アリエクスプレスのポータブルヘッドホンアンプをレビュー。ディスクリートっぽいポタアンの音質はいかに?

♨の人

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どうも、温泉の人(@otkZLQ2xGa4Fcqb)です。

本日は、アリエクスプレスにて売っているディスクリートっぽいポータブルアンプのレビューです。

アリエクスプレスのリンク

それではどうぞ。




作りはそれなりにいい



届いたものがこんな感じです。なんか変な飾りみたいなものとthank youというカードが入ってました。使い道も入れた意味も分かりませんがなんか面白いですね。

ちなみに扱いはイヤホンケーブル並みです。簡易的なチャック付きの袋に入ったものをプチプチの袋でそのまま梱包して送られてきました。まあその割には状態は綺麗だったので何も言うことはありませんが。


セット内容はポタアン本体、充電用USB-Cケーブル、AUXケーブル、説明書です。
AUXケーブルは布巻きの立派なものが付属していました。USBケーブルは普通のものですが、安い割にtype-Cなのは評価高いんじゃないでしょうか。

ちなみにいわゆるパススルー充電に対応しているので、充電しながらでも使用できます。ただ、出力の高いUSB充電器(PD充電器)では充電出来なかったので、出力の弱めなACアダプターを用意することをおすすめします。


説明書は簡素な感じです。一応ゲインごとの対応インピーダンスとかが書いてありますね。

あと、このヘッドホンアンプは機種名らしい機種名がないため、この記事ではEar-to-ear instructions、略してEar-tu-earと呼ぶことにします。


本体です。見た目だけではとても2000円以下とは思えない出来です。透明のパネルがプラスチックだったりボリュームノブがプラスチッキーだったりと荒い部分もありますが、遠目から見れば有名メーカーのディスクリートアンプに見えることでしょう。


裏面はこんな感じ。本体はアルマイト加工されたアルミでできており、micro idsd BLをなんとなく彷彿とさせる質感です。


本体下部には充電ランプとゲインスイッチ、充電用のUSB-Cポートがあります。上部には3.5mmLINE INジャック、3.5mmイヤホンジャック、PWRランプ、ボリュームノブがあります。ボリュームノブは電源も兼ねているタイプです。


電源を入れると赤く光ります。やっぱディスクリートアンプを意識してますよねコレ。まあこの値段でディスクリートなわけも無いのですが、オーディオにおいては見た目も重要なのでこういうアンプは所有欲を満たしてくれそうです。
(このアンプは複数のセラーにて取り扱われており値段もまちまちなのですが、商品名にクラスAと書いてあるセラーもいました)

ちなみにこのヘッドホンアンプを手に取って驚いたこととして、非常に本体が軽いということが挙げられます。とは言ってもFX-Audio PH-01Jよりは重いので、安価なポタアンとはこんなものなのでしょう。

アナログアンプですので、ハイレゾ対応とかハイレゾ非対応とかは関係ありません。上流のDACがハイレゾに対応していればそのデータを増幅するだけです。






安価なポタアンにありがちなホワイトノイズがない



まずは恒例のCampfire Audio ANDROMEDA 2020でのホワイトノイズチェックです。これは正直なところ驚きました。あのANDROMEDAですら、ローゲインならホワイトノイズがほとんど聞こえないレベルでしか鳴っていません。ハイゲインでようやくPH-01Jくらいのホワイトノイズレベルになります。


EMPIRE EARS ODINのような超低インピーダンス(3Ω)でもローゲインならホワイトノイズは全く聞こえません。ハイゲインでやっとローゲインのANDROMEDAくらいになります。

安価なポタアンというとホワイトノイズが付き物だと思っていたのですが、どうやらこの機種はノイズ対策をかなりしっかりと行っているようです。

アナログポタアンと言うと2万円ほどのfiio E12ですらホワイトノイズは結構あるため、ホワイトノイズがないという時点でかなり出来がいいと思ってしまいますね。




音質。高解像度で抜けがいいドンシャリサウンド


それでは音質のレビューに入っていきます。

今回はDACにmicro idsd BL、イヤホンにEMPIRE EARS ODINを使用しました。





・己龍 百鬼夜行


まず、このポタアンの音を一言で表すなら解像度高めのドンシャリ、という感じです。

かなり高域が強めに出ており、音の抜けは非常にいいです。反対に低音はあまり出ておらず、音の艶感などには乏しいです。

ただ、2000円でこの音のクオリティは凄いです。スマホ直挿しと比較するとかなり解像度が高くスピーディーな音色で、十分にこのヘッドホンアンプを通す意味を感じられます。

比較として用意したPH-01Jは反対に低音が強めで、音の色艶を感じられる音色です。こちらもスマホ直挿しと比較すると音はかなり改善していると思います。

比較すると、Ear-tu-earの方が解像度は明らかに高く、音抜けもこちらの方が優秀です。

ただ、Ear-tu-earは多少音の硬さがあるため、聞き心地の良い音なのはPH-01Jでした。Ear-tu-earはかなり寒色系のアンプなので、暖色系のイヤホンやヘッドホンと相性が良さそうです。

一応micro idsd BLと比較してみると、やはり値段が値段なだけあって差は歴然です。高音域が強めに出てスピーディーな音色という所は似ているのですが、micro idsd BLは低音域がしっかりと分離よく十分な量感で出ているため、圧倒的な解像度がありながら音に深みがあります。

ただ、Ear-tu-earも値段の割にはかなり検討していると思います。上流にmicro idsd BLを通しているとはいえ、2000円以下でこの音は素晴らしいでしょう。

ちなみに上流をスマホにしてもそれなりに音はいいです。どちらかと言うとスマホの方が高音が弱まり、低音が相対的に強まることで艶感は強くなっていますね。ただ、音の分離が甘くなってしまっているため、やはり上流はいいものを通した方がいいと思います。






・アルルカン SynoyM[再録]


やはり、このアンプは解像度高めなドンシャリという言葉が似合います。低音域はそこまで主張が強くなく、高域は強めに出て、スピーディーで粒立ちのいい音ですね。

PH-01Jと比較すると、やはりPH-01Jは低音域が強めに出た艶のある音色です。中華のドンシャリにありがちな低音域が波のように迫ってくる感覚が好きならこちらの方が合うでしょう。

ただ中音域の解像度が高いのはEar-tu-earです。低音域もしっかりとほぐれて出ているため、ヴォーカルラインが綺麗に聞き取れますね。

ちなみにmicro idsd BLとの比較ですが、この曲ではmicro idsd BLとの差が露骨に出ています。まず、micro idsd BLの高域は耳障りになる部分が上手くカットされたような高域で、Ear-tu-earと比較すると解像度を下げることなく聞きやすい音色に上手く分解されています。

そして中音域の押し出しがmicro idsd BLは素晴らしいです。Ear-tu-earと比較すると非常に艶感があり、また低音域もmicro idsd BLは非常に濃密で尚且つ粒立ちのいい低域を鳴らします。

とは言っても値段が値段です。Ear-tu-earは2000円以下です。それでこの音を出せるなら、高価なアンプはどこにそんなに金がかかってるんだ、と思いたくなる人も出てくるかもしれません。今回は上流にmicro idsd BLを通しているとはいえ、そのくらい完成度は高いです。



・Lynch. CREATURE



やはり解像度が高めでスピーディーな音色ですね。こういうラウドな曲でも音がボワつかず、綺麗に分離された音色です。

PH-01Jと比較すると、PH-01Jは低音域がやはり強めで、ドラムのキックの質感などはかなり差があります。Ear-tu-earがソリッドなアタック感なのに対し、PH-01Jはかなり濃密でどっしりとした質感です。

また全体的な質感にもかなり差があり、PH-01Jがまろやかでニュートラルな音色なのに対し、Ear-tu-earは広域が強めのシャリっとした寒色系のサウンドです。そのため、合わせるイヤホンや曲のジャンルによってはシャリ付きが少し気になるかもしれません。

ちなみにmicro idsd BLとの比較ですが、micro idsd BLの方がやはり高域のコントロールが上手いです。解像度は高いのですが、耳障りになる一歩手前できちんと音を抑えているという感じです。比較するとEar-tu-earの高域は暴れ気味で結構耳につきますね。

そして低域。Ear-tu-earも悪くないのですが、micro idsd BLの低域は濃密で艶があり全体的な音のスケール感を底上げしています。また、歯切れもmicro idsd BLの方が上ですね。





・Drastic Melody


やはり、このアンプは高域成分が細かなところまで押し出された音色だと感じます。ハイハットの音色が非常に目立つため、ソリッド系の音が苦手な人には合わないかもしれません。

PH-01Jはやはり音に艶があり、なおかつ低域にパワーがあります。この曲に関してはPH-01Jの方が上手く鳴らせているな、という感じですね。

ただ、中音域のクリアさはやはり圧倒的です。非常に見通し、音抜けが良く、現代的な音色だと思います。

ではmicro idsd BLとの比較ですが、この曲ではmicro idsd BLが圧倒的です。低音域の濃密ながらしつこくない、なおかつ歯切れのいい響きが素晴らしく、それと比較するとEar-tu-earは力のなさというか、表現力の低さをどうしても感じてしまいますね。

ただ、値段の割にはかなり検討していると思います。前にAmazonで買った2000円くらいの大型USB-DACは音もクソだしホワイトノイズも多すぎるしでろくな代物ではなかったので、この値段でこの音質ということに感動すら覚えます。


ちなみにパワーを確かめるため、鳴らしにくいヘッドホンである平面駆動型のT60RPも鳴らしてみました。インピーダンスは50Ωのため音量はバッチリで、ボリュームノブは最低レベルまで絞っても十分でした。ちなみにギャングエラーはほぼありません。


音の質感としましても、少し高域に歪みっぽさはありますがmicro idsd BLで鳴らした時と極端な差は無いため、パワーは十分だと思います。


他にもbeyerdynamic T5P 2ndなんかも鳴らしてみましたが、音量はうるさすぎるくらい取れます。パワーは嘘偽り無しですね。






ハイパワーで高音質。色んな人におすすめできる激安アンプ


あとがきです。このアンプ、正直いってかなりおすすめ出来る商品だと思います。

この値段でこの音質、このパワーのヘッドホンアンプが買えるということに驚いています。どうせ見た目だけの雑魚アンプだろうなと思っていたので、期待をいい方向に裏切られました。

変なホワイトノイズもないので、今現在スマートフォンやPCにイヤホンを直挿ししているという人にはもちろんおすすめ出来ますし、それなりのオーディオマニアの方にもよく出来たネタ商品としておすすめできる代物です。

廉価グレードの中華イヤホン1本程度の値段で買えるので、是非購入してみてください。

それでは、以上です。


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