Hidizsの新作イヤホン、MD4の音質をレビュー。スイッチにて音質を変更できる高級中華イヤホン【マーメイドシリーズ】

♨の人

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どうも、温泉の人(@otkZLQ2xGa4Fcqb)です。

本日は、Hidizs様よりレビュー依頼を受けました新作イヤホン、MD4のレビューになります。


それではどうぞ。

公式サイトはこちら





Hidizsとはどんなメーカー?


Hidizsというと、真っ先に思い浮かぶのは超小型の四角いDAPだと思います。


HidizsのDAPは低価格ながらバランス、アンバランスを双方搭載していたり、DACをデュアル搭載していたりと、中国メーカーの例に漏れず低価格、高スペックを地で行く様な製品が多いです。

そんなHidizsですが、実はDAPの他にイヤホン、アンプなども製造しており、公式サイトを見ると結構豊富なラインナップがあります。ちなみに、設立は2012年とそこそこ昔ですが、中国のオーディオメーカーとしては結構新しめのメーカーです。



ポータブルオーディオ界隈で最近やたらと名前を聞くようになってきたメーカーでも、実は以外にも結構長い歴史を持っていた、なんてメーカーも多いので、調べてみると面白いかもしれません。

HidizsはDAPがメインの商品であるメーカーなので、なんとなく今回のイヤホンはiBasso AudioやFiioなんかの製品にも近い立ち位置かもしれませんね。





外観、スペック



パッケージはこんな感じです。立体感のある四角いパッケージで、なかなか高級感がありますね。


裏面にはスペックなどが記載されています。


蓋身式の箱を開けると、イヤホン本体が現れます。フェイスプレートが綺麗で、なかなか高級感がありますね。


付属品はこんな感じです。音質傾向の違うイヤーピースや、清掃用のブラシ、ケース、ケーブル、説明書などが付属しています。


ケーブルはケースの中に入っています。ケースはリングケースのような感じで、結構使いやすそうな感じです。


イヤホン本体はこんな感じです。リケーブル端子はフラットなタイプの2pinで、シェルはアルマイトで、フェイスプレートはセルロイド製です。かなりしっかりした作りですね。
ちなみにカラーバリエーションは3種類あるようで、私の元に届いたのは青色でした。


イヤーピースは音質傾向の違うものが3種類それぞれ3セット付属してきます。ヴォーカル、Bass、バランスの3種類です。

バランスタイプはFinalのeタイプのように軸とカサの部分が違う材質になっているもので、ヴォーカルタイプは口径が広いタイプ。Bassタイプは口径が狭く、材質も少し硬い素材でできています。


このイヤホンの特徴として、本体に付いている2つのスイッチの組み合わせで音を4種類から選べるというものがあります。このスイッチは付属のクリーニングツールなど細いものを使うことで切り替えることができます。


ちなみにそれぞれの周波数特性が乗ったカードが付属してきます。

Hidizs MD4の先行販売期間は2022年6月15日~6月24日(正式発売日は未定)で、お値段はプレセール価格で169ドル(日本円にして凡そ25000円)です。

同社のフラッグシップであるハイブリッド型3ドライバーのイヤホン、MS4が公式サイトにて239ドル(凡そ3万円)なので、このMD4はプレーセール価格ですが169ドルとドライバー数は増えていながらも価格は据え置きか少し安くなるくらいです。ハイブリッド型とマルチBAでは音も若干変わってくると思いますが、にしてもドライバー数が増えたのに価格は据え置きというのは最近のイヤホン業界を見ていると珍しい事のように思えます。

そういえば最近はあまり聞かなくなりましたが、KZのイヤホンがYouTubeなどで話題になった時はイヤホンは多ドラであればあるほど高音質、みたいな風潮が蔓延していましたね。

ドライバー構成は高域1機、中域1機、低域2機の3wayクロスオーバーです。インピーダンスは8Ω(1kHz)と少々低めの部類です。ケーブルは銀メッキ銅線で、再生周波数帯域は20Hz~40kHzのハイレゾ対応イヤホンとなっています。





音質。4種類の中から好きな音を選べる万能性の高いイヤホン


それでは音質のレビューに入っていきます。

アンプはPro idsd+Pro iCANを使用しました。モードはDSD1024、トランジスタです。



モードはまずは標準のバランスで聞いていきます。




・己龍 是空是色


まず、このイヤホンですが、一聴して思ったことは「音の立体感がすごい」ということでした。

高音の質感、低音の質感などの前に、とにかく特徴的な定位です。それぞれの音が個々で点々としているような不思議な定位で、立体感がとても高いです。

そして、特徴的な定位に慣れてくると、低音の力強さに気付きます。とにかく低音に非常にパワーがあり、ベースやバスドラムのキックなどにとても重厚感があります。サブベースが持ちがった音と言うよりは、全体的な低音がとても押し出されているという感じです。ただ、曇ったような印象は全くないので、中音域や高音域との分離は高いと思いました。

イヤーピースをバランスからヴォーカルに変えると、より私好みの音になりました。バランスほど音の立体感はありませんが、全体的に音がまろやかになり聞きやすくなります。

高音域の量感は普通で全く刺さりませんが、音の輪郭は非常にはっきりとしています。この辺は結構現代的な感じがしますね。

中音域は曇りなどはなく、クリアな音質だと思います。

低音域は非常にパワーがあります。特にベースラインの主張と分離が非常に良く、ベース好きにはたまらないイヤホンだと感じました。

モードをウォームに変えると、低音域の厚みが明らかに増して、より中華イヤホンらしい音になります。ただ、立体感は少し控えめになるので、私はバランスの方が好みですね。

ただ、ウォームとは言っても低音がズンドコ、中高域は曇る、というような変化では無いので、解像度は高いままです。

モードを高音域にすると、明らかに分離感と解像度が増しました。高音域も強めに出るようになり、ギターの音色などは非常にソリッドでこれが一番私好みかも知れません。ただ、ベースラインの強烈な主張は控えめになります。

低音域モードでは当たり前ですが低音の主張が明らかに強くなります。全体的な解像度は変わらないのですが、ギターの低音弦からベースラインまで全体的に押し出されて、音の厚みが増すという感じですね。このモードが一番中華イヤホンっぽい音でしょうか。




・HAZUKI +ULTRA


モードはひとまずバランスで聞いていきます。やはり、音の立体感が凄まじいですね。ドラムの音に非常にメリハリがありとても気持ちいいです。また、この曲では金属的なベースの音色が印象的でした。

バランスモードではヴォーカルラインはそこまで近くもなく、目立つ感じでは無いです。それよりは楽器の音色が目立つという感じですね。私はもう少しヴォーカルが近い方が好みです。

そこで役に立つのがモード変更です。モードをウォームにすると、金属的なベースラインの主張が収まり、相対的にヴォーカルが前に出てきます。ドラムのアタックもこれでも充分強い部類ですが、全体的に音に余裕が生まれて私好みになりました。

高音域モードはこの曲ではベースの金属的な音色が強すぎてあまり私好みではなかったです。歯擦音も少しだけ感じられるくらいのバランスですね。ただ、音の分離はこのモードがいちばん高いと思うので、好みの問題でしょう。

低音域モードはやはり音の厚みがとても強いです。スネアドラムの厚みが4つのモードの中で一番強く、かなり濃厚なサウンドです。それと、この曲ではヴォーカルラインが前に出てきました。

曲によってモードを切り替えるというのは現実的では無いですが、モード切り替えで露骨に音が変化するので、聞く曲のジャンルや個人の好みに合わせられるというのはなかなか強いと思います。この手のギミックと言うとフィルター交換などで最近多くなりましたが、音の好みは千差万別なので、ユーザーがある程度の選択肢の中から選べるというのは理想的ですしお得感があります。さらにイコライザーなどを使うよりもお手軽で、尚且つメーカーが想定した理想的な変化をしてくれます。



・アルルカン リブラ


モードはまずは標準のバランスです。やはり、音の立体感がとても高いですね。音が点々と存在しているようなこの音はあまり聞いたことがありません。ドラムのアタックもソリッドですし、高音域は音像の輪郭はハッキリしていますが刺さりは全くありません。

ウォームモードはバランスよりも私好みです。音の圧倒的な立体感は鳴りを潜めるのですが、ギターやベースの音色がより分厚くなり、ヴォーカルラインとの均等が取れているように感じます。

高音域モードはバランスモードより解像度が増します。こちらもバランスよりも音の均等が取れている感じがありますね。そこまで明らかに高音寄り、という感じでは無いですが、このイヤホンのモードの中ではかなり異質なモードだと思います。

低音域モードはやはりとにかく音が濃い。それに着きますね。ラウド系の曲を聞くならこのモードが一番だと個人的に思います。ギターやベースの音色が強くなり、さらにヴォーカルラインも一歩前に出てきます。分離感はさすがに高音域モードやバランスモードに劣りますが、音の調和という意味ではこのモードが1番でしょう。




・M@GIC☆


モードはまずはバランスです。

ラウド系と比べるとどちらかと言うと高音寄りで、音のバランスはかなり違いますが、私的にはこういう曲の方が合うな、という印象を受けました。

上記の3曲ほど音の立体感はありませんが、とにかく自然だという感想が出てきます。どこかの音が浮いている、という感覚がなく、音の調和が取れていると個人的に感じますね。

ウォームモードではさらに音に艶が出てこちらもいい感じです。高音域の煌びやかさはバランスモードに比べると控えめですが、マイルドな音色で長時間のリスニングには適しているでしょう。

高音域モードでは音の分離がさらに良くなり、ユニゾンなどの場面では個々の声が綺麗に聞き取れてこれはこれで素晴らしいと思います。ヴォーカルが一番前に出てくるモードだと思いました。

低音域モードはやはり音の艶感と低音の押し出しを重視したモードのようですね。音がかなり濃厚になります。

こう書くと少し籠った音色を想像してしまうかもしれませんが、このモードでも解像度が低いということはありません。寧ろヴォーカルラインに関しては適度な艶感のおかげでより目立つようになっています。私はこの曲ではこのモードが一番好きですね。










スマホ直挿しで聞いてみた


このくらいの価格帯のイヤホンだと、低価格な小型DAP(それこそ同社のDAPとか)やスマホで聴く人も多いと思うので、一応スマートフォンでも聞いてみました。

全体的な音の質感はスマホでも充分に良質ですし、モードも複数あるので、どこかの帯域に不満を感じたらモードを切り替える、という手法が使えるので、このイヤホンは鳴らしやすい部類のイヤホンだと感じます。

標準のバランスモードでも充分に高音質ですが、これで例えば低音のスカスカ感が気になる、ということでしたら、ウォームや低音モードに切り替えればより良い結果が得られることでしょう。

また、このイヤホンですが、そこまで圧倒的な高出力を必要とするイヤホンなのか?と問われると、そうではないと個人的に感じます。Pro idsd+Pro iCANとスマホを較べても、スマホがそこまで劣っているという感じはありませんし、スマホの方が音がドンシャリなのでこちらの方が好みという人も充分に居ると思いました。

これはFinalのE3000とかでも感じましたが、あまりに高出力な機器で鳴らすと音が間延びしたような感じになるイヤホンは結構あります。このイヤホンも、据え置きアンプなどよりはどちらかと言うとDAPなどの方が相性はいいと思いますね。もちろん、モードにもよるのでしょうが。








あとがき


というわけで、Hidizs MD4のレビューでした。さすがにそこそこ高額なだけあって、格安の中華イヤホンとは違う、基礎性能の高い万能なサウンドだと思います。

私は個人的に格安中華イヤホンのわかりやすくドンシャリで濃密な音もそれはそれで好きなのですが、やはり低価格には低価格なりの制約があるため、このような高価なイヤホンを選ぶメリットは十分にあると感じます。

このくらいの価格になってきますと、人気のダルマオーディオなどを筆頭に様々なライバルが現れます。なので手放しに褒めたたえて「このイヤホンがコスパ最強でオススメ」と言う訳にもいきません。
(せっかく提供してもらっているので個人的にはもっとプッシュしたいのですが、それだとあからさまな提灯記事になるので逆に信頼性が落ちてしまいます……)

しかし、それを差し引いてもこのイヤホンには光るものを感じました。中華イヤホンとしては決して安くないお値段なので買える人も限られてくるとは思いますが、音はちゃんと素晴らしいので一聴の価値ありです。

また、5月31日より新製品のキャンペーンがあるみたいです。気になる方はそちらもチェックしてみてください。


というわけで、本日はここまでとなります。

それでは、以上です。


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