AirPodsを筆頭とするBluetoothイヤホンはリチウムイオンバッテリーの劣化でまともに使える時間が短くなっていくからコスパが悪い問題

♨の人

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最近のスマートフォンは、薄さや軽さ、スペースの削減などの理由によりイヤホンジャックを廃止してしまうものが増えた

イヤホンジャックが無くなるとなると、イヤホンを使うためにはアダプターを噛ませるか、Bluetoothを使用するしかなくなってしまう
(アダプターは充電しながら使用できないという問題と、充電コネクタへの負担の増加という問題もある)

iPhone7でイヤホンジャックが廃止された際はBluetoothイヤホンは遅延や音質など色々な懸念点が指摘されていたが、今ではそれらは技術の進歩により基本的に問題ないものとして扱われている


しかし、私がBluetoothイヤホンの最大の問題点だと個人的に思っているところは未だになんの改善もされていないし、今後も技術的な改革がない限りは改善されないだろう




リチウムイオンバッテリーは、使う事に劣化してしまう性質を持っている



リチウムイオンバッテリーには、サイクルという概念がある

これは電気自動車などの大型のものからスマホに搭載される小さなものまで、全てのリチウムイオンバッテリーに共通する特性だ

具体的には、満充電から0までの消費を1サイクルとして扱い、だいたい300サイクルで70~80%、500サイクルで本来の容量の50~70%程度まで劣化してしまう



このサイクル消費はなるべく50~80%の値を保つ、完全放電しないなどの方法により少し抑えることも可能だが、結局のところは満充電から0%にするという普通の使用を行っている限りは避けることが出来ないものだ
(ちなみに勘違いしている人が本当に多すぎるのだが、スマートフォンなどの機器は充電しながら使用することによりバッテリーの劣化が早まるということは絶対にない。リチウムイオンバッテリー搭載機器は内部で回路が分けられており、充電中はバッテリーと基盤への電力が別れて配給されている。そもそもリチウムイオンバッテリーは充電しながら放電することが出来ないため、劣化のしようがないのだ。ちなみにリチウムイオンバッテリーは100%の状態だと劣化が早まるのは事実だが、その劣化はサイクル消費に比べると非常に極わずかなものであるため、出来ることであれば端末を45度以下に保ち充電しながら使うのが望ましい)







 

Bluetoothイヤホンはバッテリー容量が少なく稼働時間も短いため、劣化度合いが顕著に出る



ココ最近のスマートフォンは比較的大容量のバッテリーを搭載することが増えており、4000mAhはAndroidのハイエンド端末においてはもはや普通のレベルとなっている


そして、そのスマートフォンが新品の状態で10時間使用できるものとする

で、そのスマートフォンを100%から0%になるまで使用し、それを500日続ける


すると、サイクルを消費して容量が50%~70%まで減ってしまう。ここまでは普通だ


しかし、スマートフォンの場合はバッテリーの元の容量が大きいため、例え50%に劣化してしまったとしてもまだまだ2000mAhという普通に使用するのならば大きな問題にはならない容量を保つし、元が10時間なので5時間は使用できる。なので、多少頻繁に充電する必要はあれど使用には困ることは無いだろう

また、元の要領が大きく10時間も使用できるスマートフォンは基本的に毎日0%になるまで使うことは無い。そのため、40%位の状態から継ぎ足し充電をして運用している人も多いだろう。その場合、実際に消費した電力は少なくなるためにサイクル消費を抑えることが出来る

このように、スマートフォンの場合はリチウムイオンバッテリーの劣化問題が現れにくいし、現れたとしてもその頃には他の部分がヘタってくるし機種変更をするという人も多い

なので、リチウムイオンバッテリーの劣化に関してはそこまで気にする事はないのだ



しかし、Bluetoothイヤホンの場合はどうだろうか


今回は完全分離イヤホンであるAirPodsをベースとして考えてみることにしよう

AirPodsは、満充電の状態で音楽再生が最大5時間の使用となっている
(ちなみに通話の場合もう少し縮む)

つまりはサイクル消費で50%になれば2.5時間、25%になればまたその半分……というように、最初の状態と比べればストレスを感じる程に使用時間が短くなってしまうだろう


ここで問題となるのは、AirPodsの元の使用時間の短さにある

上でも書いたように、スマートフォンの場合は10時間も使用できるものを0%にするなどということはそうそう無い。そのため、1日に0.7~1サイクル程度の消費に抑えられる


だが、AirPodsは5時間である

これは通勤時に往復で音楽を1時間半流し、休憩時間に30分使い、家に帰宅してから3時間ほど使う。これで終わってしまう


今はYouTubeやニコニコ動画のように動画の需要が高まっているために帰宅後はYouTubeを沢山見るという人は多いだろうし、他にも荒野行動、パズドラなどのソーシャルゲームも人気だ。

また若者の間では通話アプリというものでの会話が人気なため、特に若者を中心にイヤホンの使用時間は非常に長いと予想できる


この場合、たった5時間では不足してしまうという人も多いと考える。その場合、AirPodsを使わない時に充電して運用するのが一般的だろう

その場合、一日で1.5~2サイクル程度を消費してしまうことが考えられる


1.5×365は547.5だし、2×365なら730サイクルだ。このような使い方をしているユーザーなら、1年で、AirPodsの使用時間は半分以下にまで落ちてしまう

2年ともなると1460サイクルをも消費してしまうことになる。500サイクルで元の容量から50%減なのだから、こうなってくるとまともに使うことは困難なレベルでは無いだろうか

そうなるとやはり買い替えを視野に入れなくては行けなくなるが、AirPodsは高価だ。コストパフォーマンスの面で見るとどうなのだろうか







 

AirPodsは2万円ほどするイヤホンである。



AirPodsはBluetoothイヤホンとしてもそれなりの値段だが、有線イヤホンと比較すればかなり高価だ

もちろん高いなりに当然いい部分は沢山ある。だが、それを2~3年程度で買い換えなくては行けないのはコスパが悪いのでは無いだろうか

例えば2万円ほどする有線イヤホンならば、オーディオマニアでもない限りはまず一般層ならば困ることの無い音質のイヤホンを購入することが出来る
(ちなみにデーモン閣下が使っているイヤホンで、パイオニアのSE-CH5BLというものがあるが、これはハイレゾ対応、バランス接続という代物だが、これでも2万円などはるか上だ
情報元:https://news.mynavi.jp/article/20170426-kakka_granbeat/)



そのような値段のイヤホンを2年程度でホイホイ買い換えるなんて人は、よほどお金に余裕があるかまたは財布の紐が緩い人以外は居ないだろう


また好みの問題ではあるかもしれないが、AirPodsはインナーイヤー型と呼ばれるタイプのイヤホンなので、どうしても音質面ではカナル型イヤホンに劣ってしまう

ノイズキャンセリング機能の付いているようなカナル型イヤホンには、手も足も出ないレベルだろう

そのため、どうしても音質面では有線のイヤホンに劣るのだ




AirPods、もっと言うとBluetoothイヤホンにはメリットも多いが、音質面では有線に劣り、直ぐに買い替えなければならなくなるコストパフォーマンスの悪さがある

やはりこういう問題がある以上、イヤホンジャックを無くすのは悪手であると思わざるを得ない


上でも語ったようにスペースの削減による性能面での問題などもあるのかもしれないが、Antutuベンチマークスコアが246442点であるGalaxy Note9はイヤホンジャックを有している。

それにXperiaXZ2などを見るに、無くすことによるメリットと、無くなることによるデメリットを比較した場合、やはりイヤホンジャックは残しておいた方が良いのではないだろうか


Bluetoothイヤホンが今後もシェアを伸ばしていくのは誰の目にも明らかだが、やはりバッテリー問題が解決されるまでは安易にイヤホンジャックを無くすのは辞めて欲しいものである

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