

まずはデザインです。初代xDSDは光沢のあるメタリックな質感だったのが、xDSD Gryphonではmicro idsdなどと同じくサンドブラストされたようなマットな質感に変更されました。

初代xDSDはなんかどの個体を見てもやたらと指紋のような文様が着いていて汚いなぁという印象だったのですが、これはどうやら金属自体が腐食してしまっているようで、それが今回のモデルチェンジで改善されました。個人的に金属はヘアラインか梨地が好きなので、今回の変更は嬉しいです。

他には、OLEDの液晶画面が追加されました。これにより再生中のボリュームやサンプルレート、バッテリー容量など細かな部分がより見やすくなりました。

更に、筐体サイズも大きく変更されています。初代xDSDよりかなり大きくなっており、より重厚感が増しました。大きければいいという訳では無いですが、オーディオにおいて体積と音質は大きな関連性があるため私は大きくすることに否定的な印象は持ちません。

出力には3.5mmアンバランスの他に、新たに4.4mmバランスジャックが追加されました。他にはアナログ入力も搭載されており、アナログポタアンとしても使えます。

充電用端子もxDSDのmicroUSBから、xDSD Gryphonではtype-Cに変更されています。また、充電用のポートとデータ用のポートは別ですが、設定からデータ用のUSBポートからも充電が可能になっています。これにより、パソコンで使用する場合はケーブルが1本で済むというメリットがあります。

他には初代xDSDには無かったIEMatchが搭載されています。価格は上がったものの、初代xDSDと比較してmicro idsdシリーズにさらに近付いた印象を受けますね。

電源ボタンはフロントのボリュームノブと併用で、押し込むことでオンオフができます。最初に見た時は電源ボタンはどこだ?と少し迷いました。ちなみに再生中に押すとミュートができるようです。

ボリュームノブはカリカリというクリック感のあるタイプで、デジタルエンコーダー制御のボリュームになっているのでギャングエラーはありません。またアナログボリュームなので、ビット落ちなどの心配もありません。

フロントパネルには3.5mmと4.4mmヘッドホン出力、長押しで設定メニューを開くエフェクトボタン、Bluetoothと有線を切り替える入力選択ボタンがあります。エフェクトはXBass IIとXSpaceというものが搭載されており、XBass Ⅱが低音ブースト、XSpaceがクロスフェードです。

XBass ⅡはこれまでのXBassと違い、背面のスイッチで低音強化の効き方を選べるようになっています。XSpaceはこれまでの3D+の発展系のような機能で、3D+にあった高音の強調が低減されています。

Bluetoothのバージョンは5.1で、aptX, aptX HD, aptX Adaptive, aptX LL, LDAC, HWA, AAC, SBCとこれでもかと言うくらいたくさんのコーデックに対応しています。

他にもifiお馴染みのデジタルフィルターだったり、32Ωで1,000mW(バランス)のハイパワーなど、最早死角が存在しないようにすら思えます。

ここまでの多機能をこの大きさの筐体に詰め込んだというのも驚きですが、xDSDより高くなったとはいえ価格をmicro idsd signatureよりも安く設定しているのはなかなかに素晴らしいと思います。







音質。非常にifiらしい、クリアなサウンド


それでは音質のレビューに入っていきます。

使用したイヤホンはEMPIRE EARS ODINです。



・己龍 鵺


xDSD Gryphonは正直なところ多機能を売りにした機種なので音には期待していなかったのですが、いい意味で期待を裏切られました。かなり余裕があり、このどこまでも明確に描写するような音は明確にifiらしいサウンドです。


ライバル機種のCHORD MOJO2と比較すると、明らかに高域がよく出ておりクリアなサウンドです。私はmicro idsd BLを愛用しているので、このようなサウンドは大好物です。

ではmicro idsd BLと比較するとどうなのかという話ですが、micro idsd BLの方がギターの音色がより鮮明に聞こえます。

またドラムの音などもよりmicro idsd BLの方が絞まっており、ハイハットの音色の強さとスネアのアタック音に明確な違いがあります。

より音が分解されて聞こえるのはmicro idsd BLです。xDSD Gryphonはハイハットの音色が少し飽和してしまっているのに対し、micro idsd BLはより細かな部分まで明確に描写しています。

低域の出方に関しては両者似ています。どちらもタイトながら力強さのある低域で、非常に粒立ちがいいです。

ただ、どちらかというxDSD Gryphonは低域寄りに感じます。ベースラインあたりがmicro idsd BLと比較して少し盛りあがっており、より力強く感じます。

ただ、正直なところ思っていた数倍は差が少ないです。流石はifiと言ったところで、多機能でこの値段でこの音質、という所に今でも生き残っている強豪ポタアンメーカーの維持を感じますね。




・Lynch. CREATURE

やはり、このポタアンは私好みの音色です。元々ifi社のポタアンを愛用しているだけあって、このポタアンも文句無しの出来栄えですね。音場も広く、音抜けも非常に良く、それでいてパワフル。非常に余裕のある鳴り方です。

ではmicro idsd BLと比較するとどうかと言うと、micro idsd BLの方がやはり音はソリッドで高解像度です。特にギターの音色のエッジの立ち方がmicro idsd BLは素晴らしい。

低域の鳴り方など共通点は感じますが、情報量の多さ、そして抜けの良さはmicro idsd BLが一枚上手ですね。

ただ、xDSD Gryphonと聴き比べるとこの曲ではmicro idsd BLは多少高域が出すぎなような気がします。あまりにも高域が出ているので、多少耳が痛いです。xDSD Gryphonの方がどちらかと言うと聞きやすく、大人しい音色に感じます。

また、低域の出方が似ていると書きましたが、それは鳴り方の話であって低音の量自体はxDSD Gryphonの方が多めです。




・アルルカン ジレンマ

やはり、micro idsd BLと比較して少し高域が抑えられています。その分低域が強まっており、どちらかというと聞きやすい部類になるアンプだと思います。

それでもifiですから、ギターの音色などは恐ろしくソリッドで高解像度ですし、音場も広いです。

micro idsd BLと比較すると、やはり音が少し丸くなっています。よりクリアで音抜けがいいのはmicro idsd BLですが、少しエッジが立ち過ぎていると感じる場面もチラホラありました。

特にドラムのアタックとギターの音色で音の差が顕著です。上でも書きましたが、micro idsd BLはギターの弦が震える音の一音一音まで全て明確に描写するような分解能の高さがあります。しかしxDSD Gryphonではそれを少し押えて、一般的に解像度が高い、と言われるようなラインは越えさせていても耳が痛くなるまでは描写しない、といういい塩梅の調整ができています。

聞き比べれば明確に差が分かりますが、音はかなり似ています。どちらも魅力的だけど両方買うほどの差はない、という感じですかね。




・青空リレーション

やはり、低音域は増していますね。micro idsd BLと比較してベースラインがより強く主張してきます。

というより、高音域が明らかにmicro idsd BLの方が荒々しいと思えるほど強いので、相対的に低音が増したように思えるのかもしれません。

音場の広さは双方あまり変わりませんが、micro idsd BLの方がやはり高域は綺麗に出ています。そのため、この曲ではブラスの表現量にかなりの差が出ています。解像度自体はグリフォンも申し分ないのですが、より解像度が高いのはmicro idsd BLです。特にラストのトロンボーンソロなどは音の粒立ちでmicro idsd BLにxDSD Gryphonはかなり劣っています。

ただ、トランペットの音自体が太いのはxDSD Gryphonでした。この辺は好みが出てくると思いますが、xDSD Gryphonの音は低音から高音までバランスよく出ており、解像度、鮮烈さでは劣るもののとてもパワーを感じます。

しかしやはり思うのは、両者とも違いはあれど、非常に音は似ているな、というところ。上でも書きましたが、この値段でこの音、この機能性とはやはりifi audioは恐ろしいです。micro idsd BLが75000円だったので、それを考えるとこの音質と機能性でこの価格で本当にいいのか?とすら思えてしまいますね。






あとがき。音質も機能性も文句無しの最強ポタアン


というわけであとがきです。xDSD Gryphonは発売当初からとても順調に売れているなと思っていましたが、聞いてみてそれも頷けるな、なんて感じました。特にmicro idsd signatureがほぼ10万円と値上がりしてしまったので、機能性で劣るsignatureは少し分が悪い気がします。

またmicro idsd signatureと比較して擬似バランスではないというのも大きな違いです。正直なところ擬似だろうがフルバランスだろうが私はあまり気にしませんが、そういう部分を重視する人もいるので、そういった方にはsignatureよりGryphonをオススメしたいです。

初代xDSDは価格的にもmicro idsdシリーズとnano idsdシリーズの中間で多機能なモデル、みたいな扱いでしたが、xDSD Gryphonはmicro idsdシリーズとも遜色のないレベルの音質になっています。その分価格は上がったものの、機能面を見れば全く高いという印象は受けません。

個人的にかなりオススメなアンプです。これ1台あれば自宅でのゆったりした音楽鑑賞から、外出先でのポータブルオーディオまで全てこなすことが出来るでしょう。

というわけで、今回はここまでとなります。

それでは、以上です。





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