ダンゴムシは寒さに強い。Cubaris Merulanella Armadillidiumなどをヒーターなしで冬越しテスト

♨の人

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うちでは色んな生物を飼育していますが、だいたい全部20~30度の温室で一括管理しています。日本の真冬に耐えうるであろうホソワラジムシ、冷蔵庫でも死なないミルワームなども、繁殖効率とあと個別管理も面倒なので温室管理です。

しかし、実際のところこいつらどのくらいの低温に耐えるんだ?というのは探しても案外見つからなかったりします。大体は20~25度の範囲で~みたいな情報しかありません。

しかし、この前オレンジフリージーというダンゴムシをヤフオクで買ったのですが、ゆうパックの翌日午後着なのに全死着、それもカラカラの冷えきった土でこりゃ死ぬわ、という感じで、それ以降寒さへの体制については強く意識するようになりました。ヤフオクの場合個人間の取引なので死着保証なしは当たり前なのですが、買う度ガチャなんかする気もないんで絶対無事に届かないような生き物はこの時期に買わないようにしよう、と。
(ヤフオクはあくまでも取引のためのプラットフォームであり、取引自体は全て個人間でのやり取りとなり、説明欄に死着保証なし、または出品者が保証をしないと言った場合、こちら側はそれに従うことになります。運営は個人間の取引には関与せず、トラブルの場合は当人同士での話し合いで解決してくれ、と明言しており、生物の死着に関しては特殊なケースなので保証しない人に対して保証を求める場合は個人間での民事訴訟を起こす必要があります。なお嫌がらせや脅しなどに関しては別問題です)

あとは私はたまにヤフオクで生き物を出品しているので、実際こいつらどのくらいの環境に耐えるのか、というのは知っておかないとダメです。

例えばカイロを入れるとして、ダンボール箱にせいぜい10時間程度しか持続しないカイロなんか入れたところでなんの意味もないのは上の例で分かりきっているので、私はダンボールを2~3重にして24時間カイロを1枚、普通のカイロをサブで1~2枚、隙間を全て新聞紙などで埋めて発送しています。



今のところは問題なく届いていますが、これが過剰なのか、それとも春頃では逆効果になりうるほど効果的なのか、そういうのも分からないのは気持ち悪い。

なので、今回は色んなダンゴムシを低温環境に順応することが出来るのかテストしてみることにしました。



Cubaris sp.Bumblebee Merulanella sp.Dream Armadillidium gestroi


夜の3時半に仕込みました。

今回チョイスしたダンゴムシは3種。


Cubaris sp.Bumblebee バンブルビー
タイの洞窟に生息するネッタイコシビロダンゴムシ。
摂取21.1度~30度で生息する種類で、我が家では冬場は20度前後で管理しています。温度は通年20~30度の範囲で管理。

Merulanella sp.Dream ドリーム
生息地はベトナムのダンゴムシ。
元々はCubarisとされていたが、なんか途中でMerulanellaに変わったらしい種。地味で小さく性質も少し特殊なのでCubarisになったのかも。ただ触覚と体の長さ的にどう見てもMerulanellaなので、多分Merulanellaで合ってるでしょう。

ベトナムは暑いですし、Merulanellaは30~35度あたりで普通に生きるかなりの高温適正種です。しかし、このDreamは7~30℃までが生息温度らしいです。
そもそもMerulanella自体温度が20~26度だったり、22 ~ 27だったり、30度以下だったり、はたまた35度だったり。サイトによってかなり違うアバウトな感じなんで、まあ25度程度で管理するのが1番ですね。

ちなみに日本ではベトナムファイアとかヒイロとか言われてるあのメルラネラは山間部などの寒いところに生息しており20℃くらいで繁殖するようです。

で、このドリームは樹上性で普通の植物の裏などに登るスカーレットなどの一般的なカラフルメルラネラと違い、この種は非常に湿度の高い環境を好みます。基本は樹皮の裏に隠れており、確かにMerulanellaらしくはありません。


Armadillidium gestroi
イタリア北西部原産のオカダンゴムシ。昔から居て、値段はペットの海外産ダンゴムシの中では最廉価クラスの定番品種。ということは必然的に国内CBが100%かつ繁殖も容易な強い品種と言えるため、まあこいつは耐えるような気がします。

北イタリアの気候は日本のようにかなり上下し、夏は35度を超えず、最低気温はマイナスになることもあります。

ちなみにイタリアの西にあるサルデーニャ島はこの記事を執筆している本日の最低気温は4度。ここに生息するワラジムシのスパチュラータスヘビオオワラジムシ カロスサルデーニャは既に過去に実験して野外で生きられることを検証済みです。

まずは無加温の室内で検証します。温度は15~17度を推移し、太陽光は当たりません。
ケースはプリンカップに土を入れ、保水のための水苔と隠れ家となる竹炭、餌となる落ち葉と葛の葉を入れました。




12時間経過


今のところ全ての生体が元気に生きています。






20時間経過


現在部屋は16度。全ての生体が元気に生きています。
触覚などもしっかり出ており、動きも遅くなることもない。この程度の温度ではなんの問題もないようなので、10度の環境に移します。

レッドローチの幼虫はその環境でなんの問題もなく生きていますが、果たしてネッタイコシビロダンゴムシやメルラネラがどうなるか、ですね。
案外なんか普通に耐えそうな気もしますが。

10度と言うと相当低いですが、野外はこの時期5度を下回るのも普通ですし、風があると体感温度は下がりますし乾燥もしますからね。





検証開始


ケースを移動させてから数時間。さすがにケースはかなり冷たいですね。

ドリームは動きがかなりゆっくりになりましたが、しっかり生きてます。活性は落ちているものの全然平気そう。というかメルラネラって全然丸まらないけど、こいつら丸まったりするんですかね?
(この数日後ドリームが丸まったのを見ましたが、すぐ動き出しました)

ゲストロイも生きています。ゲストロイはオカダンですが、あんまり丸まらないダンゴムシでしたかね?丸まり方がぎこちなさ過ぎて少し怖い。

バンブルビーは普通に元気。まあタイでも北部チェンマイや山間部はかなり寒くなるそうなんで、ネッタイコシビロでも国内CBは丈夫なのかも。

ただキューバリス、つまりネッタイコシビロと言ってもバンブルビーは土に潜る性質が強めで、例えばうちにいる他のキューバリスだとアンバーダッキーとかは土には潜らずかなり大型化します。オパールとかはかなり小さく、非常に素早いです。

なのでやはりsp.の通り、それぞれの品種で耐寒性の個別のデータを取る必要はありますし、CBとWCでは絶対耐寒性は違うでしょうから過信は禁物。特に最近は植防緩和で色んなのが入ってきてますが、まだ情報の少ない品種は現地の環境を調べてそれに合わせるのが無難でしょう。

ちなみにバンコクの過去100年間の史上最低気温が9.9℃で、これだけ見ると寒く見えるもののタイの最低気温は真冬でも20度は絶対超えます。夏場は30度超えは当たり前で45度とか記録したりもしてます。まあ大抵のタイ産キューバリスは洞窟に生息する種類なんであまり当てにはなりませんけどね。

16℃を切るとタイでは凍死者が出てくるそうで、そう考えるとたしかに吉成名高が言ってたロッタンが日本の寒さでパフォーマンスが落ちて武尊に負けるかも、というのも頷けます。
ちなみに私はスーパーレック予想でしたが、当たりました。



24時間経過



昨日のチェックから、24時間経過しました。

ケースを見てみると、全ての種類が生きていました。
バンブルビーは少し大きめのヤング個体を選んだからか最も元気で、竹炭の裏にいて普通に動いています。

ドリームも普通に素早く動いていて、さすがに温室のものと比べるまでもないほどではあるものの全然しっかり生きていますね。
ゲストロイの1番小さな個体は少し活性が落ちすぎな気もしますが、元々ゲストロイはこういう感じの生体なので別にこれだけ寒ければ問題ないと言って差し支えないでしょう。

というわけで、今の時点では問題が特にないので、多分48時間後も同じ結果になると思います。なので、ここからこのサンプル個体は長期間飼育してみたいと思います。

ちなみにレッドローチも全然生きてます。




72時間経過


3日目。72時間経過です。
結果として全種類生きています。

1番小さいゲストロイベビーも問題ない速度と動きで丸まります。心配だったドリームも全然元気に動き回っていますし、バンブルビーも特段おかしな様子はなく水苔の下にいます。

ちなみにゲストロイはイタリアの他、ヨーロッパ フランスにも生息しているダンゴムシらしく、フランスは普通に激寒なのでまあ生存しても不思議では無いです。そもそも日本の野生のオカダンゴムシがヨーロッパからの外来生物ですしね。

ついでにレッドローチも当然のように生きています。デュビアもレッドローチもダンゴムシも前情報と違い全然寒さに耐えるのを見ると、ヨーロッパイエコオロギももしかしたらいけるのかも、という気分になります。今いる奴らが繁殖したら考えます。

しかし、冬場の全死着の前例があるのを考えると、やはり野外はそれだけ寒いということなのでしょうか。こうなると日本原産でもゆうパケットでは厳しいかもしれないですね。

実際ホソワラジムシですらゆうパケットで結構弱っていた報告もありますし、チョビヒゲワラジムシは野外に放置したサンプル個体は全滅だったので。まあゆうパケットは局内保管からのトラック運搬バイク配送なわけで、トラックの中と郵便局内の気温が気になります。
あとはポスト投函なのでその間の放置が致命的にダメージを与えるのでしょうね。




10日後


あれから10日以上。全ての生体が元気に生きてます。

ケースのメンテも温室管理じゃないので、ほとんど加水も餌やりもしなくて放置でもみんな元気です。水が全然蒸発しないので、管理は超絶楽。パネヒを使った温室は3日に1回はチェックして加水しないとダメなのに対し、こちらは半月程度ならほぼ放置でなんの問題もありません。

餌は落ち葉と葛の葉を入れているので、1回だけ動物性タンパク質とカルシウムの含まれる粉餌を少しあげたくらい。それでもバンブルビーなんてちょっと大きくなってない?ってくらい元気です。

オマケとしてレッドローチの幼体も元気に生きてます。こちらもメンテはなし、人参の切れ端を入れて放置ですが、加温してないので人参はまだまだ瑞々しくて放置できます。温室のレッドローチはとんでもなく餌と水分を欲するのに。
やはり低温で活性が下がるのかあまり水分も養分も必要無いのでしょうね。

レッドローチは寒いと幼体が成虫になる過程でどんどん死ぬという文献を見たので心配していたものの、全く問題もなく全部生きてますね。この寒さ体制ならレッドローチは逃がしてしまうと不味いことになりそうかも。まあ既に国内の一部では帰化してるらしいですが。

ただ温室で管理している個体郡と比較すると、少し成長が遅いです。ゴキブリはコオロギとかと比べると成長が遅いのであんまり目に見えた差は無いですが、比べてみるとその差は一目瞭然。
これは当然活性が下がるので、餌の食いも悪くなりますし納得。繁殖させるならやはり少しは温度があった方がいいです。

しかし個人が使う餌用レベルの繁殖、キープならヒーターはいらないということがわかります。
(冬場は増えた個体を適当に与えて、暖かくなってきたらまた増えるのを待つ、もしくは卵鞘のみ適当にレオパなりなんなり餌として使ってる生体のケースの横にでも置いといて孵化させる)

レッドローチの卵は寒さに耐えるか。真冬にゆうパケットでヤフオクで購入したレッチが孵化しました。

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餌用昆虫としてうちではホソワラジムシ、デュビア、ミルワームを飼育していたんですが、最近イエコオロギを購入して卵を採取しています。リンクで、レッドローチもやってみるかってことで、冬場は死着リスクがあって正直そんなに高いお金出す気もないのでとりあえずはヤフオクで安い卵を購入してみました。真冬に買った卵は果たして無事に届くのか、無事に孵化するのかというレポートです。 レッドローチの生息地と日本の真冬を比...


卵鞘もゆうパケットでめちゃくちゃ寒い状況に置かれたものも無事にほぼ完全に孵化しましたし、デュビア、レッドローチ共に寒さには極めて強いです。

というわけで、今回はダンゴムシの寒さ体制についての実験でした。

以上です。
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