オーディオ初心者の為の用語・単語集。イヤホンやヘッドホンのスペックなどについて【ブログ】

♨の人

-

スポンサーリンク

どうも、温泉の人(@otkZLQ2xGa4Fcqb)です。

本日は、オーディオ初心者のための、よく使われている用語についての解説記事になります。それではどうぞ。





イントラコンカ型イヤホン


中華イヤホンなどの話題でよく使われる単語です。これは単純にインナーイヤー型イヤホンのことを指す単語です。

インナーイヤー型イヤホンというのは耳甲介腔にはめて使用する古典的なイヤホンの事です。Appleの純正イヤホンや、AirPodsなんかがそうですね。

このタイプのイヤホンは遮音性も低く音漏れも多いですし、カナル型イヤホンと比較して音質も良く作りにくいのでほとんど淘汰されてしまいましたが、今でも根強い人気があるようで中華イヤホンなどではこの方式を採用したものが結構新作として出たりしています。







インピーダンス


インピーダンスというのは、簡単に言うと抵抗のことです。この数値が高ければ高いほど同じ出力でも音量は小さくなりますし、逆に低ければそれだけ音量は大きくなります。
(音圧感度によっても異なります)

よくヘッドホンおすすめランキング!みたいなサイトではインピーダンスが高いほどノイズに強いので高性能、なんていう記載がありますが、あれに関しては無視していいです。

インピーダンスが高ければ高いほど鳴らしにくいので、スマートフォンなどで使用するヘッドホンは高くても50Ω程度のものが望ましいです。プロっぽいし評価もいいからと言ってHD600なんかを買うと、スマホじゃ満足に鳴らせず、音量も出ないし音もスカスカ、なんてことになってしまうので、既にアンプを持っているという人でもなければヘッドホンを購入する際はインピーダンスは必ず見ておきましょう。

イヤホンの場合はインピーダンスが低いので問題ないかと言うと、そういう訳でもありません。具体的には、インピーダンスが低ければ音量を出しやすいことは間違いでは無いのですが、インピーダンスが低ければ低いほど逆に電流を多く必要とします。特に最近の高級機はインピーダンスが極端に低いものが多いです。
(EMPIRE EARS、64 audioなど……)

そなため、非力なアンプやそれそこスマホとかだと電流が不足して音が歪んだりします。
(とは言ってもそこまで極端にわかるほど音が歪んだりした経験は今のところありませんが)

また、シングルBAや多ドライバのマルチBAなどの場合、インピーダンスのアップダウンが激しく、スペック上のインピーダンスは参考にならないものが多いので、この手のモデルにも注意が必要です。このようなモデルの場合、特定帯域だけ極端にインピーダンスが低かったり、逆に高かったりするので、鳴らしきるためには高性能なアンプが必要になります。
(音量とはまた別問題です)








リケーブル


リケーブルとは、イヤホンのケーブルを交換する行為を指します。

高級イヤホンや中華イヤホンなどはケーブルが着脱できる仕様になっているものが多いので、リケーブルで音をカスタマイズするというのはもはやマニアの常識のようになっています。最近は自作ケーブルなんかが流行っていますね。

よく「たかが電線を変えただけで音が変わるわけない」とオカルト扱いされますが、実際はケーブルにも抵抗やクロストークなどの問題があるため、良くも悪くもリケーブルにより音は変化します。また、それ以外にもタッチノイズや絡まりの解消など取り回しを良くすることも出来るので、リケーブルは可能であるにこしたことありません。

ただ、リケーブルにも当然オカルト要素はあります。それについては下記記事をご覧下さい。


注意としまして、リケーブル可能=何度も抜き差しできる、という訳では無いので、そう頻繁に抜き差しすることはおすすめ出来ません。

例えば、Shureなどが採用しているMMCX端子なんかは元はイヤホン用ではなく、通信機器などの基盤に使われていたものです。

そのためそもそもが頻繁に抜き差しする用途には適しておらず、頻繁に抜き差ししているとコネクタがバカになってしまいます。寿命は概ね500回程度ですし、他にはイヤホンの場合クルクルと回るので接点が磨耗で劣化しやすいです。

また、規格が統一されていないため、一度でもピンが太いケーブルを使ってしまうとイヤホン側のコネクタが広がってしまい、純正ケーブルに戻したら接触不良で音が途切れる、なんてこともあるので注意してください。

2pinは2pinでこちらも規格が統一されていないため、極性がケーブルによってまちまちだったり、太さが若干違ったり、他にも横からの曲げ不可に弱かったりとMMCX同様に考慮しなければならない点は多くあります。

更に、2pinの場合はMMCXのようにカチっとはめ込む方式では無いので、一度コネクタが緩んでしまうとケーブルがイヤホンからスルッと抜けてしまう、なんて状態になってしまうこともあります。こちらも頻繁に抜き差しすることは考慮されていないので、ケーブルを取っかえ引っ変えする、というのはおすすめ出来ません。
(TwitterのFFの方で高級イヤホンの2pin端子がガバガバになっている人がいました)

個人的にはJH 4pinやUM 4pinがリケーブル端子の中では優秀だと思います。センターピンが本体側にあるので粗悪な社外品ケーブルを使ってもガバガバになる恐れもないですし、ねじ込み式なので抜けたり折れたりする恐れもなく、比較的汗などにも強いです。デメリットとしては社外品の選択肢が極端に少ないことくらいでしょうか。





エージング


初めは低音が出なかったけど、エージングで低音が……みたいなのを見たことがある人は多いでしょう。

これは新品のイヤホンを鳴らすことで、音が徐々に変化していくという意味で使われます。

ただし、スピーカーのエージングとは異なり、イヤホンのエージングには信頼出来る科学的根拠が今のところ無いのが注意点です。
(メーカーはエージングに対して否定的なことが多く、肯定派のFinalが検証中ですがデータは今のところありません)

まあいくらエージングしたところでタダですし、やりたければやればいいと思いますが、エージングしていないから箱出しはダメだ、なんていう意見には私は否定的です。

ヘッドホンの場合、こちらもドライバーのエージングには科学的根拠は無いのですが、イヤーパッドやヘッドバンドの劣化によりドライバーの位置が耳から少し変わったりするので、それにより音が変化することはあります。





イヤーピース


カナル型イヤホンの耳につける部分のシリコン製のチップをイヤーピースと言います。

これを交換することにより音やフィット感が変わるので、こちらもマニアの間では交換することが当たり前になっていますね。

こんなもので音が変わるはずがないだろう、と思う人もいるかもしれませんが、実際に試してみると極端に音が変化することもあるのでなかなか侮れないパーツです。


単純な話、イヤーピースを変えると音導管が隠れたり逆に露出したり、軸の長さで鼓膜からの位置が変わったりするので、それにより音が変化するというだけの話です。また、コンプライなどの低反発ウレタンのイヤーピースは材質の特性上高音域が減衰します。

とりあえずはまともなイヤホンであればイヤーピースは何個かサイズ別に付属していると思うので、それで調整するといいでしょう。









USB DAC ヘッドホンアンプ


USB-DACというのは、USBバスパワーで動く超小型のDAC内臓ヘッドホンアンプのことを指します。最近はスマートフォンからイヤホンジャックが無くなったため、この製品の需要が極端に高まりました。

そもそもはUSB DACというと、オーディオ業界ではUSB接続できるDACのことを指していました。しかし、最近ではヘッドホンアンプ内蔵の小型のドングル型DACを主に指しているような気がします。


(こんなのもUSB DACです。)
引用:https://s.kakaku.com

ヘッドホンアンプというのはこちらも人により使う意味合いが変わってきます。具体的には、DAC内蔵か、アナログアンプかという感じです。
(最近は複合機のことをDACアンプと呼ぶことが多いです)

DACというのはD/Aコンバーターの略です。イヤホンはアナログ機器なので、スマホやパソコンのデジタル信号で駆動することはできません。それをアナログ信号に変換するのがDACの仕事です。
(デジタルデータを扱う危機でアナログ信号を出力しなければならない場合、DACは必ず入っています)

この部分のチップや回路の作り込みで音が変化します。また、USB DACの場合はスマホやパソコンと比較してノイズも少なくハイパワーであることが多いです。






アクティブノイズキャンセリング


アクティブノイズキャンセリングとは、騒音を機械的に処理する機能のことを指します。ANCとも書かれたりします。

外部の騒音を内臓したマイクで拾い、それと逆位相の音を再生することで騒音を打ち消すという仕組みです。
(音というのは空気を伝う振動、つまり波ですが、騒音と全く逆の波をぶつければ音を消すことができます)

ノイズキャンセリングが出始めた頃は「ノイズキャンセリングをONにした瞬間、世界が変わる」なんていう感想が多かったですね。私も実際初めてノイズキャンセリングを体感した時はそんな感じがしました。

最近は安価なワイヤレスイヤホンでも強力なノイズキャンセリングを搭載したものが多いので、ノイズキャンセリング=高いというイメージも払拭されて一般ユーザー的には手を出しやすくなったと思います。

ただ、実はShure SE215SPEみたいな密閉型IEMの遮音性はアクティブノイズキャンセリングと比べてもスペック上は大差ありません。
(最大-37dbです)

実際、遮音性をANCと比較したことがありますがShureのIEMの遮音性は下手なノイズキャンセリング並でした。

また、カスタムIEMのような遮音性の高いイヤホンもあります。それらと比較してANCのメリットとはなんでしょうか?

それはずばり、ANCはパッシブノイズキャンセリングと違い、低音域の騒音を消すことが得意という点です。
(逆に、パッシブノイズキャンセリングは高音域の遮音性に優れています)

また、ANCと違い密閉度の高いIEMなどは耳栓と同じなので、指で耳を塞いだ時のように血液の流れる音や心臓の鼓動などが逆に気になってしまうという事もあります。そういう不快感を与えにくいのもANCの特徴です。

ただANCに関しても、連続的な騒音には強くても急に発生する騒音には弱いという点や、逆位相の信号が狂った位相のノイズを生み出してしまい、それにより不快感を与えてしまう、ということもあるので、この辺は一長一短です。
(よく言うノイズキャンセリングは酔う、とかいうやつです)

では、次はノイズキャンセリングと音質の関係性についてです。

実は、静かな場所で聞く音楽と、うるさい場所で聞く音楽では音質はかなり変わってきます。

周りがうるさいのだから音質は劣化して当然だろう、という声も聞こえてきそうですが、これはそう単純な話ではありません。

具体的には、外部の騒音レベルが高くなればなるほど、音楽の中の微細な音が埋もれてしまいます。それを補おうとして音量を上げると、今度は大きな音の部分が聞こえすぎてしまいやかましくなりますので、上げられる音量には限度があります。

つまり騒音レベルが高くなればなるほど、音楽内に含まれる微細な音はかき消されてしまいます。これにより、高音質なイヤホンであっても細部の描写能力や表現力などが失われてしまいます。
(ダイナミックレンジが狭くなるということです)

また、上でANCは低音に強い、と書きましたが、これも音質に影響してきます。具体的には、パッシブノイズキャンセリングでは電車や自動車などの低音域のノイズはカットできないため、低音域が相対的に聞こえにくくなります。そのため、ANCの無いイヤホン・ヘッドホンは低音が薄い迫力のない音に聞こえてしまうことがあります。
(それを補うために重低音をブーストしてあるメーカーも多いです)





ハーマンターゲットカーブ


イヤホンやヘッドホンのレビューなどで、ハーマンターゲットカーブという単語を目にすることがあります。これはどういう意味でしょうか?

これはAKGやJBLを所有するハーマングループが作り出した補正カーブのことを指します。

補正カーブというのは、イヤホンやヘッドホンの周波数特性(F特)をフラットに補正するための周波数特性のグラフです。

その補正カーブの中でハーマングループが作った補正カーブを参考にした音のイヤホンやヘッドホンが「ハーマンターゲットカーブに沿った音」となります。

よく「フラットな音」という単語を耳にしますが、実際のヘッドホンやイヤホンの音を周波数特性にしてみると全くグラフはフラットではありません。なので、周波数特性が完全にフラットな音色のヘッドホン=フラットという訳では無いため、フラットな音色を作るためには実際の人の耳で聞いた際にどのような周波数特性になるかを考慮して作る必要があります。その際に参考となるのが補正カーブです。

ハーマンターゲットカーブは、ハーマン・グループの技術者であるショーン・オリーヴ氏の実験によって、その他の補正カーブと比較してブラインドテストで好評であることが裏付けられています。そのカーブを意識した周波数特性=多くの人に受け入れられやすい音、ということでしょう。

なお、ハーマンターゲットカーブに関してはA Headphone’s Target Response Should Ideally Approximate an Accurate Loudspeaker in a Reference Listening Roomという仮説から作られています。つまりどういうことかと言いますと、反響を無視したフリーフィールドカーブや、反響の多いDFカーブ(別の補正カーブ)などは理想的なリスニングルームからかけ離れた環境であるため、リスニングするには適さないということみたいです。

私の場合周波数特性はアテにしてないというか、測定器器も持っていませんのでハーマンターゲットカーブとか周波数特性に関しては触れることは基本的にありません。しかし、知っておいて損は無いでしょう。

https://www.aes.org/sections/reports/?ID=3148





ドンシャリ、かまぼこ、フラット


音に関係する単語です。「このイヤホンはドンシャリだから~」みたいな感じで使われます。

こればかりはその人の感じ方や合わせる機器にもよるのでなんとも言えませんが、傾向としましては

ドンシャリ→低音と高音が強調された音

かまぼこ→ヴォーカル帯域など中音域が強調された音

フラット→極端に強調した大域のないバランスのいい音

という感じでしょうか。

その他にはブライト、ウォームという言葉もあります。ブライトはソリッドで高音域が強い音、ウォームはマイルドで低音域が強い音として使われることが多いですね。

その他にはブーミーという言葉もあります。これはいい意味で使われることはあまりなく、低音に絞まりがなくボワボワしているという意味で使われます。




クロスオーバーネットワーク Way


イヤホンの中には、ドライバーを複数搭載した多ドラと呼ばれるモデルが存在します。そのような多ドラのイヤホンのそれぞれのドライバーが担当する帯域を制御するのがクロスオーバー回路です。ちなみに例えば高域1ドライバー、低域1ドライバーなら2wayという感じになります。

多ドラのイヤホンを作りたければ、適当にドライバーを買ってきてそれぞれ配線を繋ぐだけで完成します。

しかし、その場合ドライバーの特性がマッチしていないと低音用ドライバーや高音用ドライバーが混じり会う帯域で濁りなどが発生したりします。つまり不自然な音になるということですね。

それを解消するためには、ドライバーに割り振られる帯域を調整する必要があります。具体的には、高域をカットするのには抵抗を使い、低域をカットするのにはコンデンサを使います。それを上手い具合に調整することで、各帯域の混じりの少ない自然な音を作ることが可能です。

他には、電気的なパーツではなく、アコースティックな原理で音の調整をしているSE846のようなイヤホンも存在します。
(低音用ドライバーにアコースティックローパスフィルターを搭載しています)





あとがき


あまり細かなことばかり書いてもキリがないので、今回はこんな感じで終わりたいと思います。

私自身オーディオにそこまで詳しい訳では無いので、間違っている点もあるかもしれません。その辺はご了承ください。

それでは、以上です。

ブログパーツ

関連記事

スポンサーリンク