EMPIRE EARS Legend EVOの音質をレビュー。最強の低音を誇るイヤホン。Legend X、ODINとも比較
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本日は、EMPIRE EARSの超高級イヤホン、Legend EVOのレビューになります。
それではどうぞ。
スペックなど。骨伝導ドライバー搭載のトライブリッドイヤホン

引用:https://empireears.com/collections/universal/products/legend-evo-universal
このイヤホンは、Legend X、ODINとバカ売れしたイヤホンを作り出し一気に超有名高級イヤホンメーカーまで上り詰めたEMPIRE EARSの新作イヤホンです。新作とは言ってももう発売してから随分経ちますが……
このイヤホンはLegend XのDNAを受け継いでいるようで、特徴としては骨伝導ウルトラドライバーという特殊なドライバを搭載している部分にあります。
骨伝導ドライバーと言うとUnique MelodyのMESTが有名ですが、その名の通り骨伝導、つまり鼓膜ではなく骨を振動させて音を出すドライバーのことです。
骨伝導ドライバーのメリットはESTやBAなどと比較して正直なところ現時点ではあまり情報もありませんが、EMPIREの話によると骨伝導は、高周波、つまり20kHz以上を知覚することが可能で、なおかつ空気振動より効率的に振動を届けるため、より低く、より深い音色を知覚することが可能とされています。果たしてどのようなサウンドなのか非常に気になるところです。
スペックはダイナミックドライバー(W9+)が2機、BAドライバーが5機、骨伝導ウルトラドライバー(W10)が一機の8ドラトリプルハイブリッド型で、相変わらずのスペックモンスターです。
インピーダンスは1kHzで4.5Ωと、EMPIREらしく非常に低いです。ちなみにODINは3Ω、Wraithが4Ωです。
ダイナミックドライバーのW9+はHeroとODINに搭載されているものと同じWEAPON IX+。これはLegend Xに使用されているWeapon IX(W9)の強化版で、より大きな直径のコイルを搭載することでスペックに磨きをかけたものだそうです。
他にもODINと同じく不要振動を抑える独自コーティング技術、ARC(Anti-Resonance Compound) Treated Chassisなども搭載されています。お値段こそODINより少し安いですが、フラッグシップモデルと呼んでもいいような立ち位置にいるイヤホンだと思います。
ケーブルはEMPIRE EARSとPW Audioのコラボレーションケーブルで、24AWG 超高純度OCC銅線の4芯構造。端子は日本ディックス製の4.4mmプラグになっています。
あ、そう言えばEMPIREと言えば、Legend Xカスタムが30万、ODINカスタムが47万に値上げしたそうですね。7万もの値上げとは恐ろしい……ユニバにまで被害が及ばないことを祈ります。
音質。圧倒的な低音はLegend Xを凌駕する
それでは音質のレビューに入っていきたいと思います。
アンプはmicro idsd BLを使用しました。
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・アルルカン ジレンマ
まず、このイヤホンを聞いて思ったことは、間違いなくこれはEMPIREの音だ、ということですね。
私は同じEMPIRE EARSのODINを愛用しているのですが、それと非常に音の質感が似ています。
違う点としては、主に低音の量感でしょうか。このLegend EVOは低音が非常に強く、まさに低音お化けと呼べるような仕上がりとなっています。
まず高音の質感は非常に細かくてシルキーです。量感は少ないですが、ESTらしさすら感じられるような非常に細かく分解された音色です。
中音域は少し遠めに定位します。低音域の圧が強いため、中音域メインで聞きたいという人には向かないかもしれません。
低音域は非常に強いです。ここまで低音の量感のあるイヤホンは少ないでしょう。まるでサブウーファーのような、非常に重たい低音です。ただ、質感自体は締まっているのでダボつくこともありません。ヘビー級ボクサーのジャブのようだと表現するのが適切でしょうか。
ではLegend Xと比較するとどうかと言うと、音のクリアさはLegend Xの方が上です。ただ、低音の量感はLegend EVOの方がはるかに上で、比較してしまうとあのLegend Xの音が軽く思えてしまいます。初めてLegend Xを視聴した時はその低音に驚いたものですが、それが今やただの無難なイヤホンにすら思えてしまっています。これには驚きました。
Legend Xは主にサブベース、つまり重低音のみを押し出した質感なのに対し、Legend EVOは低音全体を押し出したような質感なので、かなり音の質感は違います。なのでLegend Xと比べるとLegend EVOはわかりやすいドンシャリでしょうか。
ではODINと比較するとどうかと言うと、これは明確にキャラが違います。ODINはLegend EVOと比較すると遥かに音がクリアですが、低音域の量感は遥かに少ないです。
ヴォーカルはODINの方が圧倒的に近いです。音の抜けの良さもODINの方が上ですね。
心配だった音の軽さに関しては、ODINは中音域が充実しているため特に感じませんでした。明確に使い分け出来ると思いますが、果たしてこの価格のイヤホンをいくつも買うような人はどのくらいいるんでしょうね。
・己龍 虚仮威
やはり、このイヤホンはかなりの低音ホンです。まるで体が振動してるかのような強い低音が特徴的で、こういうメタルな楽曲との相性は抜群ですね。
この曲ではヴォーカルラインは近めに定位します。ただ、音場はEMPIREらしくなかなか広い部類だと思います。
このイヤホンは低音が非常に強いのですが、音の分離感が高いのでしつこい印象を感じません。ここがEMPIREの音の特徴でしょう。圧倒的な音の分離感はバンドサウンド、特にギターとの相性が抜群です。
Legend Xと比較すると、やはりLegend Xの音は軽く感じます。高音はLegend EVOよりよく出ていますしクリアではあるのですが、圧倒的な低音に晒された後ではこの音はどうも物足りません。まるでごっそりと一部の帯域が抜けたような軽さを感じます。
ODINと比較すると、やはり音の傾向はかなり違います。ODINはまるで周りに音が盛れているんじゃないかと思うくらい音の抜けが良く、それと比較するとLegend XやLegend EVOは音場の広さでは一歩劣るかな、という印象ですね。
ただ、やはりLegend EVOの圧倒的な低音を聞いたあとだとODINの音はかなり高域寄りに感じます。そんなことは全くないのですが、そう思わせるくらいLegend EVOの低音は強いです。
・NOCTURNAL BLOODLUST 銃創
やはり、この低音は圧倒的です。この曲では少々やりすぎ感も否めませんが、まるで体が本当に震えているようなこの低音は他のイヤホンではなかなか出せないでしょう。これは骨伝導ドライバーが上手く作用しているのでしょうか。
ヴォーカルは相変わらず少し遠めです。EMPIREで言うとVALKYRIE MKIIもヴォーカルが遠めだったので、そういうチューニングなのでしょう。
そして低音。まるでライブ会場にいるかのような圧倒的な低音は最強クラスの一角でしょうね。ここまでの低音が出るイヤホンと言うと例えば低音調整のできるLayla AIONとかくらいしか思い浮かびません。あとはアンプの低音ブーストとか、それらを駆使してようやく辿り着ける境地でしょう。Legend Xの低音ですら軽く感じられるのですから、その低音たるや相当なものがあります。
Legend Xと比較すると、Legend Xの音はやはり軽いです。低音自体は押し出されてはいるのですが、Legend EVOと比較すると体で体感するような低音を再現出来ていません。その他の帯域は結構似ている気もするのですが、Legend EVOを聞いたあとだと例え10万以上の差があってもLegend Xを選ぶ気にはれないと思います。
ではODINと比較するとどうかと言いますと、やはりODINはEMPIRE最高額のイヤホンだけあって個性が強いな、と思います。具体的には、やはり音抜けの良さ、音場の広さ。そして分離感がこの3機種の中では圧倒的です。
ただ、低音の圧がこの曲ではもう少し欲しい気もしました。ODINの音の広がりとLegend EVOの低音の圧力。それを両立したイヤホンがあれば天下を取れるな、なんて思うので、EMPIREさんにはぜひ頑張って欲しいところです。次はODINに骨伝導ドライバーを搭載したクワトロハイブリッド型イヤホンですかね。名前はRagnarökとかWalhallaとかでしょうか。果たしてお値段はいくらになるのやら、恐ろしいところです。
・こいかぜ ハイレゾ版
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最後にオーケストラの曲をチョイスしたのですが、やはりこのイヤホンの低音のリアルさは凄いです。
この感覚はFinalのD8000を聞いた時も思ったのですが、ここまでリアルな低音をイヤホンやヘッドホンで感じられるのか、という衝撃たるや凄まじいものがありますね。
低音の圧力に耳が負けそうにすらなります。
ヴォーカルラインは相変わらず少し遠めなのですが、それがこの曲では広い音場を再現していい感じになっています。
Legend Xと比較するとどうかと言うと、やはりLegend Xは音が軽いです。低音はかなりリアルだと思うのですが、それでもLegend EVOの圧倒的な低音と比較するとやはり音が軽い。上でも書きましたが、一部帯域が抜けきってしまったかのような違和感を感じます。
ではODINと比較するとどうかと言うと、やはりODINは音抜けの良さと音場がずば抜けています。ヴォーカルも3機種の中でいちばん綺麗で、なおかつ近いですね。
低音自体はODINは三機種の中で一番少ないのですが、ODINの低音は主に重低音のみを押し出したような質感であるため、リアルさはLegend XやLegend EVOに劣ることはありません。
あとがき
というわけであとがきです。
今回Legend EVOを聞いてみて思ったことは、低音は量ではなく質だと言う事ですかね。例えば中華イヤホンなんかだとLegend EVO並に低音の強いイヤホンは結構ありますが、それらは音の質感という点でLegend EVOと天と地ほどの差があります。Legend EVOの凄いところは、低音特化の中華イヤホン並みの低音を保ったまま、その質を極限まで研ぎ澄ました点にあります。そのチューニングたるやさぞかし大変だったことでしょう。
ただ、今回比較した三機種の中で1番好みなのはどれか?と問われると、やはり私はODINと答えますね。Legend EVOも魅力的ですが、ODINはやはり音抜けの良さや音場の広さでイヤホンの域を抜けていると感じました。
Legend EVOに足りないのは高音域の量感と中音域のクリアさ、そして音抜けの良さだと思うので、それを改善した次回作を是非とも期待したいところです。買うとは言ってない。
それでは、以上です。
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