JSHiFi-晨 Shinの音質をレビュー。激安ながら音に個性のあるリケーブルブランドの新作
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本日は、JSHiFiより販売されている晨 Shinというケーブルのレビューになります。
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それではどうぞ。
4芯の銀銅混合ケーブル

パッケージはいつものJSHiFiという感じです。有名になってきましたしそろそろメーカーロゴのひとつでも入れていいんじゃないかと思うんですが、その辺はどうなんでしょうね。

ケーブルは4芯ですがかなり太いです。しかし、かなり柔らかく取り回しは同じJSHiFiの白龍と比べると非常に良好です。
JSHiFiは中華リケーブルのブランドなのですが、登場は2021年と比較的最近の新興ブランドです。その音質とコストパフォーマンスの高さで話題を呼び、今ではKBEAR、NICEHCKと並んで中華リケーブルではとりあえずこれ、というような有名ブランドになりました。私は個人的にJSHiFi ZHXという2.5mm→3.5mmのケーブルを愛用しています。音質の変化もなく、見た目も高級感のあるいい変換ケーブルだと思います。
ちなみにこの手の中華ブランドでは珍しく、JSFiFiはアリエクスプレスではなくAmazonをメインの販売店としており、日本ユーザー的には親しみやすい存在です。
ちなみに私は個人的にJSHiFiの白龍というケーブルを非常に高く評価しているため、今回の晨 Shinにも期待しています。ハイエンド志向のブランドとは違いJSHiFiは安価なケーブルで個性のある高音質、というのが特徴のブランドなので、所詮数千円のケーブル、などと侮ってはいけません。むしろ安い割にメーカー固有の音というのを明確に持っており、法外に高いオカルトメーカーへの警鐘ともなり得る存在です。
(まあオカルトメーカーマニアの人は聞く耳を持たないでしょうが……)
線材には銀メッキと無酸素銅の線材を混合で採用しており、見た目にもそれが現れています。手編みで制作されているそうですが、ここまで安いのにハンドメイドというのはやはり中華の強さを感じさせます。
ビルドクオリティは高いです。ケーブルスプリッターやコネクター部分もしっかりとしたガンメタルの金属製パーツで、銅線丸出しの色味と相まって非常に高級感がありますね。
また、コネクター部分やプラグ部分の作り込みが白龍に比べて格段に良くなっています。これは安価なShadowでも感じたので、メーカーの成長を感じられて好感が持てます。
音質。やはりJSHiFiの音は個性があり楽しい
それでは音質のレビューに入っていきます。

今回は、JH Audio Laylaに装着してみました。
このイヤホンは発売が2015年と、かなり古いモデルです。中古の玉数もかなり減っているので、もうそろそろヴィンテージイヤホンの仲間入りですね。とは言ってもLaylaは未だにJH AudioのカスタムIEM最上位モデルなので、音質は決して最新イヤホンに見劣りしないクオリティです。
ちなみにこの変換コネクタなのですが、このコネクタは純正ケーブルと比較すると低音調整ダイアルの効きが弱く、低音域が弱くなってしまうため、低域最大で純正ケーブルの中くらい、という感じです。私は普段Laylaを低音調整1時の方向で使っているので、この変換コネクタの場合最大でトントンと言った所でしょうか。
アンプはifi audio Pro idsd+Pro iCANを使用しました。モードはDSD1024、トランジスタです。
・NOCTURNAL BLOODLUST A bullet of skyline
まず、このケーブルは間違いなくJSHiFiの音です。低域のアタックが強くなり、ドラムの粒立ちが向上するこの感じ。非常に私好みです。
特に鮮烈かつ重厚、そしてタイトなアタックが特徴的なので、JH Audioユーザーなどは好みなタイプの音ではないでしょうか。ラウドな音楽との相性は抜群です。
KBEAR KBX4919と比較すると、全体的なアタックの推しの強さはやはりJSHiFi 晨 Shinが圧倒的です。特に晨 Shinドラムのアタックの鮮烈さと強烈な分離感を聞いたあとだと、KBX4919は随分とマイルドな音色に聞こえてしまいます。
全体的な解像度は晨 Shinの方が高いです。というのも、KBX4919は音がふわっと広がるような感じのサウンドなため、音の分離があまり良くなく、この曲に関して言えばKBX4919と晨 Shinを聞き比べると露骨な解像度の向上を感じてしまいました。
純正ケーブルと聴き比べてみると、やはりアタックの鮮烈さに関してはやはり晨 Shinは圧倒的で、純正ケーブルを遥かに凌駕しています。純正ケーブルの方が音の広がりは上ですが、解像度の面で見ても晨 Shinは全く劣らないどころかむしろ上がっているように感じます。この純正ケーブルも1万円以上するケーブルなのですが、私は晨 Shinの方が好みでした。
・BabyKingdom 満天モンキーウェイ
この曲でも、音の傾向は上の曲と同じでした。晨 Shinは明らかに中音域が太くなり、音のアタックが強くなります。それと比較して、KBX4919は全体的に均一でまろやかな鳴り方です。
この曲に関しては、KBX4919の方が好みでした。晨 Shinはヴォーカル帯域が少し太くなりすぎて聞き取り辛く、アタックも強いため少し聞き疲れしそうです。
純正ケーブルと比較すると、この曲に関しては純正ケーブルの方が好みでした。晨 Shinは明らかにアタックが強くなり中音域が太くなるのですが、やはりヴォーカルをクリアに聞きたい場合少し押しが強すぎる感じがします。
ただ、音の情報量の多さに関してはやはり晨 Shinが圧倒的でした。さすがにLayla+晨 Shinは濃厚すぎるため好みが極端に別れると思いますが、味付けの薄いイヤホンや艶のないイヤホンに味付けするにはこのくらいがちょうど良さそうです。
・アルルカン リブラ
まず一聴して思うことは、低域、特にベースラインの重さです。ずっしりと沈み込むようなベースの重厚な響きがとても素晴らしいです。
上の曲では少し気になったヴォーカルのぼやけ感もこの曲では気になりません。この曲は少しミックスがハイ上がりなのですが、それと上手くマッチしていると思います。
そして、やはり強烈なアタックは潜在です。JSHiFiは安価なケーブルから比較的高価なケーブルまで音が一貫しているのが面白いですね。
KBX4919はやはり晨 Shinと比べるとマイルドです。全体的に音のバランスが取れており、低音から高音まで満遍なく鳴らしている感じがあります。しかし、晨 Shinと比べると少し個性が薄いかな、なんて気がします。長時間リスニングするならこのくらいマイルドな方がいいと思いますが、ぱっと聴いて高音質、という感じなら間違いなく晨 Shinの方がいいと思います。
純正ケーブルは純正なだけあってかなりバランスの取れた鳴り方です。ヴォーカルラインは綺麗に聞き取れますし、低域のアタックも程よく、非常に心地のいいサウンドです。ただ、晨 Shinと比べると解像度の差が歴然で、やはりぱっと聞きで高音質なのは晨 Shinですね。
・Palette
やはり、晨 Shinは解像度が高いですね。音のキレが良く、俗に言うスピード感のある音、だと思います。ただ、この曲では少しヴォーカルの歯擦音が刺激的かな、という印象もあります。
KBX4919に関してはやはり晨 Shinと比較してマイルドな音色です。少し緩いとも言えますが、晨 Shinで気になっていた歯擦音はこのケーブルでは全く気になりません。ただ、やはりスピード感に関しては晨 Shinが圧倒的だと感じました。
純正ケーブルはKBX4919と比較してさらに音が緩く、音の広がりがいちばん露骨だと思います。ただ、かなりの美音で、ヴォーカルがとても伸びやかな為、この曲では純正ケーブルが一番好みです。
ただ、やはり晨 Shinは解像度の高さ、スピード感に関しては圧倒的ですので、好みはあると思いますが一本は持っておいて損は無いケーブルだと感じますね。
あとがき
というわけであとがきです。JSHiFiはやはり音に個性があって非常に面白いブランドだなと感じる一本でした。
リケーブルというとエビデンスのない訳の分からない高額なヴィンテージ金メッキクライオ処理金ハンダロジウムメッキプラグみたいな製品を売っているメーカーもあり、さらにそれを喜んで買うユーザーもいる非常に恐ろしい界隈でもあるため、私は個人的にあまり好き好んでおらず、メインのイヤホンはどれも純正ケーブルで使っています。
ただ、この手の低価格ケーブルであれば私は試してみてもいいかな、と思えますし、実際音も個性的で優れているため個人的におすすめできます。むしろ、変に高額なケーブルを買うより、このような安価なケーブルを数本所有して付け替えて遊ぶ方がコストパフォーマンスは高いと思います。
というわけで、本日はここまでとなります。
それでは、以上です。
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