エディオン全店にて販売開始。Fiio JD3 Silverの音質をFinal E3000と比較レビュー
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本日は、中国Fiioより販売されているエントリー価格帯のイヤホン、JD3 Silverのレビューになります。
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それではどうぞ。
全国のエディオンにて販売中
ただいま、エディオン様【全店】にて、セミオープンタイプのイヤホン「JD3」を展示中です。FiiOにとっては、エディオン様初の全店展示商品となります。この機会に是非FiiOのイヤホンのサウンドをご体験ください。製品情報は以下よりご確認いただけます。#エディオン #FiiOhttps://t.co/cFpJ0lFMTf pic.twitter.com/eJhg4qZM1W
— FiiO Japan (@FiiO_Japan) May 2, 2022
私がこのイヤホンをレビューしようと思ったきっかけがこのツイートです。
Fiioというとオーディオマニアの方は誰でも知ってるような超有名メーカーですが、この手のオーディオマニア向けメーカーのイヤホンと言うとそこらの家電量販店で扱われることはほとんどありません。
しかし、今回は家電量販店のエディオンで、しかもそれもなんと全店で販売中という話じゃないですか。これはレビューせざるを得ないでしょう。
ただ、調べてみたところ私の住んでいる地域はエディオンの店舗数が極端に少なかったので、私はeイヤホン秋葉原店にて購入させてもらいました。
スペック、見た目、音漏れなど。マイク付き。セミオープンならではの弱点も

外箱はこんな感じです。この価格帯のイヤホンとしてはプラのハードケース入りは珍しいと思います。

中身はこんな感じ。内容物はイヤホン本体、イヤーピース、保証書です。

付属のイヤーピースは一般的な形ですが、Sサイズだけなぜか先が極端に細った形の特殊なものが付属していました。

ハウジングは繋ぎ目のないユニボディー構造によるステンレススチール筐体です。ちなみにマイク付きです。

背面は赤と青のメッシュになっており、ここから音が抜けるためセミオープン型のイヤホンとなっています。ちなみにこの赤と青の色分けされたハウジングは使ってみるととても便利で、即座にLとRが判別できるのでかなり有意義だと感じました。
ドライバーは複合素材振動板による9.2mm大口径ダイナミックドライバーを採用。他にハウジング内部に不要な定在波を除去する吸音材を配置しているそうです。
セミオープン型なので、流石に遮音性は低めです。ただその分嫌な閉塞感も控えめなので、カナル型イヤホンの密閉感が苦手、という人にはおすすめ出来ると思います。
インピーダンスは16 Ω (@1KHz)、音圧感度は107dB/mW(@1KHz)、再生周波数帯域は10Hz~40kHzでハイレゾ認証を受けています。最大入力は100mWです。
音質。ヴォーカルがクリアで低音の迫力がとても強いドンシャリサウンド
それでは音質のレビューに入っていきます。
アンプはPro idsd+Pro iCANを使用しました。モードはDSD1024、トランジスターです。
ダイナミック型らしくノイズには強いようで、Pro idsd+Pro iCANのようなハイパワーな据え置き型アンプでもホワイトノイズなどはほぼ聞こえません。インピーダンスは16Ωと平均的ですので、やはりノイズに関してはダイナミックドライバは強いと感じますね。
・アルルカン SynoyM[再録]
まず、このイヤホンですが、半開放型と言うだけあって背面のメッシュから盛大に音が漏れます。音質を追求した結果なので仕方ないのですが、電車などで使用するのは控えた方がいいでしょう。
さて、このイヤホンの音ですが、端的に言うなら音は低音重視で、非常に分厚い低音が出ています。
同じ価格帯ということで、今回は比較対象としてFinalのE3000を用意しました。こちらの方が少々価格は高いですが、現在市場で取引されている価格は同じくらいでしょう。
能率はFinalのE3000の方が悪いです。さすがは安価なくせに鳴らしにくいと言われるだけはありますね。ちなみに閉塞感はE3000の方がより少ないです。
音としてはFinalのE3000の方がどちらかと言うとフラットですが、音の解像度はJD3 Silverの方が格段に高く、また音のメリハリがあるのもJD3 Silverなので、音楽を楽しくリスニング出来るのはJD3 Silverだと感じました。
特にその違いを認識できるのが高音域の鳴り方とヴォーカル帯域で、E3000と比較してJD3 Silverは高音域のシャリっとした質感が重たい低域に多い隠されず素直に出ています。つまりよりドンシャリ傾向にあります。
また、ヴォーカル帯域もその分厚い低域にマスキングされることなく綺麗に出ているため、この曲を聴く限りではE3000よりも私は一般受けしそうな現代的な音だと感じました。
空間表現はE3000の方がよりスケール感が大きく、クラシックなどを聞くのならE3000でもいいと思うのですが、ヴォーカルを綺麗に聞きたいという場合はJD3 Silverの圧勝ですね。
高音域はあまり主張は激しくありませんが、それなりにソリッドで解像度の高い高音だと思います。
中音域はメリハリと解像度が素晴らしいです。ヴォーカルが綺麗に聞こえ、さらに1歩前に迫り出したかのような位置に定位してくれるため、ヴォーカルを綺麗に聞きたいという人には最適な音作りです。
低音域は非常に分厚いです。かなり低音の迫力があるので、セミオープンながら音の情報量は多く濃密な部類だと感じます。
・己龍 私塗レ
やはり、分厚い低音と、楽器隊から1歩前に迫り出したかのような近いヴォーカルの定位感が特徴的です。ヴォーカルを綺麗に聞きたい、という欲求と、低音の迫力が欲しい、というふたつの欲求をいいバランスで満たしてくれます。
FinalのE3000と比較すると、やはりE3000はJD3 Silverと比較して音がフラットです。しかし、ヴォーカルの解像度、近さなどはやはりJD3 Silverの方が上です。
なんというかE3000はとてもバランスのいい音なのですが、ある帯域が押し出されたりしていないため、少々大人しさが否めない音質です。それと比較するとJD3 Silverは少々じゃじゃ馬感があるのですが、現代のポピュラー音楽を聴くならこのくらいがちょうどいいという人も多いと思います。
高音域はやはり主張は激しくないですが、それなりにソリッドに出ます。シンセ音やハイハットの音色などがしっかりと聞き取れるので、やはりドンシャリ傾向にあります。
中音域は上でも書いたようにヴォーカルの分離感が高く、現代的な音作りです。ヴォーカルだけが楽器隊から1歩前に出たような定位感なので、ヴォーカルを綺麗に聞きたいという人にもおすすめできる一本でしょう。
低音域は非常に重厚です。サブベースからミッドベースまでバランスよく押し出された音のバランスで、非常に濃密ながら上で書いたようにヴォーカルの分離感がいいためしつこい印象を与えません。
・BabyKingdom 満天モンキーウェイ
やはり、ヴォーカル帯域がとても綺麗で聞き取りやすいです。低音域がここまで濃密ながら、ヴォーカルの音の線がぼやけていないのは素晴らしいと感じます。
低域が分厚いためもっと寒色系でドライな音を求める人には向かないかもしれませんが、ニュートラルなサウンドのドンシャリが好きならこのイヤホンはなかなかいい選択肢になるでしょう。
FinalのE3000と比較すると、やはりE3000はフラットなのですが、JD3 Silverと比較するとそこまで音に面白みがありません。もっとわかりやすく言うなら真面目すぎるという表現が適切でしょう。
ヴォーカルが前にせり出したり、低音がズンドコ鳴ったり、そういうわかり易い特徴がないため、ぱっと聞いただけでは良さがわかりにくいイヤホンです。もちろんじっくりと聴き込むと良さがわかってくるのですが、大抵の人はJD3 Silverの方が高音質だと感じるでしょう。
高音域はやはり主張こそ激しくないものの質感はかなりソリッドです。少々刺激的なので、静かに音楽に浸りたいという人はE3000を選んだ方がいいと思います。
中音域はヴォーカルのせり出しが素晴らしいです。楽器隊より明らかに一歩前に出て定位するので、ヴォーカルをメインで聞きたいというユーザーには非常に嬉しいチューニングでしょう。
低音域はかなり濃密で重厚ですが、セミオープンだからかそこまでしつこい印象は受けません。特に強調されているのがベース帯域なので、ベースのズンズン言う音が好きという人にはかなりおすすめ出来ます。
・堕ちる果実
やはり、ヴォーカルのクリアさと低音域の迫力が素晴らしいです。この曲ではヴォーカルがLRと揺れるパートがあるのですが、その臨場感もかなり高いと感じました。
ストリングスの音色も非常に綺麗で、低音が分厚いため音の臨場感はバッチリです。特にベース帯域の押し出しがすごいのですが、この曲ではギターのブリッジミュートなんかも聴きごたえがありますね。
FinalのE3000はこの曲ではようやく真価を発揮できているという感じではありますが、それでもやはりヴォーカルの近さやクリアさ、低音の迫力、メリハリなどはJD3 Silverの方が上です。ただストリングスの音色はE3000の方が繊細で綺麗だと感じました。あと、上でも書きましたが音場表現と定位感が自然なのはE3000です。また、バランスがフラットで、音像の輪郭を誇張させたりしないのもE3000だと思います。
スマホ直挿しで聞いてみた
Pro idsd+Pro iCANは流石に何がなんでも大袈裟だろという声も聞こえてきそうですし、大抵の人はこの価格帯のイヤホンというとスマホや付属のドングル型USB DACで聞くと思うので、一応スマホでも音質を確認してみました。
スマホ直挿しだと、低音域が少々弱まって、相対的に高域が少し強めに出る感じです。Pro idsd+Pro iCANと比較して、より音の輪郭がクリアになって、しつこい感じが減りました。そこまで高出力な機器は必要ないタイプのイヤホンだと感じます。
スマホ直挿しのE3000と比較すると、E3000はスマホだと結構なドンシャリで、キャラクターがだいぶ違うのに驚きました。ただ、やはり能率が悪くスマホの音量を最大付近にしないと十分なリスニング音量が得られませんでした。
スマホでも、低音が強いのはJD3 Silverです。ヴォーカルに関しては迫り出したかのようなあの感じは少しなりを潜めているので残念ですが、Pro idsd+Pro iCANの音は少々低域が強すぎる感じだったのでこれはこれで悪くありません。
あとがき
というわけで、全国のエディオンにて販売されているFiio JD3 Silverのレビューでした。
あまりオーディオに詳しくない人からすると中国のメーカーなんて……と思うかもしれませんが、中国はもはや日本のオーディオメーカーを超えた水準の音を普通に出せるレベルにありますし、その中でもFiioは超有名でDAP、据え置きアンプ、ポタアン、イヤホンなど色々作っている音質にも定評のあるメーカーです。
というわけで、視聴できる店舗もあるみたいなので、家の近くにエディオンがあるという人は是非立ち寄ってオーディオコーナーを探索してみてください。
それでは、以上です。
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