ペンの持ち方によっての得手不得手。絵を描くならペンの持ち方は使い分けた方が良くね?【イラスト】

♨の人

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絵を描く際のペンの持ち方って、意外とみんな気にしてないと思うんですが最近私はこれも気にした方がいいな、と思うようになってきました。



なので、今回はペンの持ち方についてのお話です。






神絵師持ち、ホールド持ち、ペン持ち、正しい持ち方


まず、ペンの持ち方は人それぞれですが、大まかに2種類あると思っています。

俗にスタンダード型とか言われる正しい持ち方と、ホールド型などと言われる、矯正の対象にもなる間違った持ち方です。



しかし、絵に関してはホールド持ちは神絵師持ちなどとも言われていて、その名の通り神絵師はこの独特な持ち方をしている人が多い、なんて言われてたりもします。

私はずっとこの持ち方なんですが、確かに文字を書くならスタンダード型の方が明らかに綺麗な文字が描けます。また、ホールド持ちは指の可動域が広すぎるせいで親指の付け根の筋肉が痛くなりやすく、筆圧を高くするためがっちりと持てば中指の間接の骨がとても痛くなる。それを帳消しにするほどのメリットなんてどこにもない。なので矯正の対象になるのも頷けます。

ですが、絵を描く際は文字を書く際と違って筆圧がとても弱いです。なので、絵にあたってはこの持ち方では普通の正しい持ち方では出来ないことが簡単に出来てしまう。そんな大きなメリットが産まれるんですね。






ホールド持ちは曲線と描写できる範囲の広さに特化している


まず、この持ち方の最大の特徴はなんと言っても可動域が恐ろしい程に広いことです。


同じように曲線を引いてみましたがどうでしょうか。ホールド持ちはとても長い曲線を難なく引くことが出来るのに対し、ペン持ちはこの程度が限界です。

また、よく見ると分かると思いますが、ホールド持ちの方は線の細さが一定で抜きにかかるにつれ綺麗に細くなっているのに対して、ペン持ちは細→太→細と線の強弱が強いことがわかります。

これは髪の毛などを描く際の柔らかさの表現だったりとか、線の太さの均一性などを出す際に有利だと感じます。

また、ホールド持ちはペンの持つ長さと重心を自由に変えやすいです。なので、それにより実際の描画できる線の長さに加えて、重心を変えることで遠くも近くも描けるので描ける範囲がとても広い。

それに対して、ペン持ちはペンの下の方を持つのと上の方を持つのではかなり感覚が変わってくるので、そこまで自由度は高くありません。なのでホールド持ちと比べてペン持ちはキャンバスの上で手をガンガン移動させなければならないです。

と、こんな感じで、一件ホールド持ちはペン持ちに比べてかなりいい感じに見えるかもしれません。

ただ、ペン持ちにはペン持ちの良さ、ホールド持ちにはホールド持ちの弱点があるので、どちらがいいとは一概には言えないです。


例えば、こんな感じの横線を引くなら、ペン持ちの方が明らかに綺麗になります。ホールド持ちの大きな弱点のひとつ。上から下とかそういう指を動かす線を描くのは得意なんですが、手首を使うような線はすこぶる苦手なんですね。

ペン持ちと比較してホールド持ちはペンを掴むように固定していないので、横線を描くとペンがぶれて真っ直ぐ引くことすらままならないんです。これは漢字などを書く際に致命的なので、文字を書くなら絶対にペン持ちですね。

そしてホールド持ちの2つ目の弱点。それが、キャンバスに手を置けない場合線の安定感が失われること。
キャンバスに手の側面を付けずに、浮かせてペン先のみを紙に当てて描く場合、こちらもペン持ちの方が安定して綺麗に線を引けます。

これも、ホールド持ちはペンをしっかり固定できていないために、紙に押し付ける筆圧に負けて線がブレるせいですね。

もちろん慣れてれば結果は違うものになるでしょう。しかし、何十年もホールド持ちを使ってきて、ペン持ちなんてここ1週間くらいしか使ってない私でも、上の例では明らかにペン持ちの方が綺麗に引けるな、と感じます。

なので、最近は使い分けたほうがいいんじゃないか、と感じています。






どんどん使い分けて綺麗な線画と時短を両立


ペン持ちとホールド持ち。どちらにも良さがあり、代替は効きません。なのでどんどん使い分けることをオススメします。

数日前に絵を描いていて気付いたんですが、自然に無意識でペン持ちとホールド持ちを切り替えてたんですね。 すると、今まで苦手だった横線とかも綺麗に引けてることに気付いたんです。

普段はホールド持ちですが、手を浮かせたりとか、横線とかを引く際はペン持ちに切り替える。すると、今までキャンバスを回転させたりとか、拡大縮小を繰り返したりしなけりゃいけなかった線をそのまま引けるようになりました。私はアナログでラフや下書きを作ってからそれをデジタルで修正して、そこからペン入れという方式を取ってるんですが、これならかなりの時短になりますね。






画材によっても持ち方は変えるべきかも


絵を描く際のペンの持ち方に正しいもクソもないですが、出来ることなら使い分けましょう。鉛筆デッサンなんかは色んな持ち方をしますが、あれはそれが効率的だからですしね。

まあペン持ちが1番バランスはいいのでペン持ちだけでもなんとでもなると思いますが、ホールド持ちもいいもんですよ。もちろん、ホールド持ちがメインの人はペン持ちを併用した方が絶対いいです。

他にも色鉛筆で広範囲を塗る時は親指の付け根の水かきにペンのおしりを乗せてつまむように持ったり、アナログでペン入れする時はペン先を短くペン持ちで持ったりとか、画材によっても持ち方はその都度変わってたりして、そういうのを観察してみるのも面白いですよ。

この前YouTubeで見たプロのアニメーターさんはかなり不思議なグー持ちをしてましたが、線はとても安定してるし、どの角度も一定で描けてるんですよ。あれも不思議に見えるだけで何かしらのメリットがあるのだと思います。




ホールド持ちは箸の持ち方に似ている?


でも、ホールド持ちって正しいペンの持ち方を教えてる人からすると、なんでこんな変な持ち方になってしまうのか不思議じゃないですか?

だって普通に考えて、棒状のものを持つんなら人間の手の形とかから考えて人差し指と親指で掴むのが自然じゃないですか。クレヨンとかチョークとか。ホールド持ちみたいなよく分からない持ち方、どこから来てるんだろう?と自分なりに考えました。

で、たどり着いた結論。これは、多分箸の持ち方のアレンジなんじゃないかと思います。

箸の持ち語って、ペンのホールド持ちと似てるんですよね。人差し指と中指の2本で箸を挟んで、優しい力で人差し指で押し込むように上の箸を動かす。これは毎日やることですし、日本人は食事のマナーにうるさいのでペンの持ち方以上に厳しくしつけられます。なので、箸と同じように長い鉛筆は自然とホールド持ちになっちゃう子がいて、それを矯正されなかった人が大人になってもホールド持ちしてるんじゃないか、という持論です。

書けるならペンの持ち方なんてどうでもいいじゃないか、と思うかもしれませんが、ホールド持ちを長年使ってきた私でさえペン持ちの方が明らかに綺麗な字が書けるんですよね。私、字がクソほどに汚いんですよ。



これは真面目に文字の練習しなかったってのもあると思いますけれども、持ち方も問題だったんじゃないかと最近わかったわけです。


上でも書いたようにホールド持ちは高い筆圧で横線を引くのがすこぶる苦手なので、漢字とかは壊滅的に相性が悪いですからね。それに、ペンを立てにくいってのもダメ。それにすぐ疲れるしいろいろな所が痛くなるし。文字書くならいいとこないですよほんと。絵専用ですね。

というわけで、どうしても綺麗な線画が出来ない、と考えている人は、ペンの持ち方を自分なりに考察してみてもいいかもしれません。

以上、元画伯現下手くその温泉の人でした。

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