Acoustuneの新ブランド、MADOO (マドゥー) Typ711の音質をレビュー。非常に独特なサウンドのイヤホン
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本日は、Acoustuneから現れた新たな日本のハイエンドイヤホンブランド、MADOO (マドゥー)の新作イヤホン、Typ711の音質をレビューしていきたいと思います。

引用:https://www.madoo.jp
それではどうぞ。
スペック。多ドラが特徴のブランド
ダイナミックドライバー1機構成に拘っていたAcoustuneとは違い、MADOOは多ドラを採用したイヤホンを作るブランドなようです。
ドライバー構成はマイクロプラナードライバー 3基+バランスドアーマチュアドライバー2基。
マイクロプラナードライバーというのは、プラナーダイナミックの技術を用いたドライバで、高度に薄板を加工した金属製の箱の内部に、メンブレン形状の軽量金属合金、スーパーエンプラを組み合わせた高い剛性を持つ複合材料の振動板に平面上のコイルが接合されており、強力なマグネットにより振動板を駆動する方式のドライバです。
コイルで振動板を直接駆動するため、ダイナミックドライバーのような迫力ある音色でありながら、高い剛性を持つ複合材料振動板を使用することで締りのあるクリアな音を生み出すそうです。Typ711には低域用、中低域用、高域にそれぞれ3種類のカスタムドライバが搭載されています。
ハウジングはスイスや日本の高級時計や、ドイツ製自動車などの切削工具を手掛けた金属加工を熟知したエンジニアにより設計されています。CNC加工のステンレス製ハウジングだそうです。
Acoustuneから発足したブランドだけあって、MADOOもハウジングの剛性が音質に影響があるという思想を持っているようです。実際適当なマルチBAをビニールチューブでまとめただけのイヤホンなどはともかく、ダイナミック型ドライバなどを搭載したイヤホンというのはシェルの形状や材質により音が随分変わるので、これは正しい考えだと私も思います。
イヤホンのフェイスプレートのデザインは潜水艦や時計の窓をイメージしているようで、材質にはサファイアクリスタル(サファイアガラス)を採用しているようです。
サファイアクリスタルはモース硬度が9(ダイヤモンドの10次ぐ数値)と傷が付きにくいため、時計とかによく採用されてる素材ですね。
ちなみにアダマンド並木精密宝石による日本国内製造のパーツだそうです。
ケーブルにはAcoustuneカスタムの銀メッキ銅線の4芯ケーブルを採用。コネクター部には日本ディックスのPentaconn Earコネクターを採用しています。
インピーダンスは16Ω、再生周波数帯域は20Hz~20kHzです。
高域が非常に独特なサウンド。好みが極端に別れそう
それでは音質のレビューに入っていきます。
アンプはmicro idsd BLを使用しました。
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・己龍 虚仮威
まず、このイヤホンの音ですが、かなりシャキシャキとした歯切れのいいサウンドです。音抜けはかなりいいほうだと思います。
ただ、少し高音域の主張が激しすぎて、なんだかザラっとした質感も否めません。楽器の音ではなくノイズのような音色に感じてしまうこともあるので、その辺が少し気になりました。
低音域はそこまで出ていません。量感はそこそこあると思いますが、そこまではっきり主張してくる感じでも無いです。
なんというか、高音域の質感が今まで聞いてきたどのイヤホンとも違う独特な感じです。楽器の音色よりさらに上の非常に高い部分を押し出したようなジャリっとした音色で、なんとも表現しがたい感じの音ですね。
・アルルカン ジレンマ
やはり、かなり歯切れのいいサウンドです。ただ、同時に独特の高音域のザラっとした感じもやはり感じます。
この感覚をどう取るかでこのイヤホンの評価はかなり割れると思います。私はあまり好みではありませんが、この独特のジャリジャリ感が好きという人には対抗馬も見つからない独特なイヤホンとなり得るでしょう。
実際、ここまで高音域がジャリジャリのイヤホンは存在しないと思います。例えばマルチBAだとザラっとした感覚はありつつもここまで露骨では無いですし、ダイナミックドライバーならもっとザクっと刺さってくるような鮮烈な高域になるので。
・キズ 平成
やはり、かなり音はソリッドで、尚且つジャリっとしています。シルキーとは対極の位置にいるようなイヤホンですね。
音場はそれなりに広いと感じますが、定位がそこまではっきりしている感じではなく、音像は結構大きめというか、輪郭は掴みにくいです。
開放型ヘッドホンの音色に少し近しいのかな、なんて感覚もあります。ただ、やはり高域の独特のノイジーさはよく分かりません。
・Drastic Melody
このイヤホンですが、合わせる曲によって評価が極端に割れそうだな、なんて感じました。
例えば上の平成ではかなりジャリジャリとした質感があり少し不快でしたが、この曲ではそこまで主張が強くありません。
この曲は低域が丸めのミックスになっているので、それもあるのだと思いますが、上の曲ほどジャリジャリ感が気にならないです。
ただ、それでもやはり高域はかなりシビアです。刺さるわけでもなく、量感が多いわけでもなく、ただただジャリっとしている。そんな感じですね。
中音域、低音域はハイエンドイヤホンとしてはまあ及第点だと思います。特に秀でた部分も見つかりませんが、悪い点も特にありません。というか、高域の独特な質感に全てが多い隠されているような気がします。
やはりこの独特な高域をどう取るかで評価は割れそうです。実際、Eイヤホンでは秋葉原店以外は在庫切れなので、この音を気に入っている人も結構いるようですし。
あとがき
というわけで、Acoustuneの新製ブランド、MADOO Typ711のレビューでした。
非常に独特な音色なので、ライバルは存在しないと思います。実際、今回のレビューでは他のイヤホンと比較する気も起きませんでした。それくらい特殊で個性のある音をしています。
とりあえずこのイヤホンに関しては無試聴凸はオススメしませんね。
それでは、以上です。興味があれば関連記事もご覧下さいね。
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