Finalが作りし最強の有線ヘッドホン、D8000の音質をレビュー
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本日は、Finalの超高級ヘッドホン、D8000のレビューになります。

引用:https://final-inc.com/products/d8000-jp?variant=40709194317974
それではどうぞ。
スペック、重さなど。開放型の平面駆動方ヘッドホン
D8000は、finalが4年の開発期間をかけて作り上げたヘッドホンで、2017年11月30日に発売され何年か経った今でも最強クラスのヘッドホンとしてその地位を確固たるものとしています。
D8000は平面駆動型という、普通のヘッドホンとは違うドライバーを搭載しています。普通のヘッドホンはダイナミックドライバーというドーム状のドライバーを搭載しているのですが、平面駆動方というのはその名の通り平面の振動板が均一に動き音を出す方式になります。
特徴としては優れた位相や綺麗な中広域などが挙げられます。
インピーダンスは60Ωで、音圧感度は98dBとなかなか鳴らしにくい部類に入ります。
ケーブルは3.5mmステレオミニと、6.3mm標準ヘッドホンプラグの2種類が付属します。
側圧は弱めですが、装着感は非常に気持ちがいいです。イヤーパッドがとても上質で、いつまでも付けていられそうです。
D8000は523gと高級ヘッドホンの中でも最重量クラスの重さですが、私は付けていても特に重たいとは感じませんでした。
音質は圧倒的。最強のイヤホンODINやFOSTEX T60RPとの比較も
それでは音質のレビューに入っていきます。
アンプはmicro idsd BLを使用しました。
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・アルルカン ラズルダズル
まず、音像はヘッドホンらしく広がりがありますが、それが非常に艶っぽいです。
まさにコンサートホールとでも言いましょうか。イヤホンでは決して味わえないであろう音像の自然な広がりと膨らみを感じられます。
また、開放型ということですが、音抜けなどは密閉型にも近しい印象を受けました。音がそこまで四方八方に抜けていくという印象はなく、カナル型イヤホンのような力強さも感じる中低域です。クリアで透明な音というより、非常にパワーを感じる濃密な音です。
高域はそこまで主張が強くなく、解像度はとても高いですがそこまで強烈に主張してくることはありません。ただ、ヴォーカルラインに少しだけ刺さりを感じます。
中音域は非常に大人な鳴り方です。量感はあるものの細部が少しぼやけており、どこまでも遠くへ広がっていくような魅力的な響き。この辺がイヤホンとヘッドホンの違う所でしょうか。低音域も非常にタイトではありますが、音自体が遠くあまりドスドスと主張してくることはありません。
かと言って音全体が遠いかと言うとそうではなく、ヴォーカルは非常に近いです。平面駆動方らしく定位感が非常に優れており、あちこちから音が鳴っているのにすぐにフォーカスを合わせられます。
・己龍 叫声 -再録-
やはり、定位感が非常に優れています。あちこちから音が鳴る感覚は並のヘッドホンやイヤホンでは再現不可能でしょう。
イヤーパッドが広いおかげか、音場がかなり広く感じられます。
また、全ての音が楽器ごとに明確に分離して聞こえます。この曲ではLチャンネルのギターの音色が特に綺麗でした。とにかくその音が綺麗すぎて、その音だけを延々と追ってしまうような魅力があります。
beyerdynamic T5P 2ndと比較すると、T5P 2ndはD8000より音像の輪郭が締まっておりクリアですが、D8000ほど音場が広くなく、それぞれの音色の距離感も近いです。臨場感や楽しさはD8000にまるで及びません。
ヴォーカルラインは非常に綺麗で、高音域はとてもシルキーです。刺さりもこの曲では感じません。
カナル型イヤホンと違い音が四方八方にちゃんと配置されているので、音圧に耳が負けるということがありません。圧倒的高音質ながら、いつまでも聞いていられるような魅力を併せ持ったヘッドホンだと感じます。
・こいかぜ ハイレゾ版
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このヘッドホンですが、とにかく凄いのがその低音域のリアルさです。
beyerdynamic T5P 2ndと比較すると、ベースラインが空気を震わせている感覚が本当にリアルで、高級なスピーカーを彷彿とさせるという評判も頷けます。
それでいて、全ての音がハイレベルです。文句のつけ所が見つからないというか、どこを見てもハイレベル、というヘッドホンですね。
定位感は相変わらずとても明瞭で、音が重なり合うような場面でも歪みっぽさがまるで無いので、そのへんが平面駆動方のメリットなのでしょう。
では同じ平面駆動方のFOSTEX T60RPと比較してどうかと言う点ですが、T60RPはさすがに値段の差があるため仕方ないのですが、音場の広がりなどでかなり劣ると思います。
しかし、音像定位の正確さ、音のクリアさ、分離感などでは検討していると思いました。
これはbeyerdynamic T5P 2ndもそうなのですが、D8000は音のクリアさを売りにしたヘッドホンでは無いので、透明感のある音という点ではT5P 2ndやT60RPの方が勝っていると感じます。
ただ、臨場感では天と地ほどの差があります。とにかく低音域の表現力が段違いすぎて、音のクリアさなどどうでもいいと感じられますね。
では同じく最強クラスのイヤホンと名高いEMPIRE EARS ODINと比較するとどうかという話ですが、流石のODINでも臨場感や音場の広さではまるでD8000には敵いませんね。
ただ、ヴォーカルラインの解像度はODINが圧倒的に勝っています。定位感や音場はD8000の方が上ですが、音の解像度ではODINの勝ちですね。
またODINはT5P 2ndやT60RPと違い、低音域の質感に差はあるものの物足りなさは感じませんでした。ODIN及びEMPIRE EARSは低音域の表現に定評のあるメーカーなので、この辺は流石だと感じますね。
ただ、より優れた音楽体験、という点では、やはりイヤホンはヘッドホンに敵わないと思います。音場がヘッドホン並に広いODINですら、D8000の後に聞くと少々こじんまりとした印象が否めません。
ただ、音自体のクリアさ、と言いますか、付帯音の少なさという点ではイヤホンはやはりヘッドホンに勝っていると感じました。音自体が直接脳内に流れ込んでくるようなクリアな音は、40万近いD8000ですら出せていません。
しかし、やはり一般的にいい音と感じられやすいのはヘッドホンだろうなぁ、というのは思いましたね。私はカナル型イヤホンを深く挿入して聴くのが好きなタイプなので、主にカナル型イヤホンを購入していますが、音に包まれるような感覚を得たいのなら間違いなくヘッドホンの方がいいと思います。つまり、スピーカーらしい音を聞きたいのなら間違いなくヘッドホンを購入した方がいいでしょう。
ではD8000とODIN、どっちが好きかと言うと、私はODINの方が好きです。
その理由として、ODINの方が高音域やヴォーカルラインの刺さりが少なく、私の好みに合っているからです。
というのも、私は普段ラウド系の音楽ばかり聞いているので、D8000よりODINの方が相性がいいんですよね。
また、例えばLayla AionやU18s、A8000、KHANなど他のイヤホンなら私もD8000の方が優れていると感じると思いますが、ODINは私が聴いてきたイヤホンの中では一二を争うくらい音場が広く音抜けがいいです。そのため、あえてヘッドホンにする理由が見つからないというのもあります。
ただ、D8000の低音に包み込まれるような感覚は一度は味わって欲しいな、なんて思います。カナル型イヤホンのズンズンくる低温とは違い、遠くから重低音の並が迫ってくるような感覚は本当にとんでもないです。
あとがき
というわけで、最強クラスのヘッドホン、D8000のレビューでした。
このクラスのヘッドホンというとオーディオマニアを自称している人ですら手を出すのに躊躇うような代物ですが、一度は聞いてみるのをオススメします。
また、もし今現在3~40万クラスのイヤホンを買おうとしている人は、それを買う前にD8000だけは聞いていた方がいいです。もちろん、後悔することがないように、という意味でです。それくらい素晴らしいヘッドホンです。
というわけで、本日はここまでとなります。
それでは、以上です。
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